2019.09.24 カンコーホームルーム 【Vol.164】「10~60代のSDGsに関する意識」

「誰一人取り残さない」という理念のもと、2015年に国連で採択された持続可能な開発目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」は、貧困や飢餓、海洋プラスチックゴミの削減や森林や生態系を気候変動から守ることなど、17の目標と169のターゲットについて、社会・経済・環境など統合的に取り組むものです。では、日本で「SDGs」はどれほど浸透しているのでしょうか?今回は、10~60代の「SDGs」の認知度や関心度、社会貢献に対する意識ついて調査しました。
調査概要
- 調査対象:全国の10〜60代の男女 1,800人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2019年7月
1.「SDGs」の認知度
全国の10~60代の男女1,800人にSDGs(持続可能な開発目標)という言葉を知っているか聞いたところ、全体平均では「知っている」(16.4%)、「聞いたことはあるが内容は知らない」(18.9%)をあわせると認知度は3割を超えています。年代別にみると10代は「知っている」(29.0%)、「聞いたことはあるが内容は知らない」(23.7%)をあわせると半数以上がSDGsという言葉を知っていると回答し、認知が最も低い40代では「知っている」(10.3%)、「聞いたことはあるが内容は知らない」(17.3%)をあわせても3割に満たない状態でした。

【図1】 あなたは、SDGs(持続可能な開発目標)という言葉を知っていますか。(単数回答)
2.「SDGs」の関心度
SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標で関心のある目標について、女性は「3.すべての人に健康と福祉を:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」(40.0%)、「2.飢餓をゼロに:飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する」(37.9%)、「6.安全な水とトイレを世界中に:すべての人々に水と衛生へのアクセスを確保する」(36.2%)という目標が上位に選ばれ、男性に比べて相対的に関心が高い傾向にありました。一方、男性はSDGs(持続可能な開発目標)の17の目標で関心のある目標について「特にない」(30.4%)という回答が最も多いという結果になりました。

【図2】 SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標のうち、あなたが関心のある目標は何ですか。(複数回答)
3.社会貢献への意向
10~60代の社会貢献への意向は、10代は社会貢献をしたいと「思う」(74.3%)という回答が7割以上であるのに対し、60代は社会貢献をしたいと「思う」(39.7%)という回答が約4割と、年代が高くなるほど社会貢献への意向が低くなる傾向が見られました。

【図3】 あなたは、社会貢献したいと思いますか。(単数回答)
SDGsが国連で採択されてから今年で4年目です。しかし、日本では、SDGsという言葉すら知らない人や社会貢献への意向が低い大人が多いというのが現状です。
今回、全国の10~60代を対象にSDGs(持続可能な開発目標)の認知度を調べたところ、認知度が最も高いのは、10代で「知っている」(29.0%)、「聞いたことはあるが内容は知らない」(23.7%)をあわせると半数以上がSDGsという言葉を知っている状態であるのに対し、その親世代の40代は「知っている」(10.3%)、「聞いたことはあるが内容は知らない」(17.3%)をあわせてもSDGsの認知度は3割に満たない状態でした。また、SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標で関心のある目標は、男女での関心度の違いが見られ、女性は男性に比べてSDGsへの関心が高く、特に「3.すべての人に健康と福祉を」、「2.飢餓をゼロに」、「6.安全な水とトイレを世界中に」、「1.貧困をなくそう」、「4.質の高い教育をみんなに」、「5.ジェンダー平等を実現しよう」という目標への関心があると回答しています。社会貢献への意向については、10代は社会貢献をしたいと「思う」(74.3%)で意識が高く、年齢が高くなるにつれて社会貢献への意向が低くなるようです。SDGsは、世界的な大きな目標と思われがちですが、日本では10代を筆頭に若い世代の認知度や社会貢献への意欲の高さが見られます。
2020年度から小学校、2021年度から中学校の学習指導要領でSDGsに関する教育が導入される予定です。子どもたちや学校だけでなく、大人も企業も地域も社会全体で、未来の社会が良くなるように、SDGsの目標を自分事として取り組むことが求めらています。
【Vol.238】学校教育現場の課題
2025.11.25 カンコーホームルーム 学校は、子どもたちの未来を育むための学びの場です。現代の学校教育現場では、社会環境の急激な変化に伴い、知識や技能に加えて、社会性や心身の発達を促す総合的な教育活動を担う「教師」の役割が、以前にも増して重要になっています。では、学校教育現場の課題について、教員自身はどのように感じているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、教師の仕事へのやりがいと大変さ、教師の仕事の負担や困り事の内容、学校教育現場の課題について調査しました。
【Vol.237】部活動の必要性と地域移行の現状
2025.10.28 カンコーホームルーム 日本では長年、部活動は学校教育の一環として行われてきました。中学・高校における部活動は、スポーツや文化・芸術の技術を高めることだけではなく、学級や学年の垣根を越えた集団の中で、生徒の人間的な成長や社会性・協調性を育む課外活動です。では、中学・高校の部活動は現在どのような状態にあるのでしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、部活動の必要性、部活動の地域移行の導入状況、部活動の地域移行の課題について調査しました。
-
【Vol.236】中学・高校生の学校選びのポイント
2025.09.30 カンコーホームルーム 中学・高校受験では、自分の個性や学力に見合う学校かどうか、校風や教育理念、授業内容や部活動、進路実績などの情報を収集・検討して、最終的に受験校を決定することが重要です。では、中学・高校生は志望校を考える際、どのような情報を必要としているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校生1,200人を対象に、進学時に知りたい情報、学校情報の入手方法、進学先の制服への関心度について調査しました。 -
【Vol.235】中学・高校の夏制服で良いと思うスタイル
2025.08.26 カンコーホームルーム 夏休みが終わり、新学期がスタートする時期になりました。まだまだ暑い日が続く中、子どもたちの通学風景では、日傘や帽子などの熱中症対策グッズの使用に加え、ハーフパンツ(膝が出るくらいの丈のズボン)を着用している生徒の姿も目にします。では、暑い夏を少しでも涼しく快適に過ごすために、全国の学校ではどのような夏制服が採用されているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、現在採用している夏制服のタイプ、夏制服で良いと思うスタイル、ハーフパンツ制服の採用意向について調査しました。 -
【Vol.234】学校における熱中症対策
2025.07.29 カンコーホームルーム 総務省消防庁が発表している熱中症による救急搬送人員(5月~9月累計)をみると、調査が開始された2008年以降、熱中症の発生は増加の一途をたどっています。特に、2024年は97,578人と過去最多を記録し、熱中症の発生が深刻な社会問題となっています。では、学校における熱中症の発生状況と対策はどのような状況でしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、生徒の熱中症の発生状況、熱中症が発生した学校活動、熱中症対策として使用を許可しているアイテムについて調査しました。