2026.02.24 カンコーホームルーム 【Vol.241】今どきの卒業式事情

fig_241_illust.jpg

日本の卒業式では、制服の第二ボタンを贈るという風習があります。制服は生徒たちにとって、入学から卒業までの学校生活を共に過ごした思い出の詰まった存在です。その制服の第二ボタンをあげたり、もらったりするという風習は、日本特有の文化として長年親しまれてきました。では、現在の卒業式でも制服の第二ボタンは贈られているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校生1,200人を対象に、第二ボタンの風習の認知度、卒業式に生徒間で渡しているもの、卒業式の日に行っていることについて調査しました。

調査概要

  • 調査対象:全国の中学・高校生 1,200人
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 実施時期:2026年1月

1.第二ボタンの風習の認知度

制服の第二ボタンをあげる(もらう)という風習については、中学・高校生は「知っている」(全体80.6%、中学生79.7%、高校生81.5%、男子75.2%、女子86.0%)という結果で、約8割の生徒が「知っている」と回答していました。特に女子の認知度は9割近くに達し、第二ボタンを贈るという風習は現在の中学・高校生の間でも広く浸透しています。

fig_241_01.jpg

【図1】 卒業式で、制服の第二ボタンをあげる(もらう)という風習を知っていますか。(単数回答)

2.卒業式に生徒間で渡しているもの

卒業式の日に生徒間で、渡したり/もらったりしているものは、「手紙・メッセージカード」(全体37.4%、男子25.0%、女子49.8%)が最も多く、特に女子は半数を占めました。次に、「第二ボタン」(全体27.2%、男子25.0%、女子29.3%)は3割弱という結果になりました。続いて、「写真・動画」(全体23.8%、男子15.7%、女子32.0%)、「花束」(全体23.6%、男子12.3%、女子34.8%)、「お菓子」(全体22.0%、男子10.7%、女子33.3%)、「風船・バルーンブーケ」(全体12.8%、男子4.0%、女子21.7%)も人気を集めていました。また、学校生活で身に付けていた「ネクタイ・リボン」(全体10.1%、男子4.8%、女子15.3%)や「校章・名札」(全体8.8%、男子5.2%、女子12.3%)などもあげられました。生徒間の授受については、総じて女子生徒の実施率が高い傾向にあります。

fig_241_02.jpg

【図2】 現在、卒業式のときに生徒間で、渡したり/もらったりしているものは何ですか。(複数回答)

3.卒業式のイベント(式典行事以外)

卒業式の日に、式典とは別にどのようなことを行っているのかを聞いたところ、「寄せ書き(色紙、卒業アルバムなど)」(全体54.1%、中学生55.7%、高校生52.5%)、「写真・動画撮影」(全体52.8%、中学生52.2%、高校生53.5%)、「黒板アート・メッセージ」(全体44.8%、中学生50.5%、高校生39.0%)が上位を占め、半数以上の中学・高校生が「寄せ書き」と「写真・動画撮影」を行っています。また、「先生へお礼」(全体36.4%、中学生39.5%、高校生33.3%)、「親へお礼」(全体22.8%、中学生22.7%、高校生22.8%)といった感謝の気持ちを伝えるという回答もみられました。卒業式のイベント実施状況については、中学・高校生ともに同様の傾向がみられました。

fig_241_03.jpg

【図3】 卒業式の日に式典行事とは別で、行っているイベントは何ですか。(複数回答)

