2019.05.14 キャリア教育 第6回 産学連携に取り組む教員のモチベーションとは

岡山県倉敷市の学校法人ノートルダム清心学園 清心中学校・清心女子高等学校。社会が激変する中で、130年以上引き継がれている精神と新しいことに挑み続ける教員と生徒。一般社団法人 カンコー教育ソリューション研究協議会との産学連携キャリア教育プロジェクトを通じて、様々な立場から教育やこれからについて語っていただきました。(全7回)

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本プロジェクトの発起人でもあり、半年間の準備からふりかえりまで主として協働された学年団 主任の友光 由紀子先生。プロジェクトをやり遂げたプロセスやモチベーションについて伺いました。

 

これから必要になる力と感じた“マーケティング”

―― 半年前より一緒に取り組みをしてくださりありがとうございました。改めて“マーケティング”をテーマとして選ばれたきっかけについてお聞かせください

こちらこそ、ありがとうございました。そうですね、インターネットが発達し情報が溢れている世の中で、自分のとなりで働いてほしい人を育てたいという気持ちがいつもベースにあります。
そのこともあり、今回も育成したい資質・能力は、社会人基礎力の中から決めていきましたね。テーマの“マーケティング”は、正直、自分が興味があったからです。ユニバーサルスタジオジャパンの再建に尽力されたマーケター 森岡 毅さんを書籍やメディアで知り、これからはこの力が必要だと思い授業でも何度か映像教材などで取り入れていました。

 

外部人材との出会いは、校内ハローワーク

―― 先生ご自身が興味があった“マーケティング”ですが、どのようにして外部人材を探し、実現されたのでしょうか

“マーケティング”をテーマに、誰か一緒に取り組みができるプロの方がいないかと探していました。

そのとき、校内ハローワーク(様々な職種に就く卒業生や地域企業を招き、対話や講話をしてもらう取組み)に来られたカンコーさんに出会いました。そのときは、アパレルメーカーとしてデザイナーの職種でお話をいただきましたが、職歴の中にマーケティングの文字を見つけ、終了後にお声がけしたんですよね。
社会人基礎力を育成するために、マーケティングでなにか一緒にできないかと相談したのがはじまりでした。

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社会や日々の変化を何か生徒へ活かせないかと考える友光先生

 

決まった人間関係の中で過ごす生徒に、何かできないか

―― プロジェクトを通じて、生徒たちに学んでほしかったことはどんなことでしたか

社会人基礎力を見据えて、ひとつ気になることがありました。

最近の生徒は、SNSの影響もあり、自分が興味のある人の世界でしか人間関係が築くことができない傾向が強くなっていると思います。でも、社会にでると初めて出会う人や苦手な人とも話さないといけないことは多いので、何か高校で準備できることがないかと思いました。

そこで、ほかの人に目を向ける・話し合わざるを得ない状況をつくってはどうかと、クラスやコースを越えたチームづくりをひとつの仕掛けとしました。結果的に、殻を脱出した人間関係がつくられていて、子どもたちが成長して、学校生活が楽しく、一緒に何かを創りあげる機会になったと思います。
また、友達にいいねとかすごいとかほめられることで、自分のよいところに気づく、自己分析のきっかけにもなったのではないかと思います。

―今回は学年団での実施ということでしたが、生徒や、担任の先生方の反応は?

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生徒にとっては、今まで気にも留めなかったことに、目を向ける機会やチャンネルが増えたように感じています。

今日も社会科の知的財産を学ぶために外部の方をお呼びしたのですが、マーケティングを学んでいたおかげで、生徒も聞き方や吸収の仕方が変わってきたと思います(その場にいた生徒も賛同)。

担任の先生方からは、実施前後でいろんな意見がでました。実施前は、貴重な3コマをどう生徒の学びにつなげるのかと不安の声もありましたが、実施後の振り返りでは「企業に入ると、限られた時間の中である程度のクオリティで仕上げていくことが求められる。これが生徒たちに今、必要な力だね」とねらいや取り組みへ共感される先生や、より学びにつながる方法を提案してくださる先生もいました。

もう1~2時間必要という意見は多かったです。その時間でニーズ把握やターゲット選定の探究や、クラス代表のプレゼンを全員の前で実施し、生徒が自分たちでいいと思ったことをシェアし、何が良かったのかをふりかえりに活用するなど、いろんな提案がありました。(この時期の時間なら活用できるかも、こんな流れで・・・と発意があふれる先生)

 

生徒が背伸びして取り組み「わたしやるじゃん」と思う姿をみたい

―― 西日本豪雨を経験されてからの防災学習の実践など、生徒に対し、日々小さな混乱を仕掛け続ける友光先生。挑戦し続ける友光先生のモチベーションは何だったのでしょうか?

私自身、座学があまり好きじゃなかったんですね。社会にでると答えが決まった教科の学習内容だけでは対応できません。苦手な人とも話さないといけないし、いろんな人と人間関係をつくりあげていかないといけない。母親になったときも、やらざるを得ない、我慢しないといけない。そんな、学校の教科書にはない体験が大人になってから多かったように思います。

社会にでることはこわいけど、緊張もするけど、それ以上に楽しいし、わくわくできるものであるということを感じてもらいたい。自分をもって、わたしはこう生きよう、これをしよう。そうしていると誰かと出会って、チームでする楽しさも気づいて、またやっていこうと思える。

みんないい子なので、ちょっと背伸びして取り組んで「わたしやるじゃん」と思う姿をみたい。それは、自然と「置かれた場所で咲きなさい」「奉仕の心」という、清心ならではの教育にもつながります。人のために喜んでもらえることが率先してできる子があふれると世の中は平和になる。わたしも、そういう生徒に囲まれていると穏やかな楽しい気持ちで過ごすことができて、お互いに気持ちがいいです。そのために、生徒のよいところを伸ばしていきたいと思います。

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菅公賞受賞チームの生徒と友光先生

いかがでしたか? 関連記事では、様々な立場から教育やこれからについてお話いただきましたので、ぜひご覧ください。

お問い合わせ

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(撮影 / 橋爪 健太、取材・ライティング / 北浦 菜緒)

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