2018.05.08 先生向けコラム 多様な性と制服について

昨今、テレビや新聞でも話題になっているLGBT。複数のテレビ局や新聞社の方から学生服メーカーである私たちにお問い合わせをいただき、みなさんの関心の高さを感じています。
カンコー学生服でも「LGBTと制服」という切り離せない課題にどう向き合うべきかを考えています。

インターネットの書き込みには「制服とLGBTではなく制服とTの問題」という言葉や、「制服をなくせばいい」という意見もありました。なかには、「少数派の人を優先して多数の人が我慢するのか?」そんな言葉もありました。

学生服メーカーである私たちにできることは何でしょうか。

学生服メーカーに勤務しながら苦悩することもあります。みんなに愛され、楽しく学校生活を送ってもらいたいと思いデザインし縫製している制服が子どもたちの心を苦しめているという事実。当事者の方々のお話を聞くたびに「できることは何か」という思いでいっぱいでした。
性別違和や性別が揺らいでいる子どもたちだけではなく、全ての子どもたちがのびのびと生きていけるようにお手伝いができないかと思い始めました。

※LGBT(L:Lesbian・レズビアン、G:Gay・ゲイ、B:Bisexual・バイセクシュアル、T:Transgender・トランスジェンダー)
参考文献:「封じ込められた子ども、その心を聴く」岡山大学ジェンダークリニック 医師 中塚幹也 著

 

ボーダーレスユニフォームの提案

カンコー学生服では、業界でも先駆的にボーダーレスユニフォームを提案してきました。
宗教、身体の不自由、アレルギー、体の大きな方、小さな方、多様な性の方(LGBT含む)どんな方でも着られるようにという視点で制服のデザインや設計を考えています。

例えば身体の不自由な方で手が動かせない生徒さんは、「手が動かせないこと」が障害なのではなく、「ボタン」が障害になってきます。この障害をなくすため、ボタンをなくし、マジックテープで簡単に止められるように改良したりします。
こういった視点で性別違和を持たれている生徒さんが自認の性の制服を着たくても着られない「障害は何か」と考えたとき、真っ先に浮かんだのは「人の目」、偏見だと感じました。

この「障害」をなくさなければ制服だけではなく全ての問題は解決しないと思います。

 

多様な性(LGBT含む)に対するカンコー学生服の取組み

現在、多様な性(LGBT含む)に対する世間の認識も広がり、対応する学校も増えています。

カンコー学生服でも女子スラックスを採用いただいている学校は全国600校以上となり、20年前に比べ急激に増えています。

しかし、トランスガール(生まれたときに割り当てられた性は男性で心の性は女性)の生徒さんがスカートを履くことはハードルが高いと言います。人の目や、自分に似合わないと感じる方が多いそうです。もちろん、メーカーとしてモノを提供することはできます。しかし、「作るだけ」で終わらせないことが学生服メーカーとして、そして子どもたちの夢と学びを応援する企業としての責任であると考えます。

わたしたちは多様な生徒さんのココロを受け止め、モノ作りにとどまらない活動を今後も行っていきます。一人一人の子どもたちの自分らしい夢と学びを応援します。

探究学習のテーマはどう設定する?興味が湧く面白いテーマ例をご紹介

2023.06.28 先生向けコラム 探究学習の授業計画を立てるにあたって、テーマの設定に悩んでいる先生もいらっしゃると思います。この記事では、探究学習の課題点やテーマ設定のポイントについて解説しています。具体的なテーマ例も挙げていますので、ぜひ授業づくりにお役立てください。

学校広報とは?生徒に選ばれる学校になるために

2023.03.15 先生向けコラム 学校広報は以前より、生徒募集などさまざまな役割があります。 一方、少子化の加速やインターネット・SNSの普及に伴い、学校広報に求められる手法や視点が変化しているのも事実です。今回は、学校広報の「情報発信」についてご紹介します。

  • 部活動地域移行とは。部活動改革のカギを握る“地域移行”の先行事例をご紹介

    2023.02.23 先生向けコラム 長年にわたる学校教育の中で、部活動は重要な位置を占めてきました。また部活動は生徒の体力向上や人間関係の構築にも、大きく貢献してきました。ところが現在、社会の変化に合わせる形で、部活動の在り方が変わりつつあります。その流れに沿ってスポーツ庁や文化庁、文部科学省が中心になり、「部活動改革」の推進が始まり、今後さらに取り組みが進むことが予測されます。 具体的には、部活動の地域移行や、教員の働き方改革が行われることになりますが、こうした取り組みが教育現場にどのような変化をもたらすのでしょうか。部活動改革の概要のほか、先行的に部活動の地域移行に取り組んでいる地域部活動推進事業モデル校の事例も含めてご紹介します。
  • 学校でできるSDGsの取り組みをご紹介。中学生・高校生でもできる取り組み事例

    2023.02.16 先生向けコラム 近年、持続可能な社会の担い手となる子どもたちの学ぶ力を育むため、様々な学校がSDGsを教育に取り入れています。 しかし、SDGsの取り組みで学校でできることは何なのか。学校教育にどのように取り入れたら良いのか悩まれている先生方も多いのではないでしょうか。今回は学校で実際に行われている取り組み事例を8つご紹介します。
  • 家庭科の授業に活用できるSDGsを取り入れた授業例

    2023.02.01 先生向けコラム 2022年度から高校の教材などに大きく取り上げられるSDGs。家庭科の先生方もどのようにSDGsを家庭科の授業に取り入れていくか検討していらっしゃるのではないでしょうか?この記事では家庭科授業を実践されている先生にインタビューを行い、なぜ家庭科の授業でSDGsを取り入れたのか、どのようにSDGsを授業に落とし込んでいったのかを中心に紹介していきます。