2015.05.20 カンコードリームプロジェクト 大阪大学大学院工学研究科 助教 池内祥見

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P7220696.jpg池内氏は大阪大学の先生です。

大学の先生と言えば授業を教える他に、研究や発表をしているイメージ。池内氏の場合は授業・研究以外に「キャンパスデザイン室」という処で、大学のキャンパスマスタープランを立てる仕事をしています。

仕事の内容は、広い大学の敷地内で建物や空間の計画を立てたりデザインの方向性を決めたり、全体のルールを作る事です。このルールを決める事で、長く使い続けても快適な学校になるそうです。そんな池内さんから、大学の先生になるまでのお話や、学生時代に頑張っていた事などをお聞きしました。

自分が今思っている事で、人生は完結しない。

僕は今、建築系の先生をしていますが、実は学生時代の専門は建築ではありません。

子どもの頃は「宇宙船に関わる仕事をしたい!」と思っていたので、高校時代で理系を選び、大学でもエネルギーについて勉強していました。

でも、大学に入学してから、たくさんの方々に出会う中で、新しく挑戦したい事や、自分のやるべき道が見えてきました。そのひとつが3Dプリンターです。学校にあるコピー機がグレードアップしたもので、紙ではなく、立体の物をコピーできるすごいもの。その機械を使えば、CG(コンピュータグラフィック)のデータと、まったく同じカタチの立体物ができるのです。

将来はこれを仕事にしようと思い、大学院では技術だけを求めるのではなく、経営も学べる専攻へ進みました。

大学は文系か、理系か、だけではない!

高校、大学では理系と文系に別れる事が多いですが、実は大学院ではその両方を学べるような処もあります。僕も高校生の頃は知りませんでしたが、大学を卒業してないと受けられない学校や学べない事柄が、実はいっぱいあるのです。僕が選んだ大学院のビジネスエンジニアリング専攻」(※大阪大学大学院工学研究科にある専攻の一つ)もまさにそういう処で、技術だけではなく、経営も解る技術者を育てる為の専攻でした。

そして、工学と経営学の両方を卒業し、卒業後はメーカーで商品開発に携わることになりました。 

興味の幅を広げよう!

高校生のうちに「僕は将来この道へ」と考える事は大切ですが、「僕はこれをやりたいからこれしかしない!」というような考え方は辞めた方がいいと思います。視野を広げて学ぶ事で、新たな興味や目標がきっと見つかるからです。

その為に、まずは本を読む癖をつけて貰いたいです。インターネットでは多くの情報が得られますが、インターネットの情報は自分が興味のあるキーワードしか見つけ出すことしかできませんし、内容に関しても5分もあれば読めるものばかり。逆に本はそれぞれの専門分野が網羅されているので、何冊か読めば、それぞれの本で書かれている事が繋がり、更なる発見や興味がきっと見つかるはずです。できれば自分が面白いと思う本や、同じジャンルの本だけではなく、友達と互いに興味のある本を交換したり、図書館でおすすめの本を借りてみるなどすれば、自分でも思いも寄らなかった、面白い発見があると思います。

興味から生まれた今の仕事。

今、大学で建築に関わる仕事をしていますが、そのきっかけになったのは、仕事の経験に加えて、プライベートで行っていた“場づくり”でした。

本が好きな人たちが集まっておすすめの本を発表する場や、学生と社会人が交流する場を作っている中で、教育に興味を持ち、いつか教育に関わりたいと思っていた矢先、縁あって大学の方から声をかけていただきました。今の仕事においては、キャンパスを整備していく上で、どんな形・デザインにするのかという建物の面だけでなく、誰がどう使うのかという場づくりの面での考え方も非常に重要だと考えています。今の目標は、学生や利用者から素晴らしいと言ってもらえるキャンパス空間を作っていくことです。

大学や大学院で学んだモノづくりと経営に関する知識と技術、その両方を使って得た社会人としての経験、その他の様々な人との出会い。そのすべてがあったからこそ今の自分があるのだと思います。ついでに言うと、これからの将来の事はなかなか想像ができませんが、子どもの頃に夢見ていた宇宙船に関わる仕事をすることが、夢でなく現実になる日がくるんじゃないかとひそかに心には思い続けています。想いを持っている限り可能性はゼロではないので。

皆さんが今後経験するすべての事柄は必ずどこかで繋がっています。自分の可能性を信じて頑張ってください。