2015.05.20 人づくり・現場指導 目標を共有し「チーム力」を育む (公益財団法人 日本中学校体育連盟会長 松岡 敬明 氏)
まつおか・たかあき
全日本中学校長会 会長
(公財)日本中学校体育連盟 会長
昭和30年3月東京都生まれ。明治学院大学文学部英文学科卒業後、東京都公立中学校教諭、東京都教育庁人事部指導主事、東京都教育庁指導部指導主事、渋谷区教育委員会指導主事、杉並区教育委員会指導室長、東京都教職員研修センター教育開発課長などを歴任。現在、東京都武蔵野市立第一中学校校長
異年齢の集団による心の発達
文部科学省の指針として、現在の部活動は学校教育活動の一つとして明確に位置づけられており、学校生活の中で授業と同じように大きな役割を担っています。特に中学生にとっての体育系部活動は、体力の基礎を養うという意味でも重要な活動といえますね。
私は、校長として新入生一人ひとりと個人面談を行うのですが、「中学生になって、小学校時代に想像していたことと一番違うと感じることはなに?」と聞くと、「部活の先生や先輩が親切に教えてくれる」と答える生徒が意外に多いことに驚きます。さらに「3年後はどんな自分でありたいですか?」と聞くと、部活をしている生徒からは「下級生から信頼され尊敬される存在でありたい」という答えが返ってきます。
部活を通して異年齢と交わり、先輩に対して同級生の友だちとは違う一種の「憧れ」を抱く。直近の目標となる人生モデルをそこに見出すのではないかと思います。
教員の仕事は「人を育てる」こと
体育系部活動に関していえば、競技には必ずルールがあり、ルールを守らなければ試合に勝つことはできません。これは、社会規範や秩序を学ぶことにもつながります。また、スポーツは、頭で理解して分かる授業とは違い、身体を動かしてコツをつかみ、感覚や技術を身につけていくわけですから体験的要素が非常に大きい。同時に、日常の練習や競技を通して、苦しさや悔しさ、そして喜びや感動など、メンタル面での経験も養われます。
さらに部活動を通して育まれるものとして「チーム力」が挙げられます。チームは単なるグループとは違って、メンバー全員が同じ目的意識を共有します。能力も性格も個々に違う生徒が、目標に向かって心を一つにして練習に励む。たとえ主力で活躍できなくても、チームの一員として自分にできる役割を見出しながら努力する。そこに、利己心を抑制し、他者を生かす思いやり精神も生まれるのではないのでしょうか。先輩との上下関係や礼節、仲間との協調は、いうまでもなく社会性を磨く基礎になります。まさに部活動は、生きるために必要なさまざまなスキルを身につけることができる貴重な教育の場だと実感しています。
指導する教職員へは、子どもたちへの接し方として、「結果」に対する評価だけではなく「プロセス」に対する評価も大事にしてほしいと思います。中学生は心身ともに発達途上の年齢です。「ここはできた」「ここはがんばれた」と、現時点での努力を認めながら、心と身体の成長を見守ってほしいですね。

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