2021.01.26 カンコーホームルーム 【Vol.180】「学校制服の詰襟・セーラーの評価」

fig_180_illust.jpg

近年、学校制服のブレザー化が進んでいます。ブレザーを採用する背景には、その学校らしさを象徴するデザインや色・柄・エンブレムなどを用いて学校の個性を引き出したり、ジャケットの着脱が容易であるため温度調整がしやすかったり、服装で男女を区別しない配慮などがあります。では、旧来からある詰襟(学ラン)・セーラーは、どのように思われているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校の子どもを持つ母親1,200人を対象に詰襟(学ラン)・セーラーの評価と、お子様に着せたい制服のタイプについて調査しました。

調査概要

  • 調査対象:全国の中学・高校の子どもを持つ母親1,200人
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 実施時期:2020年11月

1.詰襟(学ラン)の評価

全国の中学・高校の子どもを持つ母親の詰襟(学ラン)の評価は、「とても良い」(15.5%)、「まあ良い」(53.8%)を合わせると、約7割が良いと回答しています。

fig_180_01.jpg

【図1】 あたなたは、制服の「詰襟(学ラン)」をどのように思いますか。(単数回答)

2.セーラーの評価

セーラーの評価は、「とても良い」(19.8%)、「まあ良い」(55.8%)を合わせると、8割以上が良いと回答していることから、制服として良い印象を持たれているという結果がわかりました。

fig_180_02.jpg

【図2】 あたなたは、制服の「セーラー」をどのように思いますか。(単数回答)

3.お子様に着せたい学校制服のタイプ

男子中高生の子どもを持つ母親が子どもに着せたい制服は、「ブレザー」(54.5%)が最も多く、次に「詰襟(学ラン)」(36.2%)でした。女子も男子同様に「ブレザー」(62.3%)が最も多く、次に「セーラー」(33.7%)、「スーツ」(13.5%)、「ワンピース」(4.7%)や、ブレザーの衿部分がセーラー衿になっているタイプの「セーラージャケット」(4.2%)など様々なタイプの制服が着せたいタイプとしてあげられました。

fig_180_03.jpg

【図3】 あなたがお子様に着せたい学校制服のタイプ(冬服)は何ですか。(複数回答)

日本で初めて詰襟・セーラーが登場した時代は諸説ありますが、大正時代には詰襟・セーラーともに学校制服として採用されていることから、詰襟・セーラーは100年以上の歴史を有する日本の制服文化と言えます。
今回、全国の中学・高校の子どもを持つ母親を対象に詰襟(学ラン)・セーラーについて調査したところ、詰襟(学ラン)は、「とても良い」(15.5%)と「まあ良い」(53.8%)を合わせると約7割が良いと回答し、セーラーは、「とても良い」(19.8%)と「まあ良い」(55.8%)を合わせると8割以上が良いと回答しています。現在、詰襟・セーラーともに、学校制服として良い印象を持っている母親は多いということがわかりました。一方で、お子様に着せたい学校制服のタイプとしては、男子「ブレザー」(54.5%)、女子「ブレザー」(62.3%)が最も多く、ブレザータイプが支持されているようですが、詰襟・セーラーは3割以上(3人に1人)が子どもに着せたい制服として回答していることから根強い人気はあります。
学校制服は、1980年代から高校でのブレザー採用が急増し、2015年の文部科学省の通知における「性同一性障害に係る児童生徒に対する学校における支援の事例」の中で、服装への対応として「自認する性別の制服・衣服や、体操着の着用を認める」とされたことからも、ここ数年はブレザータイプを採用する学校が増加しています。学生時代にしか着られない学生らしい伝統的な詰襟・セーラーや、多様性な機能・効果を兼ね備えたブレザーなど、学校制服文化は進化しています。

pdf_b.png 当サイトのPDFをご覧にいただくには、最新のAdobe Readerが必要です。こちらのバナーよりご用意ください。

【Vol.227】2025年大阪・関西万博への関心度

2024.12.31 カンコーホームルーム 2025年、日本で大阪・関西万博が開催されます。万博は、世界中からたくさんの人やモノが集まる一大イベントで、地球規模のさまざまな課題に取り組むために、世界各地から英知が集まる場として、世界的に注目されています。では、小学・中学・高校生の子どもを持つ保護者は、万博についてどのように思っているのでしょうか?今回は、小学・中学・高校生の子どもを持つ保護者2,400人を対象に、万博の認知度と、子どもの来場意向について調査しました。

【Vol.226】学校行事と「学校制服の必要性」

2024.11.26 カンコーホームルーム 学校行事において卒業式・入学式は学校生活の節目となり、保護者が参加する学校行事の1つです。そして、保護者は母親や父親のどちらか1人だけが参加するのでなく、両親が揃って式典に出席したり、祖父母や兄弟姉妹、親戚が参加したりするケースもみられます。では、中学・高校の卒業式・入学式の保護者の出席者はどのような状況でしょうか?今回は、中学・高校に勤務する教師800人を対象に、卒業式・入学式の出席者の状況、学校制服があるとよいときについて調査しました。

  • 【Vol.225】学校制服の購入方法の変化

    2024.10.29 カンコーホームルーム 新入学準備として制服購入を検討し始める時期になりました。制服の購入方法は、生徒と保護者が学校や販売店などに赴いて、採寸・試着を行う方法が一般的でした。しかし、ここ数年は、インターネットの普及やデジタル化が浸透し、人工知能(AI)技術の発達も加わり、学校制服の採寸や買い方が変化しています。では、最近の制服はどのように購入されているのでしょうか?今回は、中学・高校生の子どもを持つ親1,200人を対象に、デジタル採寸※の認知・利用意向、制服の試着・採寸の必要性、新入学時の制服購入場所の利用意向について調査しました。
  • 【Vol.224】学校行事の変化と意識

    2024.09.24 カンコーホームルーム 二学期は、文化祭や運動会・体育祭、遠足・校外学習、職場体験、修学旅行などの学校行事を予定している学校も多いようです。現在、学校では、新型コロナウイルス感染症の位置づけが2023年5月8日から季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行して1年以上が経過し、学校行事も平常通り行われることが増えています。では、学校行事はコロナ禍※以前と変わらずに行われているのでしょうか?今回は、小学・中学・高校生の子どもを持つ親と小学・中学・高校の教師をあわせた3,000人を対象に、学校行事の変化、コロナ禍のときに中止や自粛になった学校行事、大切だと思う学校行事について調査しました。
  • 【Vol.223】親が思う子どもの夏休みの必要性

    2024.08.27 カンコーホームルーム 8月下旬になると長い夏休みが終わって、通学する子どもの姿を目にするようになります。学校の夏休みは、地域や学校によって開始時期や終了時期、日数には違いがありますが、30日~40日程度の長い期間を夏休みとしている学校が多いようです。では、小中高生の子どもを持つ親は夏休みについて、どのように思っているのでしょうか?今回は、夏休みに入る7月に小学・中学・高校生の子どもを持つ親を対象に、夏休みの必要性とその理由、子どもの夏休みの予定を調査しました。