2018.05.29 カンコーホームルーム 【Vol.148】 「部活動で得たもの」

野球、サッカー、バレーボール、バスケットボール、テニス、吹奏楽、合唱など、中学校や高校のほとんどの学校で正課外活動として部活動が行われています。中高生の多くが加入している部活動は、将来どのように役立っているのでしょうか。今回は、20~60代の社会人を対象に学生時代の部活動を振り返ったときの評価や身についたと思う力について調査しました。
調査概要
- 調査対象:学生時代に部活動をしていた20~60代の男女 1,000人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2018年1月
1.学生時代の部活動の評価
20~60代の社会人が学生時代の部活動を振り返ったところ、「とても良い」(39.7%)と「まあ良い」(41.9%)を合わせると8割以上が部活動をしていて良かったと回答しています。

【図1】 あなたは学生時代に部活動をしていて、良かったと思いますか。(単数回答)
2.部活動で得たもの
部活動を通じて得たと思うものは、「友人・仲間」(68.8%)が圧倒的に多く、次に、公共心、倫理観、基礎的なマナー、身の回りのことを自分でしっかりやるなどの「基本的な生活習慣」(39.2%)、「人間性(思いやり)」(34.8%)、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な「社会人基礎力」(31.1%)という社会生活に必要な力が得られたという回答が多くみられました。

【図2】 あなたが部活動で得たものは何ですか。(複数回答)
3.部活動を通じて身についた力
学生時代の部活動を通じて身についたと思う力は、意見の違いや立場の違いを理解する「柔軟性」(30.8%)や、現状を分析し目的や課題を明らかにする「課題発見力」(23.7%)、他人に働きかけ巻き込む「働きかけ力」(23.5%)、課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する「計画力」(22.3%)、自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する「情報把握力」(21.9%)、新しい価値を生み出す「創造力」(21.0%)などがあげられました。
【図3】 あなたは部活動をしていて、どのような力が身に付きましたか。(複数回答)
近年、学習指導要領の中に部活動の意義が記載されるなど、生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動についての教育的価値が見直されています。
今回、学生時代に部活動をしていた20~60代の社会人を対象に、学生時代の部活動の調査を実施したところ、「とても良い」(39.7%)と「まあ良い」(41.9%)を合わせると8割以上が部活動をしていて良かったと回答しています。そのように思う背景としては、学生時代の部活動を通じて、「友人・仲間」(68.8%)、「基本的な生活習慣」(39.2%)、「人間性(思いやり)」(34.8%)、「社会人基礎力」(31.1%)などを得ることができ、更に、部活動を通じて、「柔軟性」(30.8%)、「課題発見力」(23.7%)、「働きかけ力」(23.5%)、「計画力」(22.3%)、「情報把握力」(21.9%)、「創造力」(21.0%)、「傾聴力」(19.7%)、「発信力」(17.1%)、「ストレスコントロール力」(14.9%)など、社会人になってからも必要とされる多くのスキルが育まれたと感じているようです。この調査結果から見えるように、部活動は子どもたちの健全育成に大きな役割を果たし、生徒の能力・適性、興味・関心に応じて「生きる力」の育成に大きく貢献する活動となっていると言えます。
日本社会の労働環境は、生産年齢人口の減少、経済成長の停滞、働き方改革など変革期を迎えています。その激変する社会において、学生時代の部活動は、力強く生き抜く「人生100年時代の社会人基礎力」の基盤づくりの一翼を担っているようです。
【Vol.238】学校教育現場の課題
2025.11.25 カンコーホームルーム 学校は、子どもたちの未来を育むための学びの場です。現代の学校教育現場では、社会環境の急激な変化に伴い、知識や技能に加えて、社会性や心身の発達を促す総合的な教育活動を担う「教師」の役割が、以前にも増して重要になっています。では、学校教育現場の課題について、教員自身はどのように感じているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、教師の仕事へのやりがいと大変さ、教師の仕事の負担や困り事の内容、学校教育現場の課題について調査しました。
【Vol.237】部活動の必要性と地域移行の現状
2025.10.28 カンコーホームルーム 日本では長年、部活動は学校教育の一環として行われてきました。中学・高校における部活動は、スポーツや文化・芸術の技術を高めることだけではなく、学級や学年の垣根を越えた集団の中で、生徒の人間的な成長や社会性・協調性を育む課外活動です。では、中学・高校の部活動は現在どのような状態にあるのでしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、部活動の必要性、部活動の地域移行の導入状況、部活動の地域移行の課題について調査しました。
-
【Vol.236】中学・高校生の学校選びのポイント
2025.09.30 カンコーホームルーム 中学・高校受験では、自分の個性や学力に見合う学校かどうか、校風や教育理念、授業内容や部活動、進路実績などの情報を収集・検討して、最終的に受験校を決定することが重要です。では、中学・高校生は志望校を考える際、どのような情報を必要としているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校生1,200人を対象に、進学時に知りたい情報、学校情報の入手方法、進学先の制服への関心度について調査しました。 -
【Vol.235】中学・高校の夏制服で良いと思うスタイル
2025.08.26 カンコーホームルーム 夏休みが終わり、新学期がスタートする時期になりました。まだまだ暑い日が続く中、子どもたちの通学風景では、日傘や帽子などの熱中症対策グッズの使用に加え、ハーフパンツ(膝が出るくらいの丈のズボン)を着用している生徒の姿も目にします。では、暑い夏を少しでも涼しく快適に過ごすために、全国の学校ではどのような夏制服が採用されているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、現在採用している夏制服のタイプ、夏制服で良いと思うスタイル、ハーフパンツ制服の採用意向について調査しました。 -
【Vol.234】学校における熱中症対策
2025.07.29 カンコーホームルーム 総務省消防庁が発表している熱中症による救急搬送人員(5月~9月累計)をみると、調査が開始された2008年以降、熱中症の発生は増加の一途をたどっています。特に、2024年は97,578人と過去最多を記録し、熱中症の発生が深刻な社会問題となっています。では、学校における熱中症の発生状況と対策はどのような状況でしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、生徒の熱中症の発生状況、熱中症が発生した学校活動、熱中症対策として使用を許可しているアイテムについて調査しました。