日本の卒業式の起源は、明治5年(1872年)頃と言われています。当初は免状を渡すだけの実務的なものでしたが、明治20年代頃から卒業証書の授与だけでなく、恩師や友人との別れを惜しむ現在のような式典へ変化しました。こうした日本独自の卒業文化が育まれる中で、後に制服の第二ボタンを大切な人に贈るという風習が昭和時代に生まれました。
今回、全国の中学・高校生1,200人を対象に、卒業式で制服の第二ボタンをあげる(もらう)という風習の認知度を調査したところ、「知っている」(全体80.6%、中学生79.7%、高校生81.5%、男子75.2%、女子86.0%)という回答が全体では約8割、特に女子では9割近くに上りました。第二ボタンを贈るという風習は、現代の生徒たちの間でも広く知られていることがわかりました。その中学・高校生が、卒業式のときに生徒間で、渡したり/もらったりしているものは、「手紙・メッセージカード」(全体37.4%、男子25.0%、女子49.8%)、「第二ボタン」(全体27.2%、男子25.0%、女子29.3%)という結果で、「写真・動画」、「花束」、「お菓子」、「風船・バルーンブーケ」といった思い出づくりや記念になるものが人気でした。また、学校生活で身に付けている「ネクタイ・リボン」や「校章・名札」なども卒業式の日に渡したりもらったりする風習もみられました。さらに、卒業式の日に、式典以外で行っていることは、「寄せ書き(色紙、卒業アルバムなど)」(全体54.1%、中学生55.7%、高校生52.5%)、「写真・動画撮影」(全体52.8%、中学生52.2%、高校生53.5%)が半数を超え、「黒板アート・メッセージ」、「先生へお礼」、「親へお礼」といったメッセージや感謝の気持ちを伝える傾向もみられました。現在の中学・高校生の間では、制服姿に花束やバルーンブーケ、黒板アートなどの“映える”アイテムを取り入れ、友人と写真や動画を撮影しSNSで発信する思い出づくりがトレンドとなっています。一方で、制服の第二ボタンをあげる(もらう)という風習や、手紙・メッセージカードや寄せ書きをしたり、先生や親へお礼を伝えたりするなど、自分の気持ちを伝えるという伝統的な行動もみられました。
思い出は写真や動画で残す時代になりましたが、制服の第二ボタンを贈るという文化は世代を超えて受け継がれています。そして、卒業式の日に生徒たちが制服姿で写真や動画を撮りたがるのは、毎日当たり前のように着ていた制服が、実は「青春」という特別な時間のユニフォームだったと気づくからではないでしょうか。制服を通じて心を通わせる日本の美しい卒業文化を、これからも大切にしていきたいものです。

pdf_b.png 当サイトのPDFをご覧にいただくには、最新のAdobe Readerが必要です。こちらのバナーよりご用意ください。

【Vol.241】今どきの卒業式事情

2026.02.24 カンコーホームルーム 日本の卒業式では、制服の第二ボタンを贈るという風習があります。制服は生徒たちにとって、入学から卒業までの学校生活を共に過ごした思い出の詰まった存在です。その制服の第二ボタンをあげたり、もらったりするという風習は、日本特有の文化として長年親しまれてきました。では、現在の卒業式でも制服の第二ボタンは贈られているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校生1,200人を対象に、第二ボタンの風習の認知度、卒業式に生徒間で渡しているもの、卒業式の日に行っていることについて調査しました。

【Vol.240】中高生の生成AIの利用実態

2026.01.27 カンコーホームルーム 近年、GIGAスクール構想による1人1台端末の普及に加え、生成AI(ChatGPT、Google Geminiなど)の登場により、学校教育現場のデジタル化は新たなフェーズを迎えています。生成AIとは、文章、画像、動画、音声、アイデアなどを新たに生み出すことができる人工知能(AI)のことです。では、中学・高校生の生成AI利用は、現在どこまで進んでいるのでしょうか?今回は、全国の中学・高校生1,200人を対象に、生成AIの利用経験や使用シーン、学校生活における生成AIの使用用途について調査しました。

  • 【Vol.239】高校生の「ジェンダーレス制服」に対する意識

    2025.12.30 カンコーホームルーム 近年、ジェンダーへの配慮や多様性の観点から、学校制服の在り方が変化しています。詰襟やセーラー服から男女共通デザインのブレザータイプに変更したり、女子制服にスラックススタイルを採用したりするなど、ジェンダーレス制服を導入する学校が増えています。では、ジェンダーレス制服について、現役の高校生はどのように考えているのでしょうか。今回は、全国の高校生1,000人を対象に、女子制服のスカート・スラックスの意向、男子制服のスカートスタイルの意向、学校制服の必要性について調査しました。
  • 【Vol.238】学校教育現場の課題

    2025.11.25 カンコーホームルーム 学校は、子どもたちの未来を育むための学びの場です。現代の学校教育現場では、社会環境の急激な変化に伴い、知識や技能に加えて、社会性や心身の発達を促す総合的な教育活動を担う「教師」の役割が、以前にも増して重要になっています。では、学校教育現場の課題について、教員自身はどのように感じているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、教師の仕事へのやりがいと大変さ、教師の仕事の負担や困り事の内容、学校教育現場の課題について調査しました。
  • 【Vol.237】部活動の必要性と地域移行の現状

    2025.10.28 カンコーホームルーム 日本では長年、部活動は学校教育の一環として行われてきました。中学・高校における部活動は、スポーツや文化・芸術の技術を高めることだけではなく、学級や学年の垣根を越えた集団の中で、生徒の人間的な成長や社会性・協調性を育む課外活動です。では、中学・高校の部活動は現在どのような状態にあるのでしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、部活動の必要性、部活動の地域移行の導入状況、部活動の地域移行の課題について調査しました。