2022.01.25 カンコーホームルーム 【Vol.192】「女子高校生のスラックス制服に関する意識」(2)
女子制服としてのスラックス制服は、1990年代頃から冬場の寒さ対策や自転車通学時に良いという理由で、数校の中学校・高校で導入されたのが始まりと言われています。近年は、多様性やLGBTQ※の観点から全国の学校で採用する動きが拡大しています。では、高校生は女子制服のパンツスタイル(スラックス)に対してどのように思っているのでしょうか?今回、全国の高校に通う1~3年生の男女1,099人を対象に、女子制服のスカートとスラックスの選択制の認知度、女子制服のパンツスタイル(スラックス)のイメージ、着用したい制服のタイプについて調査しました。
※「LGBTQ」とは、レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)、クエスチョニング(Q)の性的少数派の中で代表的な5つの頭文字を取った総称です。
調査概要
- 調査対象:全国の高校生の男女 1,099人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2021年6月
1.女子制服のスカートとスラックスの選択制の認知度
全国の高校生の男女に、女子制服で、スカートとスラックスを選べる学校があることを知っているかを尋ねたところ「知っていて、自分の学校も選べる」(40.5%)、「知っているが、自分の学校は選べない」(33.0%)をあわせると7割以上が知っていると回答していました。
2.女子制服のパンツスタイル(スラックス)のイメージ
女子制服のパンツスタイル(スラックス)については、全体では「自由でよい」(62.6%)という回答が最も多く、続いて、「動きやすそう」(42.0%)、「かっこいい」(33.7%)、「暖かそう」(19.6%)、「かわいい」(13.2%)というポジティブな回答が上位を占めました。一方で、「違和感がある」(8.1%)、「女子高校生らしくない」(7.5%)、「かわいくない」(6.6%)といったマイナスイメージも少数ですが回答としてあげられました。また、男女別にみると、男子高校生に比べて女子高校生のほうが、女子制服のパンツスタイル(スラックス)に対して肯定的な回答が多いです。
3.着用したい制服のタイプ
女子高校生にスカートとスラックスのどちらを着用したいか尋ねたところ、「スカートを着用したい」(女子高校1年生59.4%、女子高校2年生57.8%、女子高校3年生58.7%)という回答は約6割で、学年による違いはほとんどない状態です。一方、「スラックスを着用したい」(女子高校1年生9.6%、女子高校2年生15.0%、女子高校3年生13.0%)、スカートとスラックスの「どちらも着用したい」(女子高校1年生31.0%、女子高校2年生27.3%、女子高校3年生28.3%)という回答状況でした。
近年、ジェンダーレス制服として、女子制服にパンツスタイル(スラックス)の導入する学校が増加しています。2019年に調査実施したカンコーホームルーム「女子高校生のスラックス制服に関する意識」(Vol.161)と比較しても、着用したい制服として「スラックス」や「スカートとスラックスのどちらも着たい」と回答している女子生徒が増えていることから学校制服も変化していると言えます。
今回、全国の高校生の男女1,099人を対象に、女子高校生のスラックス制服に関する意識を調べたところ、女子制服で、スカートとスラックスを選べる学校の認知は、「知っていて、自分の学校も選べる」(40.5%)、「知っているが、自分の学校は選べない」(33.0%)をあわせると7割以上が存在を認識している状態でした。女子制服のパンツスタイル(スラックス)については、「自由でよい」(62.6%)、「動きやすそう」(42.0%)、「かっこいい」(33.7%)、「暖かそう」(19.6%)、「かわいい」(13.2%)というポジティブイメージが多い一方で、「違和感がある」(8.1%)、「女子高校生らしくない」(7.5%)、「かわいくない」(6.6%)といったマイナスイメージも少数ですが回答としてあげられました。女子高校生にスカートとスラックスのどちらを着用したいか尋ねたところ、「スカートを着用したい」(女子高校1年生59.4%、女子高校2年生57.8%、女子高校3年生58.7%)という回答は約6割で半数を超えていたことから、スカート派が依然多いことが伺えます。また、「スラックスを着用したい」という回答は1割前後、スカートとスラックスの「どちらも着用したい」という回答は約3割という状況で、スラックス制服の着用意向も顕在化しています。
今までの学校制服は、女子は「スカート」、男子は「スラックス」というスタイルが一般的でしたが、スカートとスラックスのどちらも「選択制」で選べる学校も増えています。そして、「男らしく」「女らしく」という時代から、「自分らしく」の時代に変化し、その時代に応じた学校制服が求められています。
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