2025.12.30 カンコーホームルーム 【Vol.239】高校生の「ジェンダーレス制服」に対する意識

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近年、ジェンダーへの配慮や多様性の観点から、学校制服の在り方が変化しています。詰襟やセーラー服から男女共通デザインのブレザータイプに変更したり、女子制服にスラックススタイルを採用したりするなど、ジェンダーレス制服を導入する学校が増えています。では、ジェンダーレス制服について、現役の高校生はどのように考えているのでしょうか。今回は、全国の高校生1,000人を対象に、女子制服のスカート・スラックスの意向、男子制服のスカートスタイルの意向、学校制服の必要性について調査しました。

調査概要

  • 調査対象:全国の高校生の男女 1,000人
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 実施時期:2025年7月

1.女子制服のスカート・スラックスの意向

女子の制服について、スカートとスラックスどちらがよいかを聞いたところ、「スカートがよい」(全体85.2%、男子高校生77.9%、女子高校生87.2%)という結果となり、女子高校生では9割近くがスカートを支持していました。一方、「スラックスがよい」(全体14.8%、男子高校生22.1%、女子高校生12.8%)という回答は、男子高校生で2割を超えており、女子制服のスラックスについては、男子高校生のほうが相対的に肯定的であることがわかりました。

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【図1】 女子の制服は、スカートとスラックスどちらがよいですか。(単数回答)

2.男子制服のスカートスタイルの意向

男子制服のスカートスタイルついて聞いたところ、「よい」(全体67.2%、男子高校生49.3%、女子高校生72.0%)という結果となり、高校生の7割近くが男子のスカート着用をよいと回答していました。男女別にみると、男子高校生では半数が「よい」と回答し、女子高校生で「よい」という回答は7割以上であることから、女子高校生のほうが男子制服のスカートスタイルに対して、より前向きな意識を持っていることがうかがえます。

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【図2】 男子の制服に、スカートのスタイルはよいと思いますか。(単数回答)

3.学校制服の必要性

高校に制服があったほうがよいかという質問では、「制服はあったほうがよい」(全体83.3%、男子高校生76.5%、女子高校生85.1%)という結果となり、8割以上の高校生が制服の必要性を感じていることがわかりました。男女別では、女子高校生は「制服はあったほうがよい」という回答が男子高校生と比較して、約9ポイント高く、女子高校生のほうが制服を必要とする傾向が強くみられました。

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【図3】 高校に制服は、あったほうがよいですか。(単数回答)

文部科学省が『性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について』を全国の学校や教育委員会に通知してから10年が経過し、ジェンダーレス制服を導入する動きが広がっています。ジェンダーレス制服とは、男女共通で着用できるデザインや、スカート・スラックス・リボン・ネクタイなどのアイテムを性別に関わらず着用できる制服のことです。
今回、全国の高校生1,000人を対象に、女子の制服はスカート・スラックスのどちらがよいかを調査したところ、「スカートがよい」(全体85.2%、男子高校生77.9%、女子高校生87.2%)という回答が多数を占め、女子高校生の約9割が学校制服はスカートのほうがよいと考えていることがわかりました。また、男子制服のスカートについては、「よい」(全体67.2%、男子高校生49.3%、女子高校生72.0%)という結果となり、高校生の7割近くが男子のスカート着用を肯定的に捉えていました。男女別では、男子制服のスカートについて、男子高校生の2人に1人が「よい」と回答していることになります。特に女子高校生では「よい」と回答した割合が7割を超えており、男子のスカートスタイルに対して前向きな意識が比較的高いことがうかがえました。そして、高校に制服があったほうがよいかという質問では、「制服はあったほうがよい」(全体83.3%、男子高校生76.5%、女子高校生85.1%)という結果となり、8割以上の高校生が高校には制服があったほうがよいと回答していました。男女別にみると、女子高校生は「制服はあったほうがよい」という回答が男子高校生より約9ポイント高く、女子高校生のほうが制服を必要とする傾向が強いことがわかりました。今回の調査からは、生徒自身は従来の制服スタイルに一定の支持を示しつつも、性別にとらわれない服装の選択についても肯定的であり、制服そのものを前向きに捉えている実態が明らかになりました。
ジェンダーレス制服は、生徒が性別を問わず自分らしい服装を選べることで、自分らしく学校生活を送れる環境を作り、性別にとらわれない多様な性や価値観を学ぶきっかけになります。今後、制服を通じて、すべての生徒が個性を尊重し合える学校づくりが、さらに期待されます。
 

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