2014.04.29 カンコーホームルーム 【Vol.99】「先生の仕事」

近年、学校の先生が過度のストレスや長時間労働などが原因で、うつ病などの精神疾患を発症し、休職に陥るメンタルヘルスの問題が取り沙汰されています。「教師の仕事は大変だ」と言われていますが、実際はどのような状況なのでしょうか? 今回は小中高校の教員を対象に、仕事の忙しさやストレスの有無、仕事上で困っていることについて調査しました。

調査概要

  • 調査対象:小中高校の教員2,000人
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 実施時期:2014年2月

1.仕事の忙しさ

仕事が忙しいと感じることは、「よくある」(79.5%)という回答が約8割と多く、「たまにある」(18.7%)をあわせると、ほとんどの教師が仕事に対して忙しいと感じています。

【図1】 仕事をする上で、忙しいと感じることはありますか?(単数回答)

2.休日出勤の有無

土日祝日などの休日出勤については、「よくある」(55.0%)、「たまにある」(33.2%)という状況で、補習授業や生徒指導、行事・研修、クラブ・部活動などで休日出勤をすることがあると回答しています。

【図2】 土日祝日などに、休日出勤をすることはありますか?(単数回答)

3.ストレスの有無

仕事や職場でストレスを感じることが、「よくある」(55.8%)と「たまにある」(36.9%)をあわせると、教師の9割以上がストレスを感じることがあると回答しています。

【図3】 仕事や職場でストレスを感じることはありますか?(単数回答)

4.仕事上で困っていること

教師自身が仕事をする上で困っていることや負担に感じていることは、「業務量が多い・多忙」(64.6%)が最も多く、次に、「保護者・PTAの対応」(44.9%)、「児童・生徒の生活指導」(31.5%)、「職場の人間関係」(28.2%)があげられています。

【図4】 あなた自身が仕事をする上で、困っていることや負担に感じていることは、
どのようなことですか?(複数回答)

文部科学省が公表した「平成24年度公立学校教職員の人事行政状況調査結果」によると、教職員の病気による休職者数は8,341人、そのうち精神疾患による休職者数は4,960人に及び、病気休職の全体の約6割を占める状況となっています。これほどまでに、多くの教師がメンタルヘルスに不調をきたすには様々な原因があるようです。
今回の調査では、小中高校に勤務する教師の約8割が、仕事が忙しいと感じることが「よくある」(79.5%)と回答しており、休日出勤については、「よくある」(55.0%)、「たまにある」(33.2%)という状況で、多くの教師が補習授業や生徒指導、行事・研修、クラブ・部活動などで休日出勤をしていることからも、教師の仕事が多忙であることがわかります。また、仕事や職場でストレスについては、「よくある」(55.8%)と「たまにある」(36.9%)をあわせると、教師の9割以上がストレスを感じていると回答しています。その主な要因としては、「業務量が多い・多忙」(64.6%)、「保護者・PTAの対応」(44.9%)、「児童・生徒の生活指導」(31.5%)、「職場の人間関係」(28.2%)などがあげられていました。
多くの教師がメンタルヘルスに不調をきたす原因としては、業務過多による肉体的な疲労に加え、教育内容の変化や児童・生徒・保護者への対応など精神的なストレスも背景にあるようです。子どもたちのためにも、教師が健康で職務に専念できる学校環境づくりが求められています。

pdf_b.png 当サイトのPDFをご覧にいただくには、最新のAdobe Readerが必要です。こちらのバナーよりご用意ください。

【Vol.234】学校における熱中症対策

2025.07.29 カンコーホームルーム 総務省消防庁が発表している熱中症による救急搬送人員(5月~9月累計)をみると、調査が開始された2008年以降、熱中症の発生は増加の一途をたどっています。特に、2024年は97,578人と過去最多を記録し、熱中症の発生が深刻な社会問題となっています。では、学校における熱中症の発生状況と対策はどのような状況でしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、生徒の熱中症の発生状況、熱中症が発生した学校活動、熱中症対策として使用を許可しているアイテムについて調査しました。

【Vol.233】中学・高校の制服に関する服装規定の状況

2025.06.24 カンコーホームルーム 学校には、学校ごとに定められた「校則」があります。その校則の中に、服装規定があり、特に制服は学校の教育理念を表現し、その着用状況によって学校のイメージが左右されることもあることから、生徒が着用する制服の種類や身だしなみに関しては具体的なルールが定められています。では、中学・高校の制服の服装規定には、どのようなことが定められているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校生1,200人を対象に、学校で流行っている制服のアレンジ、学校の服装規定の内容、性別を問わない制服着用の状況について調査しました。

  • 【Vol.232】女子中高生の制服嗜好

    2025.05.27 カンコーホームルーム 学校制服は今や世界中で伝わる日本語になった「kawaii」(カワイイ文化)の1つとして、海外でも注目されています。その制服ファッションのトレンドを生み出し、牽引しているのはいつの時代も制服を着ている女子中高生です。では、令和の女子中高生は制服に対してどのような嗜好を持っているのでしょうか?今回は、全国の女子中学・高校生600人を対象に、着用したい制服(ボトム)のタイプ、制服のスカートの長さ嗜好、制服と合わせる靴下のタイプについて調査しました。
  • 【Vol.231】中高生のスクールバッグ事情

    2025.04.29 カンコーホームルーム 中学・高校生が毎日の通学で使用しているスクールバッグ。スクールバッグは、学校毎にデザイン・色や形・素材などが決まっているものや、色や形はある程度決まっていても学校で決まったデザイン指定がなく、自由に選べる場合もあります。では、中学・高校生はどのようなスクールバッグを使っているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校生1,200人を対象に、スクールバッグの学校指定の有無、スクールバッグのタイプ、スクールバッグに必要だと思うポイントを調査しました。
  • 【Vol.230】小中高生の保護者が体操服に求めること

    2025.03.25 カンコーホームルーム 入学準備品の1つに「体操服」があります。体操服は、ジャージ上下(長袖ジャケット・長ズボン)、ハーフパンツ、半袖シャツなどのアイテムがあり、体育以外の学校生活でこれらのアイテムを着用する機会もあることから、制服と同様に学校着として位置付けられています。では、小学・中学・高校生の子どもを持つ保護者は、体操服にどのようなことを求めているのでしょうか?今回は、小学・中学・高校生の子どもを持つ保護者2,400人を対象に、子どもが体操服を着るシーン、体操服で気になること、体操服で重視することを調査しました。