2022.06.14 先生向けコラム 探究学習とは?学校の事例をご紹介

高等学校の新学習指導要領の移行期間が終了し、2022年度から年次進行での実施となりました。
多くの学校では既に「総合的な学習の時間」から「総合的な探究の時間」(以下:探究学習)として実施していることと思います。ここで、改めて探究学習とは何かを解説し、学校での取り組み事例をご紹介いたします。

目次
1 探究学習とは

2 探究学習の進め方

3 事例紹介
 3-1 北越高等学校(新潟県)の事例
 3-2 立教女学院高等学校(東京都)の事例
 3-3 米子北斗中学校(鳥取県)の事例

4 探究学習がもたらす生徒の変容

 

1 探究学習とは    

探究学習とは、自ら問いを立てて、その解決に向けて情報を収集・整理・分析したり、周囲の人と意見交換・協働したりしながら進めていく学習活動のことです。
互いのよさを生かしながら、新たな価値を創造し、よりよい社会を実現しようとする態度を養うことを目的としています。

また近年は社会情勢の変化が激しく、予測困難な時代を迎えています。このような時代では、様々な情報を見極め、情報を再構築するなどして新たな価値につなげていくこと、複雑な状況変化の中で目的を再構築できるようにすることが求められています。
生徒が未来社会を切り拓くための資質・能力の育成のため、探究学習の課題解決のプロセスを繰り返し行うことが大切ではないかと考えます。

 

2 探究学習の進め方

「総合的な探究の時間」の学習指導要領によると、探究学習の目標は「自己の在り方生き方を考えながら、よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力を育成すること」とされています。これらを踏まえて、各学校の教育目標や生徒育成像に応じて様々な探究学習が実践されています。
では、どのような学習が発展的に行われているのか、学習指導要領に示されている図をもとに解説します。

探究における生徒の学習の姿では下記の図(探究的な学習における生徒の学習の姿)の①課題の設定②情報の収集③整理・分析④まとめ・表現 の4つの過程(プロセス)を意識し学習活動に取り組んでいるかが重要です。4つの過程(プロセス)を繰り返しながら、時には情報収集や課題の設定に立ち返るなど、固定的に捉えることなく進めていくことも必要です。

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※文部科学省【総合的な探究の時間編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説

 

3 事例紹介

ここからは、探究学習の過程を意識し、どのような目的、テーマで探究学習が実践されているか学校の事例からご紹介します。

3-1 北越高等学校(新潟県)の事例

・課題解決型フィールドワーク

目的:自分たちの街にどんな課題があるのか知る
実施内容:探究ウォーキングで新潟の街に出て課題を見つけ発表する

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対象生徒: 高校1年生 400名
実施時期:入学後から文化祭(9月)にかけて実施 約11コマ

プログラム

① 事前指導
  ・探究・課題についての説明
② 企業訪問の決定及び質問内容まとめ
③ 企業訪問の実施
 ・企業見学
 ・企業の方へのインタビュー
④ 企業訪問後のまとめ
 ・事後報告会
⑤ 文化祭での課題発表のテーマ決め
⑥ 文化祭での発表資料の作成
⑦ 文化祭にて成果発表

新潟市内の企業や団体をクラスごとに訪問します。クラスの親睦を図るとともに、探究学習の一環として地域の歴史や文化、企業 ・団体の地域に対しての取り組みを知ることが目的です。

 

・自校の魅力を発信するSchoolYouTubeプログラム

目的:自校の魅力を発信する方法を考える
実施内容:YouTube甲子園の参加をきっかけに、自校の魅力や紹介方法を検討し、動画編集を行う

※YouTube甲子園は、企画から準備、撮影、編集、分析・改善までを生徒のみで行う動画コンテストです。

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対象生徒:高校1、2年生の生徒会執行部 約20名
実施時期:8~9月 約6コマ ※生徒会のメンバーによる課外活動

プログラム

① オリエンテーション
 ・自校の魅力について座談会・他の生徒へのインタビュー
 ・魅力を知ってもらう方法の検討
② 企画発表
 ・PRする部分の検討
 ・ストーリーの構築
 ・ブラッシュアップ
③ 生徒への取材依頼
④ 生徒への取材・撮影
⑤ 編集
⑥ プレゼンテーション・フィードバック

