2019.05.14 キャリア教育 第2回 「シェア」により気づき深めたキャリア教育プロジェクト【生徒/前編】

岡山県倉敷市の学校法人ノートルダム清心学園 清心中学校・清心女子高等学校。社会が激変する中で、130年以上引き継がれている精神と新しいことに挑み続ける教員と生徒。一般社団法人 カンコー教育ソリューション研究協議会との産学連携キャリア教育プロジェクトを通じて、様々な立場からプロジェクトでの変化やこれからの学びについて語っていただきました。(全7回)

seishin2-1.jpg

全33チームから企業が選定した受賞チーム「Spirits」の生徒へ、副賞でもある本記事インタビューを実施。前編では、評価された点をふまえ、自分の変化に気づき、まわりと深めたふりかえりワークショップの様子をご紹介します。(写真左から大槻さん、片山さん、藤原さん、丸山さん)

 

評価基準をシェアすることで、自分の行動のふりかえりにつながる

プレゼンの審査は、生徒・担任の先生・ファシリテーターが「衝撃性・共感性・論理性・デザイン性」の4項目で審査。総合得点数の高さでクラス代表を選定しました。その内容を加味し、生徒のアイデアから生まれた菅公賞を下記ルーブリックを活用し評価。A群の中から、実現可能性などを考慮し、菅公賞を選定。

2-2.png
菅公賞選定のルーブリックを定め、選定

seishin2-3.jpg
2-4.PNG
2-5.PNG

企画書とクリアファイルデザイン案(実物制作を進行中)

生徒から評価された点としては、ニーズ把握での課題や清心のよさの情報量の多さや、多い情報の中から課題と解決策を選び、コンセプトとして表現されていた点(論理性)、清心のよさを一瞬で好印象をねらった点(衝撃性、デザイン性、共感性)、などがあがりました。

―― チーム「Spirits」のみなさん、菅公賞受賞おめでとうございます。みなさんの受賞理由はさきほどお話した(※上記)とおりです。企業側からは、評価基準を満たした上で、「洗脳」というキーワードが企画書やプレゼンで表現され、マーケティングの本質を捉えていることが高く評価され、受賞の大きな決め手になりました。

みなさん:(驚き、笑う)

藤原さん:洗脳という表現は、マイナスかと思っていました。

―― マイナスどころか、感心でしたよ。例えば、このお茶を買おうかな。と購入するのは、ある意味洗脳されて行動しているとも言えますよね。それが言わずとして表現されたみなさんは素晴らしいです。自信をもってくださいね。

 

セルフアセスメントを活用したふりかえりワークを実施

2-6.png
2-7.png

プロジェクト前後でセルフアセスメント(自己評価)した内容を、個人用シート(上記)でフィードバック。みなさん、自分の変化やまわりや学年傾向との違いに興味津々でした。学力では測れない“非認知能力”が、どんな風に変化したのか、また自分の行動の何がよかったのかをふりかえっていただきました。

自分の高まった資質・能力と、その理由をシェアしながら気づきを深める

――  プロジェクト前後で、一番変化の大きかった項目(資質・能力)と、そうなった自分のよかった行動は、いかがですか。シェアしていきましょう。

丸山さん:いろいろなアイディアを思いつくことができるようになったという「創造力」が一番高まりました。よかった行動は、「清心」のよさを伝えたいということを思い、積極的に案をだして自分の意見をだしたことがよかったんだと思います。

大槻さん:自分の気持ちや考え、思ったことを言葉で伝えることができるようになった「表現力」が高まりました。自分がファイルをもらったとき、どのように感じるか、第一印象などを考えたのがよかったと思います。

――  今後高めたい項目(資質・能力)と、高めるためにすぐできる行動はありますか?

片山さん:表現力です。自分の気持ちや考え・思ったことを言葉で伝えること。そのために、普段から言葉にする。何を考え、何を感じたのかを自分独自の感性で言葉や文にする。

みなさん:おお・・・。素敵。やっぱり芸術的!

2-8.png
何を考えてるのか知りたい!その文みたい!とまわりも反応。
シェアすることで認め合う空間や、自分に新しい気づきもうまれる

藤原さん:わたしは、自分で考えて、自分で「やろう」「やってみたい」と決めることができるようになりたいです。そのために、まず不思議に思った時点で「無理そうだな」と思ってやめるのをやめようと思います。

みなさん:(うなずき、共感するみなさん)

藤原さん:全体傾向でも、「持続力」の自己評価が低い傾向があったので、いやなことがありそうと見えた瞬間にやめちゃうのは自分でも思うので、そこはみんな共通してるんだなーと安心しつつ、自分で変えていきたいなと思いました。

