2022.03.21 先生向けコラム 学校でのSDGsの取組事例をご紹介 持続可能な社会を作る学校教育とは

近年、持続可能な社会の担い手となる子どもたちの学ぶ力を育むため、様々な学校がSDGsを教育に取り入れています。
教材や入試問題に出題されるなど、SDGsを取り入れる動きが頻繁に見られるようになりました。しかし、SDGsを学校教育にどのように取り入れたら良いか悩まれている先生方も多いのではないでしょうか。
今回は学校で実際に行われている事例を8つご紹介します。

※SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月に国連サミットで採択された持続可能な世界を実現するための17のゴールと169のターゲットから構成される国際目標であり、世界全体で2030年までに社会が抱える様々な問題を解決することを目指しています。

目次
1 事例紹介
 1-1 SDGsを学ぶプログラム
 ・事例1:SDGsセミナー
 ・事例2:LGBTQ・性の多様性に関する講演会
 1-2 SDGsを実践するプログラム
 ・事例3:新制服プロジェクト
 ・事例4:モザイクアート
 ・事例5:エコバッグ制作
 1-3 生徒が考え発表するプログラム
 ・事例6:SDGs商品企画
 ・事例7:SDGsの目標ごとにアクションを起こした成果発表会&協議会
 ・事例8:SDGsを学ぶ校外学習

2 SDGsの内容を理解することが大切

3 まとめ

1 事例紹介

SDGsに積極的に取り組まれている学校の事例を3つのプログラムに分けてご紹介します。

1‐1 SDGsを学ぶプログラム

SDGsを学ぶプログラムを行っている学校の取り組みをご紹介します。
生徒にまずはSDGsの知識をつけてほしいと考えられている先生はこちらのプログラムをおすすめします。
 

事例1:SDGsセミナー​​​​​​

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SDGsセミナーは様々な種類がありますが、SDGsに関する取り組みをこれから実施しようとされている学校、生徒向けに行う基礎編では、多くが「SDGsとは何か」「どのような取り組みがSDGsとなるのか」などが学習できる内容になっています。様々な企業や団体がセミナーを用意していて、生徒に向けて実施するケースも増えています。

カンコーでも同様の取り組みをしており、上記の写真はカンコーが福山市立松永中学校の1年生にSDGsセミナーを行った時のものです。同校では「多様性のある社会、作る責任使う責任を学び、行動に起こしていく」ということを目標にまずはSDGsセミナーを実施しました。
生徒からはこのセミナーを通して、「SDGsに貢献するために自分にできる事を率先してやっていこうと思った」などの感想が寄せられました。

事例2:LGBTQ・性の多様性に関する講演会

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(写真は別の学校で行われた西原さつきさん講演会)

LGBTQ・性の多様性に関する講演会は、SDGs目標の「5.ジェンダー平等を実現しよう」を中心におきSDGsについて学ぶことができる事例になっています。トランスジェンダーの当事者によるLGBTQに関するセミナーを行い、当事者の経験談から、1人1人の「自分らしさ」について考えます。生徒からの質問や感想を聞き、対話の時間を設けながらワークショップなども実施しています。

福山市立松永中学校ではSDGsセミナーに続き、西原さつきさんによるLGBTQ・性の多様性に関する講演会も開催しました。多様性のある社会について理解を深めるため、まずは様々な性のあり方について学び、自分らしさとは何かを考えました。
同校ではLGBTQ・性の多様性に関する講演会で学んだことをいかして、「多様性を理解しあい尊重しあえる街づくり」について生徒で考え、福山市の子ども議会で性的マイノリティの方の電話窓口の設置や理解を深める施策について提案したそうです。

※西原さつき
俳優・講師。男子として生まれるが幼少期から強い性別違和を覚え 16歳からホルモン治療を開始。タイにてSRS(性別適合手術)後、トランスジェンダーの世界大会「Miss International Queen 2015」にてフォトジェニック賞を受賞。NHKドラマ「女子的生活」トランスジェンダー指導。

 

1‐2 SDGsを実践するプログラム

SDGsを実践するプログラムを行っている学校の取り組みをご紹介します。
SDGsの基礎学習ができていて、持続可能な社会のために、実践的な活動を授業に取り入れたいと思われている先生はこちらのプログラムをおすすめします。
 

事例3:新制服プロジェクト

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こちらは長野日本大学中学校・高等学校で行われた、新制服のデザインを考えるプログラムです。
性別にとらわれず、自由に選べるデザインの新制服を生徒や保護者、教員を含めた30人ほどで話しあって決めていました。このプロジェクトを通して生徒1人1人がジェンダー平等に対する理解を深めてくれたそうです。

ジェンダー平等の実現のためにはどのようなことをすれば良いのか、LGBTQの当事者の方たちはどのような気持ちなのかを考えることができ、ジェンダー平等について深く考えることができるプログラムです。

事例4:モザイクアート

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こちらは佐賀県立佐賀商業高等学校で行われたプログラムです。「プラスチックゴミのポイ捨てを無くそう」というメッセージを込めて、1年生全員で、家庭のプラスチックゴミを持ち寄り、モザイクアート(縦2メートル×幅6メートル)を作成し、同校の文化祭で展示しました。
1つ1つのゴミでタコの大きなモンスターを作り、「ポイ捨てが海をいじめるモンスターに」という言葉をいれて、ポイ捨て禁止を訴えました。文化祭後も校内に展示されポイ捨て禁止の意識を高められています。

