2019.12.31 カンコーホームルーム 【Vol.167】「学校制服の必要性」

fig_167_illust.jpg

日本では中学・高校の多くで学校制服が採用されています。このことから、学校制服を着用した経験のある人は多いようですが、学校制服の必要性についてはどのように感じているのでしょうか?今回は、全国の10~60代の男女1,800人を対象に、学校制服の良い点、学校制服の必要性とその理由について調査しました。

調査概要

  • 調査対象:全国の10~60代の男女 1,800人
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 実施時期:2019年7月

1.学校制服の良い点

学校制服の良い点は、「毎日の服装に悩まなくていい」(75.4%)が圧倒的に多く、次に「学生らしく見える」(58.3%)という回答が半数を上回りました。続いて、「経済的である(私服を沢山買わなくていい)」(37.6%)、「服装による個人差がでなくていい(平等である)」(37.4%)、「どこの学校か一目でわかる」(27.6%)、「冠婚葬祭にも着られる」(24.2%)、「公私のけじめがつく」(23.5%)など、多様な理由があげられました。

fig_167_01.jpg

【図1】 学校制服の良い点はどのようなことだと思いますか。(複数回答)

2.学校制服の必要性

学校制服の必要性は、全体では「あったほうがいい」(49.1%)と「どちらかと言えば、あったほうがいい」(40.8%)をあわせると、約9割が学校制服は必要だと回答しています。地域別では、九州・沖縄は「あったほうがいい」(57.4%)、「どちらかと言えば、あったほうがいい」(37.6%)という結果で、他の地域に比べて学校制服があったほうがいいと思う割合が高いという結果になりました。

fig_167_02.jpg

【図2】 学校制服はあったほうが良いと思われますか。(単数回答)

3.学校制服の必要有無の理由

学校制服があったほうがいい理由は、「けじめがつくように思うし、私服に悩む必要がない。」、「服選びや貧困格差も感じないのであった方が良い」、「気持ちの切り替えができる。仲間意識ができる。」、「学生なのか、どこの学校の生徒か分かるので。」など、学校制服の良い点と共通した内容があげられました。また、学校制服がないほうがいい理由は、「個性がない。」、「制服は楽だけどダサいから。」、「自分の体調に合わせて服を調整できないから。」、「窮屈だから。」といった見た目のファッション性や着用時の快適性などがあげられました。

fig_167_03.jpg

【表1】 学校制服はあったほうが良いと思われますか。その理由を教えてください。(自由回答)

学校制服は見ただけでどこの学校か一目でわかると言われるように、詰襟・セーラー・ブレザー・スーツなど様々なタイプがあり、学校毎に色やデザインが異なります。
今回、全国の10~60代を対象に学校制服の良い点を調べたところ、「毎日の服装に悩まなくていい」(75.4%)、「学生らしく見える」(58.3%)、「経済的である(私服を沢山買わなくていい)」(37.6%)、「服装による個人差がでなくていい(平等である)」(37.4%)、「どこの学校か一目でわかる」(27.6%)などの理由が良い点としてあげられていました。学校制服の必要性については、地域で多少の意識の違いがみられますが、全体では約9割が学校制服は必要だと回答していることから、学校制服の必要性は高いと言えます。しかし、その一方、「個性がない。」、「制服は楽だけどダサいから。」、「自分の体調に合わせて服を調整できないから。」、「窮屈だから。」などの見た目のファッション性や着用時の快適性への不満から、学校制服はないほうがいいという声も少数ではありますがみられました。
日本では、明治以降の近代学校教育制度の発展とともに、学校制服を採用する学校も増えて現在のような学校制服文化が定着しています。多くの人が「学校制服は必要だ」と答えていますが、見た目のデザイン以外に利便性や機能性など、学校制服のあり方にも変化が求められています。

pdf_b.png 当サイトのPDFをご覧にいただくには、最新のAdobe Readerが必要です。こちらのバナーよりご用意ください。

【Vol.238】学校教育現場の課題

2025.11.25 カンコーホームルーム 学校は、子どもたちの未来を育むための学びの場です。現代の学校教育現場では、社会環境の急激な変化に伴い、知識や技能に加えて、社会性や心身の発達を促す総合的な教育活動を担う「教師」の役割が、以前にも増して重要になっています。では、学校教育現場の課題について、教員自身はどのように感じているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、教師の仕事へのやりがいと大変さ、教師の仕事の負担や困り事の内容、学校教育現場の課題について調査しました。

【Vol.237】部活動の必要性と地域移行の現状

2025.10.28 カンコーホームルーム 日本では長年、部活動は学校教育の一環として行われてきました。中学・高校における部活動は、スポーツや文化・芸術の技術を高めることだけではなく、学級や学年の垣根を越えた集団の中で、生徒の人間的な成長や社会性・協調性を育む課外活動です。では、中学・高校の部活動は現在どのような状態にあるのでしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、部活動の必要性、部活動の地域移行の導入状況、部活動の地域移行の課題について調査しました。

  • 【Vol.236】中学・高校生の学校選びのポイント

    2025.09.30 カンコーホームルーム 中学・高校受験では、自分の個性や学力に見合う学校かどうか、校風や教育理念、授業内容や部活動、進路実績などの情報を収集・検討して、最終的に受験校を決定することが重要です。では、中学・高校生は志望校を考える際、どのような情報を必要としているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校生1,200人を対象に、進学時に知りたい情報、学校情報の入手方法、進学先の制服への関心度について調査しました。
  • 【Vol.235】中学・高校の夏制服で良いと思うスタイル

    2025.08.26 カンコーホームルーム 夏休みが終わり、新学期がスタートする時期になりました。まだまだ暑い日が続く中、子どもたちの通学風景では、日傘や帽子などの熱中症対策グッズの使用に加え、ハーフパンツ(膝が出るくらいの丈のズボン)を着用している生徒の姿も目にします。では、暑い夏を少しでも涼しく快適に過ごすために、全国の学校ではどのような夏制服が採用されているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、現在採用している夏制服のタイプ、夏制服で良いと思うスタイル、ハーフパンツ制服の採用意向について調査しました。
  • 【Vol.234】学校における熱中症対策

    2025.07.29 カンコーホームルーム 総務省消防庁が発表している熱中症による救急搬送人員(5月~9月累計)をみると、調査が開始された2008年以降、熱中症の発生は増加の一途をたどっています。特に、2024年は97,578人と過去最多を記録し、熱中症の発生が深刻な社会問題となっています。では、学校における熱中症の発生状況と対策はどのような状況でしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、生徒の熱中症の発生状況、熱中症が発生した学校活動、熱中症対策として使用を許可しているアイテムについて調査しました。