2022.03.07 カンコーエールプロジェクト 地元企業と取り組むSDGs!エコバッグ制作・配布|宮崎県立高城高等学校

1.jpg

「SDGs(※1)」を学校家庭クラブ活動(※2)の今年度のテーマとしている宮崎県立高城高等学校(以下、高城高校)の生活文化科。取り組みの一環として、制服の製造工程でどうしても発生してしまう余り布を活用したエコバッグを制作し、2022年3月に生徒が地元のスーパーマーケットで限定配布します。
本取り組みには、高城高校に隣接するカンコーの高城工場が協力しました。

※1 SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月に国連サミットで採択された持続可能な世界を実現するための17のゴールと169のターゲットから構成される国際目標であり、世界全体で2030年までに社会が抱える様々な問題を解決することを目指しています。

※2 全国高等学校家庭クラブの活動。学習指導要領の家庭科で学ぶ内容の一つに位置付けられています。グループや学校単位で多くの友達の力を結集して、学校や地域生活の充実・向上をめざす実践活動です。

 

高城工場での工業用ミシン体験とエコバッグ制作練習

学校でエコバッグを制作する前に、生活文化科の1年生から3年生の学年代表合計7名が、練習も兼ねて高城工場の工業用ミシンを使ったエコバッグ制作にチャレンジしました。
工業用ミシンの使い方は、工場で縫製を担当しているカンコー社員がレクチャーしました。

学校の授業で使っているミシンとは違い、工業用ミシンは足元のペダルで本縫い・返し縫い・糸切りを操作します。また、縫うスピードはペダルの踏み加減で調整しますが、踏み込み過ぎると勢いよく進むため注意が必要です。

まずは工業用ミシンの操作に慣れるために、ガイド線が引かれている不織布を使って直線縫いの練習をしました。(下図右)
始めは慣れない操作方法やスピード調節に少し苦戦していましたが、すぐにコツをつかんできれいに直線が縫えるようになり、エコバッグ制作へ移りました。

2.jpg

縫い進めていくうちにズレやすい表布と裏布を合わせる縫製や、最後の仕上げでバッグの口を端から2mm程度の幅で縫うところ(下図右下)が難しかったようです。

また、布を中表になるように組み合わせることや、表布と裏布を縫い合わせて表にひっくり返したときに持ち手が正しい向きになるよう縫い付けることなど、出来上がりのイメージが難しい部分はカンコー社員が用意した部分見本を見せながら詳しく説明し、生徒は慎重に確認しながら縫い進めていました。

3.jpg

生徒は皆明るく活発で、分からないところはすぐにカンコー社員に確認するなど積極的に取り組んでいて、工業用ミシンでの練習を楽しんでいる様子でした。いろいろな刺激も受けたようで、「教えてくれた人の手つきが全然違ってかっこよかった」、「1つのことを極めていく楽しさを感じた」と話してくれました。

 

高城高校でのエコバッグ制作授業

生徒全員で制作したエコバッグは、地元のスーパーマーケットで配布し、生徒自身のみならず地域へ広くSDGsへの理解を深めたいと考えています。

高城工場で生活文化科の学年代表がエコバッグ制作練習をした後日、今度は学校で生活文化科1~3年生全員が制服の余り布を活用してエコバッグを制作します。今回は1年生の授業にカンコー社員が訪問して縫製指導を行いました。

生活文化科では普段から家庭に関する専門科目を広く学んでいて、授業当時、1年生は規定時間内にハーフパンツを1着縫い上げるという検定(※)を控えていました。そのためミシンには慣れているように見えましたが、裏地がついたものを作るのは今回が初めてだったため、やわらかくて滑りやすい裏地の扱いは特に難しかったようです。

しかし、「今まで使ったことのない生地を縫えて良い経験になった」という前向きな声が多く聞かれました。カンコー社員から教わった内容を生徒同士でも積極的に教え合い、頑張ってエコバッグを完成させていました。

※全国高等学校家庭科被服製作技術検定

takajyo_image.jpg

 