北越高等学校の教育課題と育みたい生徒像

わが校では、様々な教育活動を行っていますが、生徒の「他者視点」で物事を見るという点に課題を感じています。課題の結論なども、自分都合で物事を考えてしまっているため、共感が得られないという様子が伺えます。協働学習を通じて、他者理解の力を育むとともに、行動・言動の変化を期待しています。
 

3-2 立教女学院高等学校(東京都)の事例

・企業課題解決型PBLプログラム

目的:深い学びの場の創出
実施内容:企業課題解決型PBL(Project Based-learning)プログラムを導入する

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対象生徒:大学進学が決定した高校3年生(希望者による参加) 約20名
実施時期:1月~3月 約9回 ※放課後の課外活動

プログラム

① ミッションの確認
(「着用しなくなった制服や体操服、製造過程でうまれる端材の活用方法を提案せよ!」)
② ターゲットの検討、課題の特定
③ 先行事例の研究、アイデア出し・企画まとめ
④ 実現の可能性を検討・裏付けデータの収集
⑤ プレゼン準備
⑥ 中間プレゼンテーション
⑦ 企画のブラッシュアップ
⑧ 最終プレゼンテーション

立教女学院高等学校の教育課題と育みたい生徒像

本校の生徒は、自分の意見を伝える力はあるものの、意見を作る過程で様々な立場の視点に切り替えて考える力が不足しているのではないかと感じています。PBLの取り組みでは、様々な企業や団体の方と対話し、自発的に活動することで、多角的な見方・考え方を養うことができます。PBLの経験を生徒自身の糧として、多様な価値観を涵養し、社会に様々なアイデアを発信できるようになってほしいと願っています。

3-3 米子北斗中学校(鳥取県)の事例

・課題解決型職場体験

目的:生徒一人一人が当事者意識を持つ
実施内容:職場体験を行い、企業の課題を探しアイデアを提案する

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対象生徒:中学2年生 38名
実施時期:1年間を通して実施 約20コマ

プログラム

① SDGsに関する学習、地域・企業の方をゲストティーチャーとして招き授業を実施
② 経営者・従業員へのインタビュー、お客様の行動観察
③ 実際の職場の見学、体験
④ ②③を通して課題を探し、解決策をアイデアとして提案

・非認知能力を高めるアンクスプログラム

目的:非認知能力の向上
実施内容:非認知能力向上のプログラムの実施

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対象生徒:中学1年生 31名/中学3年生 40名
実施時期:7月 約2コマ ※人間形成を目的とした中学校カリキュラムの一環(LHR)

プログラム

① 地域のゲストを招きインタビュー
② 生徒同士の小グループでの対話
③ 振り返り

米子北斗中学校の教育課題と育みたい生徒像

自分のあり方や自分の将来を意識して主体的に活動を行ってこその探究だが、まだまだ主体的に学ぶ姿勢が足りないと感じています。当事者意識を高めるためには、生徒自身の好きなこと、興味のあることを授業に取り入れたり、道徳では自分に置き換えて考える時間を必ず設けたりなど、自分と課題や問題を結びつける工夫を行っています。


4 探究学習がもたらす生徒の変容

実際に探究学習を実施された先生方に、生徒の具体的な変容についてお伺いしました。

Q 探究学習実施後の生徒の変容は?

・主体的な行動ができるようになった生徒が増えた
・目的意識をもって行動できる生徒が増えた
・物事を多面的に見ることができるようになった
・自分の将来を考える意欲が上がった
・発言・行動に他者視点がでてきた
・相手に発信する力が向上した
・俯瞰する力が身に付いた

このように生徒の行動や学ぶ姿勢の変化が見られ、探究学習で生徒の様々な力を育むことができたと実感されていました。
これから探究学習に力をいれていきたいと思われている先生方も今回の事例を参考にしていただければと思います。

カンコーのグループ会社「カンコーマナボネクト株式会社」では探究学習に役立つプログラムを提供しております。詳細については、下記より資料をダウンロードしていただけます。

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カンコーマナボネクト株式会社公式サイト

アンクス
https://k-manabonect.co.jp/program/ancs.html

School Youtube
​​​​​​https://k-manabonect.co.jp/program/youtube.html


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探究学習とは?学校の事例をご紹介

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