2018.03.21 人づくり・現場指導 外部の力を活用した部活動支援の取り組み【前編】


「学校教育コーディネーター制度」を全国で初めて新設し、地域と学校をつなぐ教育支援活動を推進する東京都杉並区教育委員会。その一環である部活動支援について話をうかがいました。前編では、杉並区の「部活活性化事業」を主管する杉並区教育委員会学校支援課の小林課長代理へのインタビューをご紹介します。



杉並区教育委員会 学校支援課
課長代理 小林 淳さん

杉並区が取り組む「部活動活性化事業」とは?

   「教職員の多忙化」を背景に、杉並区では平成14年から部活動における教員の負担軽減と活性化を図る目的で地域人材を活用した教育支援改革に取り組んでいます。そのひとつが中学校の部活動に専門性のあるコーチが指導する「部活動活性化事業」です。この事業では、区教委が契約した企業や団体に所属する専門コーチに部活指導を委託することで、生徒たちの活動を充実させつつ、教員の負担軽減も目指しています。区内の和田中学校に採用した民間人校長の発想で取り組んだ活動を区教委が事業化したもので、平成28年度には区内23校中、17校で取り組んでいます。

 

   杉並区の部活支援事業には、地域人材であるボランティアの方々のご協力による「外部指導員事業」もあり、この2事業により中学校の部活動を支援しています。「外部指導員事業」は、文化部も含めて総勢250名の地域ボランティアに支えられており、参加者を対象とした研修会では、「中学校の部活動」「外部指導員事業」「部活動活性化事業」などの理解を深めながら、各自の活動について学んでいただくと共に、部活動を支える地域人材の育成も同時に行っています。

徹底した事前リサーチで、地域に最適な支援を

   杉並区の部活動支援事業の特徴は、従来の部活動の復活を目指しているところです。少子化などの影響により、これまで通りの部活動の実施が困難な部が増加傾向にあるため、最適な支援策を模索するには、リサーチ力が不可欠です。杉並区では、学校現場の声を聞き取ることを大切にしながら、学校ごとに部活顧問のタイプを分析したり、生徒の在籍数、更には公立中学校への就学状況を調査したりすることで、地域の実情に即した取り組みを大切にしています。

 学校現場の教員からは、自身の負担軽減はもとより、外部のスキルや経験を活かすことで、指導が専門的になり練習内容が向上した、また、生徒のモチベーションが上がった、などの声が寄せられ、担当としても本事業のメリットを実感しています。取り組みの一定の成果を感じるとともに、今後もさらに支援を深めていきたいと思っています。

 部活動を持続可能なものへとしていくためには、今後杉並区の地域住民を中心とした「部活サポート人材」を育て、地域がどの部活動も担っていけるように整備していきたいと考えています。現在でもエリアによっては、総合型地域スポーツクラブを核とした部活動の実践を模索しています。

また、このような事業を学校に導入する際は、マーケティング的な視点も不可欠です。どんなに良い事業でも、地域に最適でなければ意味はありません。杉並区教育委員会では、子どもたちの学力、体力、公立校への入学状況なども含めて学校周辺の地域性をリサーチした上で、学校をサポートしていくスタンスをとっています。もし、10年後、20年経って状況が変わっていれば、また違った形のサポートも必要になるでしょうね。そのためには地域や子どもの状況をその都度分析し、その時代や場所に合った事業を考えていかなければならないと考えています。
(取材 / 上松 利弘)



いかがでしたか? 後編では、杉並区の部活活性化事業に参加している高円寺中学校の橋本校長へのインタビューを紹介しておりますので、そちらもぜひご覧ください。
 

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※本稿は、(一社)カンコー教育ソリューション研究協議会からの業務委託により、菅公学生服株式会社がお届けする学校現場のお悩み解決を目的とした教育関係者様向け情報誌 『カンコータイムズ』 を基に加筆した記事です。