2014.06.24 カンコーホームルーム 【Vol.101】「キャリア教育に関する調査」
近年、子どもたちの「生きる力」を育成する観点から、キャリア教育が重要視されています。キャリア教育とは、一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育と定義されています。では、そのために、どのようなことを学校では行っているのでしょうか?今回は小中高校の教員を対象に、キャリア教育の実施内容や取り組み課題について調査しました。
調査概要
- 調査対象:小中高校の教員2,000人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2014年2月
1.キャリア教育の実施の有無
キャリア教育の実施状況を尋ねたところ、小学校で「実施している」(81.3%)という回答は約8割あり、中学校・高校・中高一貫教育校においては「実施している」という回答が9割を超えています。殆どの学校がキャリア教育を実施しているという結果になりました。
2.キャリア教育実施の内容
キャリア教育として実施している内容は、「職場見学・体験(インターンシップ)」(53.2%)、「職業調べ」(51.9%)といった『仕事・職業』に関することが多く、次に、「外部講師・企業による出張授業」(46.8%)、「卒業生・外部講師による講話・講演会」(45.8%)といった『外部講師・企業』を学校に招いて、キャリア教育を実施しているという回答が4割以上ありました。職業以外の内容では、「地域や通学路のゴミ拾い・清掃活動」(32.9%)、「お祭りや伝統芸能など地域行事への参加」(23.8%)など地域に関連した内容も見られました。また、「キャリア教育としては実施していない」(8.4%)という回答もありました。
3.キャリア教育の取り組み課題
学校でのキャリア教育の実施で困っていることは、「時間の確保・調整」(46.8%)が最も多く挙げられました。続いて、「児童・生徒のモチベーション」(29.7%)、 「職場見学・体験(インターンシップ)の受け入れ企業の選定」(29.5%)、「予算の確保・調整」(22.5%)、「出張授業・講演会を行なう外部講師・企業の選定」(21.4%)、「授業準備・進め方」(20.6%)など、キャリア教育の実施にあたり学校・教員への負担や苦労が見受けられました。
「キャリア教育」という用語が、文部科学行政関連で初めて登場したのは、1999年(平成11年)の中央教育審議会答申「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」です。その後、子どもたちが社会的・職業的に自立するために必要な能力を身に付ける様々な取り組みが全国の学校で展開されています。
今回の調査では、キャリア教育は殆どの小中高校で実施されていることがわかりました。キャリア教育の内容は、「職場見学・体験(インターンシップ)」(53.2%)、「職業調べ」(51.9%)、「外部講師・企業による出張授業」(46.8%)が多く、『職業』という観点から企業と連携した教育が多く見られます。また、「地域や通学路のゴミ拾い・清掃活動」(32.9%)、「お祭りや伝統芸能など地域行事への参加」(23.8%)など地域・社会との連携など、様々な取り組みがされています。一方、キャリア教育の取り組み課題については、「時間の確保・調整」(46.8%)、「児童・生徒のモチベーション」(29.7%)、 「職場見学・体験(インターンシップ)の受け入れ企業の選定」(29.5%)、「予算の確保・調整」(22.5%)、「出張授業・講演会を行なう外部講師・企業の選定」(21.4%)という回答が多く、実施内容と関連した「職場見学・体験(インターンシップ)の受け入れ企業の選定」や「出張授業・講演会を行なう外部講師・企業の選定」といった『企業選定』に苦労している様子が窺えました。
キャリア教育については、現在多くの学校で実施されています。しかし、企画・実施には学校・教員への負荷が大きく、学校の中だけで行う教育内容には限界があるようです。換言すれば、各学校の特色や地域の実情に適したキャリア教育の実施のためには、企業によるキャリア教育支援が必要不可欠です。学校と企業が連携したキャリア教育の推進・充実が期待されています。
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