高城高校でのSDGsへの取り組み

生活文化科では「SDGs」を今年度の学校家庭クラブ活動の大きなテーマとしており、これまでも学校では校内に掲示する啓蒙ポスターを作ったり、新たに食材を購入せずに家にあるものだけでお弁当を作ったりしたそうです。
そこで、個人で取り組んでいることはあるか伺いました。

・エコバッグを使う。
・ペンやシャンプーは詰め替え用を買う。
・野菜の皮は薄くむくようにする。
・賞味期限が近いものから買う。
など

特にエコバッグの使用は多くの生徒が実践しており、すでにSDGsが身近なものになっているのだと感じました。また、スーパーマーケットでのエコバッグ配布への意気込みを伺いました。

・もっとたくさんの人にSDGsについて知ってもらいたい。
・高城高校での取り組みや、学生がどのような技術を習得しているか知ってもらいたい。
・私たちの作ったエコバッグを使って買い物に行こうと思ってもらえたら嬉しい。
・エコバッグが制服の余り布から出来たことを知って、大切に使ってもらいたい。


家庭科担当の桑山先生から、今回の取り組みについて感想を伺いました。

「生徒は縫いにくい丈夫な制服の生地を扱ったり、細部にわたる縫製指導を受けたりしたことで、制服のみならず、ものづくりの難しさを体感することができました。今回の取り組みをキッカケにSDGsをより自分事化することができ、もっと物を大切にしようという意識が高まったと感じます。」

生活文化科の皆さんが一生懸命作ったエコバッグが多くの人の手に渡り、SDGsへの意識がもっと広がっていくことを私たちも願っています。
また、カンコーとの今回の取り組みが皆さんの職業観を育む一助となれば嬉しく思います。


6.jpg
※写真撮影時のみマスクを外しています。

高城高校について

宮崎県都城市高城町に所在する公立の高等学校。
普通科と生活文化科があり、今回取材した生活文化科では3学年合わせて102名の生徒が在学し、週の約3分の1の時間を使って家庭に関する専門科目を広く学んでいる。
生徒は家庭科技術検定などのさまざまな検定にもチャレンジし、生活産業のスペシャリストを目指す。

 

カンコー学生服は、子どもたちと学校を取り巻く様々な社会課題を解決するスクールソリューションカンパニーとして、学校制服・体操服に代表される「ものづくり」と、子どもたちが未来を生きるために必要な力を育む「ひとづくり」を通じて、持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。

これからもカンコー学生服はさまざまな取り組みを通して、みなさんの未来にエールを送り続けます。

jinji-3.png

職場体験・インターンシップ|中学・高校生の自己理解を深め、勤労観・職業観を育てる体験プログラム

2024.01.23 カンコーエールプロジェクト カンコーでは、子どもたちが未来を生きるために必要な力を育むために、中学校・高校を対象に職場体験・インターンシップを受け入れています。本社のある岡山県は昔から繊維産業が盛んで、学生服生産量日本一です。そのような地域産業を知ってもらって子どもたちの学びに活かしてもらう機会として、カンコーの人材採用や従業員教育の業務を行っている人財開発グループが担当して、今年度(2023年度)岡山県内の中学校・高校26校を対象に職場体験・インターンシップを実施しました。

tochigi_9.jpg

うつのみや人づくりフォーラム|子どものお仕事体験を通じたSDGs『ものづくりエコ体験教室』開催!

2023.12.07 カンコーエールプロジェクト 栃木県の宇都宮市教育委員会(うつのみや人づくり推進委員会事務局)では、「宮っこ未来ビジョン」を掲げ地元企業と連携して、第16回うつのみや人づくりフォーラム※1 「育もう 地域の愛で 子どもの未来」をテーマに、ステージイベントや宮っ子ジョブタウンといった子どもから大人までみんなが楽しめる事業を実施しています。参加する子どもは、お仕事を体験して得たお給料(「ドリ」という仮想通貨)を使って、宮っ子デパートでお買い物ができるという仕組みです。 栃木菅公学生服株式会社(以下、カンコー)では、2018年よりこの取り組みに参画し、2023年度は昨年好評だった『制服の端材で御守りづくり』をお仕事体験として実施しました。