2018.03.21 キャリア教育 日々の学びをつなぐ特別活動【前編】



岡山県立津山商業高等学校は、生徒が地元企業と連携し、仕入れから販売までを行う大規模な学校行事「津商モール」を行っています。さまざまな教科の中で、津商モールに関連した取り組みを扱っており、日々の学びが特別活動によって、まとめられ、つむがれています。集団的な活動や自主的、実践的な活動によって、主体的に行動しようという意識が芽生える生徒も増えています。前編では、津商モール運営の中心を担った生徒たちへのインタビュー記事から彼女たちの成長の軌跡をご紹介します。

日々の学びが津商モールにつながっている。



津商モール
社長 武本 莉奈さん(3年)写真左
副社長 香山 綾乃さん(3年)写真中央
副社長 津田 菜月さん(3年)写真右

―  津商モールを実践してみて、入学前とどう意識が変わりましたか。

武本 入学前は津商モールを知らなかったのですが、たくさんの地域の方が来られていて認知度の高さに驚きました。実際に関わるようになってからは地元企業がとても協力的で、学校外の人たちの協力があるからこそ、津商モールは成功するんだと実感しました。

香山 はじめは文化祭のようなイメージでいましたが、自分たち生徒が楽しむのではなく「お客様」を楽しませることが重要な活動なんだと気づきました。自分がお客様だったら、どうすれば喜ぶだろうかということをいつも念頭に置いて取り組めるようになりました。

津田 先生が先導してやっていく行事だと思っていましたが、自分たちで積極的に取り組んでいかなければいけないと感じました。2年生で店舗を任されたり、企業と直接交渉したりしていくなかで、自分たちで行動する力は何よりも大切なことだと意識が変わっていきました。

―  今回の津商モールで特に力を入れたことは。

武本 昨年よりも販売員としての自覚をもって接客できるよう意識を高めることに注力しました。全体運営や係会の進行は先生が主体でしたが、今回は生徒主体に変え、自分たちが津商モールを運営していくんだという思いを皆に訴えてきました。また地元テレビ局に告知を応募し採用されました。県南部の方にも知ってもらえるよう番組で告知しました。

香山 まず昨年の反省点を洗い出し、自分たちでどのように改善していくかということを考えることからはじめました。そうした中で「お客様が主役」という姿勢をもっと大切にしようとマナー指導を徹底して取り組みました。

津田 昨年までは同じ店舗内でも情報共有ができていなかったことに着目して、全員が同じ情報を持てる体制づくりに心掛けました。会議に出た生徒はその日のうちに他の生徒へ内容を伝えるようにするなど徹底して取り組みました。また「今日という日を幸せに」というキャッチコピーを作り、お客様の思い出づくりの手伝いをしたいという思いも込めました。

―  なぜ社長、副社長になろうと思ったのですか。

武本 2年間体験して、津商モールを変えたい、昨年よりいいものにしたいという思いで社長になりました。自分も含めて販売員としての意識が低いと感じることがあったので、全校生徒が販売員としての自覚が持てるようにしたいと思ったのが、津商モールを変えたいと思ったきっかけでした。

香山 2年生のとき店長を務めましたが意見を自分でまとめられず発信できませんでした。意見をまとめる力は社会に出てから必ず必要となるので、自分自身を成長させていきたいと思い、全校生徒をまとめていく立場である副社長に挑戦しました。

津田 人前で話すことや指示することがとても苦手で自信がありませんでした。そんな自分を成長させるためには、苦手なこととも向き合わないといけないと思い挑戦しました。社長をサポートする立場が自分には合っているのではないかと副社長を選びました。

―  自分たちの想いが反映できたPRポイントはどこですか。

津田 地元の番組で津商モールについて告知できたことです。私たちのなんでも積極的に取り組んでいこうという強い気持ちが伝わって、採用されたのかなと思っています。

―  意見が違ったとき、割れたときはどう対処しましたか。

香山 とにかく話し合って、3人が納得する答えや選択肢を出し、選ぶようにしました。3人とも言いたいことは口にする性格なので、それが自然とできていたと思います。また3人なので、いつでも気軽に話し合える感じが良かったと思います。これは私たち3人だけでなく、店舗(ホームルーム)や係単位でも同じだったはずです。話し合い活動が日常になりました。

―  日常の教科や科目で学んだことが津商モールに生かされていると思いますか。

武本 教科・科目の授業では津商モールを扱う機会がよくあります。授業の中で考えられるため、クラス全員で成功させていこうという思いが高められていると感じています。またマナー学習も含めて、部活動や日常の学校生活でも身につけたものも、津商モールに生きていると思っています。

―  津商モールを終えて思うことは。


武本 お客様の笑顔で自分たちが変えようと取り組んできた苦労が報われた気がしました。後輩には津商モールをもっと大きく変えてほしいですね。

香山 自分たちの頑張りだけでなく、地域や企業の方々がいなくては津商モールは成立しないと改めて感じ、心からありがとうと伝えたいと思いました。

津田 先生たちは生徒に遠慮しているのではと思うくらい、私たちの思うように運営させてくれたように感じます。それと同時に先生からの意見は、私たちに新しい気付きを与えてくれました。
(取材 / 川田 達彦)



いかがでしたか? 後編では、指導に尽力された先生方の想いについて詳しく紹介しておりますので、そちらもぜひご覧ください。
 

「カンコーは、子どもたちの夢と学びを応援しています」

※本稿は、(一社)カンコー教育ソリューション研究協議会からの業務委託により、菅公学生服株式会社がお届けする学校現場のお悩み解決を目的とした教育関係者様向け情報誌 『カンコータイムズ』 を基に加筆した記事です。