この活動を行うことで、ポイ捨てをしないなどの身近なことを意識し、行動に移すことが、持続可能な社会への一歩であると学び、SDGsについても身近に感じることができたようです。
 

事例5:エコバック制作

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こちらは岡山県立西大寺高等学校で行われた、制服の製造工程で発生し廃棄される端材(余り布)を題材に、家庭科の授業でエコバッグを作って、実生活で使用するという取り組みです。廃棄資材を活用し、エコバッグを制作することで、廃棄資材の削減と、レジ袋を使用しないことで海洋ゴミや地球温暖化の課題に取り組みました。

1‐3 生徒が考え発表するプログラム

生徒が考え発表するプログラムを行っている学校の取り組みをご紹介します。生徒が考え発表を行うためには、持続可能な社会の実現のためにどのようなことができるのかを深く考える必要が出てきます。
SDGsをより深く学び、グループワークで他者の意見を聞くことで新たな気づきを得るなど、探究学習として活用したい先生はこちらのプログラムをおすすめします。

事例6:SDGs商品企画

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佐賀商業高校では、SDGsを自分ごと化するために、制服の余り布を使った商品企画から販売までを包括的に行いSDGsを学ぶ授業を実施しています。
商品企画としては、各クラスでグループに分かれてエコバッグやブックカバーなどの商品を企画し、その内容をプレゼンテーションするところまでを実施しました。1位に輝いたチームの商品を実際に制作し販売まで行う予定です。
 

事例7:SDGsの目標ごとにアクションを起こした成果発表会&協議会

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枚方市立楠葉西中学校では、全生徒が各目標を達成するためにどのようなことができるのかを考えて、個人またはチームで各プロジェクトの実施計画を練り続け、同じような目的を持っている団体(役所、NGO・NPO、企業など)とつながりながら、実際に半年間アクションを起こし続けてきました。そのような取り組みの集大成として、各プロジェクトをテーマごとに振り分けた分科会で、改めてよりよい持続可能な社会を創り出すためのアクションを模索する場として「Kuzunishi SDGs Summit」が開催されました。

各目標を重点的に調べ、実際に小さなアクションを起こしてみることで、その目標を達成する方法が具体的になり、生徒自身もどうやって課題を解決するのかが見えてきていました。最後の全体報告では、少し他人事だったことも、様々な人と協議することで、新たな視点を得て、自分事として考えた次なるアクションの提案がなされていました。

各プロジェクトに協力していただいた関係団体の方々、保護者や地域の方々を含む、年齢や立場を越えた様々な人と交流し協議することで、新たな考えや価値観にも出会え、SDGsを多面的・多角的に捉え、より自分事化することができる取り組みとなっています。

事例8:SDGsを学ぶ校外学習

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仙台市立幸町中学校では、1年生でグループごとにテーマを決め、SDGsについての校外学習をするプログラムを行っています。様々な企業に訪問し、SDGsについて実際の現場から学ぶことができ、社会のリアルを知ることができます。その後グループごとにプレゼンを行い、企業のSDGsの状況についてなどを学んでいきました。

地元企業がどのようにSDGs達成に向けて活動しているのかを自分たち自身で見聞きすることでSDGsの理解を深められる取り組みになっています。

 

2 SDGsの内容を理解することが大切

各学校の取組事例を8つ紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
様々な学校にお話を伺った結果、まずはSDGsの内容を理解することが大切だと言われた先生が多かったです。理由はSDGs全体や各目標の理解を行うことで、SDGsの実践に取り組んだ時に「この取り組みはSDGsの目標の〇番だ」と理解して進めることができるため、深い学びに繋がるからだそうです。

そのため、まずは「SDGsを学ぶプログラム」を行い、生徒にSDGs全体のことや、各目標のことについて学んでいただくことを始めていくのが良いでしょう。SDGsセミナーを用意している企業や団体も増えており、依頼しているケースも多く見られました。

その後、実践やプレゼンテーションを通して学んでもらうことで子どもたちのSDGsへの理解が深まると思います。
生徒自らが発想豊かに仲間と協力することのできる授業の一環としてSDGsを取り入れることは、社会課題の理解と、自分がどのように行動して生きていくべきかを考えるきっかけとなったようです。

 

3 まとめ

今回はSDGsに積極的に取り組まれている学校をご紹介しました。
SDGsを学び考えることは、持続可能な社会の実現と、子どもたちが物事を深く考えるきっかけになると思います。みなさんも事例をヒントにぜひ授業にSDGsを取り入れていただければ幸いです。

カンコーではSDGsセミナーやSDGs商品企画など、様々な取り組みをご用意しています。ご相談等あれば下記よりお問い合わせください。


カンコーのSDGsの取り組み

参考情報
福山市子ども議会

 

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学校でのSDGsの取組事例をご紹介 持続可能な社会を作る学校教育とは

2022.03.21 先生向けコラム 近年、持続可能な社会の担い手となる子どもたちの学ぶ力を育むため、様々な学校がSDGsを教育に取り入れています。 教材や入試問題に出題されるなど、SDGsを取り入れる動きが頻繁に見られるようになりました。しかし、SDGsを学校教育にどのように取り入れたら良いか悩まれている先生方も多いのではないでしょうか。今回は学校で実際に行われている事例を8つご紹介します。