2015.05.20 先生向けコラム 楽しさ・喜び共有できる環境を (公益財団法人 日本中学校体育連盟副会長 木ノ本 静次氏)
きのもと・じょうじ
(公財)日本中学校体育連盟 副会長
近畿中学校体育連盟 会長
大阪中学校体育連盟 会長
昭和29年12月 大阪府生まれ。大阪体育大学体育学部体育学科卒業後、大阪市公立中学校教諭、大阪市教育委員会指導主事、大阪市教育委員会学校体育係長を歴任。現在、大阪市立下福島中学校長
地域の協力得て負担を軽減
部活動は学校生活の中で非常に大きな役割を占めていますが、一方で、教職員の過重な負担が近年問題になっています。
長野県では、部活動の朝練習が原則廃止になりました。生徒が授業中に居眠りをして、授業に集中できないなどの弊害が出てきたからです。朝食もしっかりとれず、生活のリズムを崩してしまう。勝利至上主義への偏重が、教職員だけでなく、生徒や保護者にとっても負担になっているのではないかと感じますね。
大阪市では、この現状を踏まえて、外部からの協力、いわゆる外部技術指導者招聘事業の拡充を進めているところです。サッカーや野球などのリトルチームやクラブチームなどと連携しながら、スポーツ分野での地域資源を活用していく。それによって、いくらかでも教職員の負担軽減につながればと思います。
本校にも、学校の部活に加えて、ダンススタジオに通うなど、別の場所で目的を実現させている生徒もいます。テニスや卓球、水泳など専門性の高い種目は特にその傾向がみられます。
基本的な社会ルールの指導も
中学校の部活動の特徴として踏まえておきたいのは、高校に比べて、さまざまなレベル・個性の生徒が混じり合っている点です。
不器用だけどスポーツが好きな子、人の世話が好きな子、整理整頓の上手な子など、実に多彩です。大会の時には、主力選手ではないその子たちが、プログラムの配布や観客席の清掃などで力になって支えてくれます。運動能力にだけ目を向けるのではなく、すべての子どもに備わっている長所や役割を認めてやることが大事です。
部活動に限らず、できれば体育授業でもさまざまなことを体験させてほしいと思います。本人はバスケットボールが好きで部活動に入っているけれど、授業でやらせてみたらハンドボールの方が向いていた、という例はよくあります。指導者の気づきで、子どもの才能が開花することもあります。
部活動は、あくまで学校の教育活動の一環に位置づけられていますから、子どもたちが楽しさやうれしさを十分に体験できるものであってほしいですね。その上で、あいさつをする、身なりを整える、遅刻をしないなど、基本的な生活習慣や社会ルールを、この時期にきちんと教えることが大切です。そのうちできるようになるだろうと、注意を払わず子どもに任せてしまった結果、自覚のないまま社会に出て苦労する子も現実にはいます。
必要な場合は本気で叱る。
まずは、周囲が「本気」で子どもに接することが大切だと思います。(取材/吉田克彦)
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