2023.09.26 カンコーホームルーム 【Vol.212】学校のSDGs教育の取り組み
2023年は、2015年9月に国連サミットにおいて全会一致でSDGs※が採択されて以降、2030年の達成年限までの『中間年』となり、SDGsは私たちの生活でも耳にすることが多くなりました。学校教育においても、学習指導要領が改訂されたり、入試問題にSDGsが出題されたりしています。では、学校でSDGs教育はどのように取り組まれているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員を対象に、学校でのSDGs教育の取り組み状況、SDGs教育の内容と課題について調査しました。
※SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓い、日本では「持続可能な社会の創り手の育成」として学校教育に取り入れられています。
調査概要
- 調査対象:全国の中学・高校の教員 1,400人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2023年6月
1.SDGs教育の取り組み状況
中学・高校におけるSDGs教育の取り組み状況は、「とても積極的である」(10.4%)と「やや積極的である」(41.9%)をあわせると、5割強が積極的に学校でSDGs教育に取り組んでいると回答しています。一方、「全く積極的ではない」(11.2%)という回答は1割程度みられます。
2.SDGs教育の内容
SDGs教育の内容については、「生徒による自由研究」(22.1%)が最も多く、次に「地域の探究」(18.7%)、「職場見学・体験(インターンシップ)」(16.6%)、「外部講師・企業による講演会やセミナー」(16.4%)、「外部講師・企業による出張授業」(14.1%)を行っている状況でした。また、「特に決まっていない」(26.4%)、「SDGs教育は実施していない」(19.9%)という回答もありました。
3.SDGs教育の課題
SDGs教育に取り組む際に教員が思う課題は、「授業準備・進め方」(39.1%)、「授業時間の確保・調整」(38.4%)、「SDGs指導経験・スキルの不足」(31.1%)という授業を行う環境や教員自身の経験・スキルなどが課題として上位にあげられ、次に「生徒のモチベーション」(28.6%)、「出張授業・講演会を行なう外部講師・企業の選定」(25.8%)、「SDGs教育プログラムの開発」(24.9%)といった生徒の意識や外部講師・企業との調整などがあげられました。
世界は今、新型コロナウイルス感染症、気候変動による災害、紛争、食料・エネルギー問題、貧困、教育格差などの多くの深刻な課題に直面し、SDGsの意義が再認識されています。このような時代を背景にSDGsへの認知や関心も世界中で高まっていますが、学校ではSDGs教育に取り組むための課題もあるようです。
今回、全国の中学・高校の教員1,400人を対象にした調査では、学校でのSDGs教育について、「とても積極的である」(10.4%)と「やや積極的である」(41.9%)をあわせると、5割強の学校がSDGs教育に積極的に取り組んでいると回答していました。しかし、「全く積極的ではない」(11.2%)という学校も1割程度みられます。SDGs教育の内容については、「生徒による自由研究」、「地域の探究」、「職場見学・体験(インターンシップ)」、「外部講師・企業による講演会やセミナー」、「外部講師・企業による出張授業」など様々な取り組みを実施している一方で、SDGs教育で何をするか「特に決まっていない」(26.4%)、「SDGs教育は実施していない」(19.9%)という回答も2割程度みられ、学校におけるSDGs教育環境に格差が生じているようです。SDGs教育への取り組みの課題は、「授業準備・進め方」(39.1%)、「授業時間の確保・調整」(38.4%)、「SDGs指導経験・スキルの不足」(31.1%)という授業を行う環境や教員自身の経験・スキルなどに困っている教員が3~4割程度みられます。また、「生徒のモチベーション」、「出張授業・講演会を行なう外部講師・企業の選定」、「SDGs教育プログラムの開発」なども課題としてあげられ、一部の学校ではSDGs教育を行う環境や体制が整っていなかったり、生徒のモチベーションの維持が難しかったりなどの課題もあるようです。
SDGsでは、持続可能でよりよい世界を目指すため、経済・社会・環境の3側面で取り組むべき課題が国際目標として掲げられています。その中で、「持続可能な社会の創り手」を育成するために、学校における質の高いSDGs教育の充実が期待されています。
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