2024.07.30 カンコーホームルーム 【Vol.222】制服の成長機能の利用状況

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小学校高学年から中学校の期間は、子どもの「成長期」にあたり成長が著しい時期でもあります。このことから中学校の入学時に着ていた制服を秋になって着ようとしたら、小さくなっていて(子どもが成長して大きくなって)着られなくなったということもあるようです。そのようなサイズアウトを少なくするために、成長を予測して入学時には少し大きめの制服を購入したり、『成長機能』※が備わった制服を選んだりするなどの対策があります。では、『成長機能』が付いた制服を利用している中学生はどれほどいるのでしょうか?今回は、高校1年生の子どもを持つ保護者に、中学校でお子様が着用していた制服のタイプ、制服の成長機能の有無と内容、中学校での成長機能の使用状況について調査しました。

※成長機能とは、成長に対応してサイズアップができる制服の仕様・機能です。

調査概要

  • 調査対象:全国の高校1年生の子どもを持つ保護者600人
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 実施時期:2024年4月

1.中学校の制服タイプ

中学校でお子様が着用していた制服(冬服)のタイプは、男子は「ブレザー」(47.7%)、「詰襟(学ラン)」(44.7%)、「スーツ」(4.7%)、女子は「ブレザー」(42.3%)、「セーラー服」(34.3%)、「スーツ」(11.7%)、「セーラージャケット」(5.0%)、「ワンピース」(1.3%)、「イートン」(0.7%)で、中学校の制服は男女共にブレザータイプが多いようです。また、女子は男子に比べて、制服の種類が多いという傾向もみられました。

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【図1】 お子様が中学校のときに着ていた制服(冬服)のタイプを教えてください。(単数回答)

2.制服の成長機能の有無と内容

中学校で着用していた制服(冬服)の成長機能は、「袖丈を伸ばすことができた」(男子42.0%、女子16.7%)、「着丈を伸ばすことができた」(男子26.3%、女子14.7%)、「スラックスやスカートの裾を伸ばすことができた」(男子22.0%、女子7.7%)などがあります。認識している成長機能の内容は、男子は「袖丈を伸ばすことができた」(42.0%)が最も多く、女子は「スカートをアジャスターで調整できた」(29.3%)が約3割で最も多いです。また、「成長機能は付いていない」(男子22.7%、女子23.3%)、「わからない・制服は着ていない」(男子20.7%、女子33.3%)という回答もみられました。

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【図2】お子様が中学校で着ていた制服(冬服)には、成長機能は付いていましたか。(複数回答)

3.成長機能の使用状況

中学校で着用していた制服(冬服)が成長機能付きだったと回答した保護者の成長機能の使用状況は、「袖丈を伸ばした」(男子40.0%、女子19.2%)、「着丈を伸ばした」(男子24.7%、女子13.8%)、「スラックスやスカートの裾を伸ばした」(男子28.8%、女子5.4%)という結果でした。女子は「スカートをアジャスターで調整した」(43.8%)という回答が最も多く、スカートのウエスト調節のアジャスター利用は4割を超えています。また、成長機能付きの制服であっても、「成長機能は使っていない」(男子27.6%、女子39.2%)という未使用との回答もありました。

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【図3】お子様の中学校の制服(冬服)で、成長機能を使いましたか。(複数回答)

文部科学省の「令和4年度学校保健統計調査」によると、中学1年生の平均身長は、男子154.0cm、女子152.2cmで、身長差はあまりないようです。それが高校1年生になると平均身長は、男子168.6cm、女子157.2cmになり、中学3年間での身長の伸びは、男子は約15cm、女子は約5cmと成長に違いがみられます。
今回、高校1年生の子どもを持つ保護者600人を対象にした調査では、お子様が中学生のときに着用していた制服(冬服)のタイプは、男子は「ブレザー」(47.7%)、「詰襟(学ラン)」(44.7%)、女子は「ブレザー」(42.3%)、「セーラー服」(34.3%)が多く、中学校の制服は男女共にブレザータイプが詰襟・セーラー服より多くなっています。成長機能については、「袖丈を伸ばすことができた」、「着丈を伸ばすことができた」、「スラックスやスカートの裾を伸ばすことができた」などがあり、男子は「袖丈を伸ばすことができた」(42.0%)、女子は「スカートをアジャスターで調整できた」(29.3%)が、中学校制服に付いていた成長機能として最も多いです。中学校で着用していた制服(冬服)が成長機能付きだったと回答した保護者の成長機能の使用状況は、「袖丈を伸ばした」(男子40.0%、女子19.2%)、「着丈を伸ばした」(男子24.7%、女子13.8%)、「スラックスやスカートの裾を伸ばした」(男子28.8%、女子5.4%)という回答が多く、一方で、「成長機能は使っていない」(男子27.6%、女子39.2%)という回答も3~4割みられました。子どもの成長スピードはひとりひとり異なるため、成長機能付きの制服であっても未使用の場合もあるようです。
昨今、アパレル・ファッション業界では、大量に衣服を販売・廃棄することで、製造にかかる資源やエネルギー使用量の増加や、廃棄時の焼却・埋め立て処分などによる環境負荷が問題視されています。また、成長期の子どもの服はすぐにサイズアウトしてしまうため、家庭では買い替えによる経済的な負担もあります。このような中で、学校制服はファストファッションのようにシーズン毎に買い替え・処分する服ではなく、1着の服を長く着ることができることから、成長期の子どもにとって身近なSDGsへの取り組みと言えます。

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