――  安心しつつ、の先があるのが素晴らしいですね。

 

生徒のふりかえりが、関わる大人のふりかえりになる

―― このセルフアセスメントは、学校やクラスなど周りの環境や、自身の状況によっても変化します。テスト後などは、計画的にできなかったと、自己評価が下がる傾向が出ることもあります。

みなさん:(うなずき、共感する)

―― まわりと比べるのではなくて、この体験で自分がどんな成長があったか、なにがよかったのかを自分で気づいたり、まわりの方とシェアして認め合ったりできたらなと、みなさんにワークをしてもらいました。

みなさん:ありがとうございます。

―― いえいえ。こちらこそ感謝なんですよ。先生とデザインしたプログラムが、どれだけねらいに近づけたか、みなさんに何を感じてもらえたのか、今日のように知ることで、大人側もふりかえり、次に活かそうと思えます。こちらこそありがとうございました。ということで、いまから取材をはじめましょうか。

みなさん:え!終わった気でいました!

―― さて、改めましてよろしくお願いいたします。プロジェクトの中で、個人でもチームでも課題に取り組んでいただきましたが、やり遂げることができたモチベーションは何だったのでしょうか。

大槻さん:受け身になって考えてみることが楽しくて、それがモチベーションでした

片山さん:絵をかく楽しさです。普段の宿題があまり好きではなかったので、のめりこめました笑

みなさん:リアル!笑

片山さん:絵をかくことは1日がかりで取り組むこともあるので。結果オーライになればいいなーと考えていました。

2-10.png
記入内容をシェアしながら、対話することでさらに気づきを深めるみなさん

ちょっとした壁を乗り越えてみえた、チームワークの極意

―― 通常では関わりが少ない人との課題に取り組むことで大変だったことは?

丸山さん:はじめは、マーケティングのことがわからずなかなか意見が出ませんでした。ですが、取り組む中で楽しくなって、自分も周りのみんなも気持ちを出せるようになったと思います。

藤原さん:重なるんですが、どうしても遠慮がちになってしまいます。自分が発した言葉とか与える印象で、空気をこわしてしまったら、周りのみんなも意見を言わない空気になると大変だなと思ったので、あまり言い過ぎないように空気を読んでいました。

―― いまはどうですか?

藤原さん:みんなの気持ちが「いいものをつくろう」という気持ちになり、それを感じはじめると「こういうのはどう?」と言いやすくなりました。みんなが同じ目標に向かっていたら、遠慮がちにならないんだなと思いました。

―― クリアファイルの校訓は、はじめはありませんでしたよね。それも「いいものをつくろう」の流れでうまれたのでしょうか?

藤原さん:そうですね。「清心のよさを伝えたい」という気持ちがみんな一緒になり、パッと見で伝えるなら「絵だけだとインパクトが足りないかな」という意見ありました。よさが表現されている校訓がコンセプトにもあっていたので、提案したら「いいね」となり、鉛筆で薄く書いていたら、書道が得意な片山さんが「書こうか」と言ってくれました。

片山さん:習字は得意で、いつも筆ペンを持ち歩いているので「これ使えるかな」と提案して書く流れになりました。

―― できあがりはいかがですか。

片山さん:今回、課題に対して家族で考えて取り組み完成まで付き合ってくれました。受賞した結果を伝えたらすごく喜んでくれて、それが一番やってよかったと思った瞬間でした。

―― 家族はどんな反応でしたか?

片山さん:「できると思ってた」って。

みなさん:笑!!!

藤原さん:遠目から見てもきれい。配置から、ステンドグラス感もいい。いいよね。全部の要素が入ったなって感じ。

2-11.png
大変だったことが共通していた分、どうやり抜いたのか話に花が咲くみなさん

―― 次は、学力では測れない“非認知能力”についてお聞きします。

いかがでしたか? 関連記事では、様々な立場から教育やこれからについてお話いただきましたので、ぜひご覧ください。

お問い合わせ

本プロジェクトに関するお問い合わせは、上記お問合せフォームよりお気軽にご連絡ください。

関連記事

(撮影 / 橋爪 健太、取材・ライティング / 北浦 菜緒)

menu7.PNG

第7回 「生徒目線の学校の魅力」に気づかされた広報視点の価値

2019.05.14 キャリア教育 本年度より「新・清心」をテーマに広報活動を進められている中で、生徒目線の学校の価値について広報部の松本先生に伺いました。

menu6.PNG

第6回 産学連携に取り組む教員のモチベーションとは

2019.05.14 キャリア教育 本プロジェクトの発起人でもあり、半年間の準備からふりかえりまで主として協働された学年団 主任の友光 由紀子先生。プロジェクトをやり遂げたプロセスやモチベーションについて伺いました。