2013.04.30 カンコーホームルーム 【Vol.87】「いじめの発生状況」
2012年11月に文部科学省が公表した「いじめの緊急調査」によると、2012年4~9月に全国の小中高校などが認知したいじめの件数は14万4,054件で、多くの学校でいじめが発生していることが浮き彫りになりました。いじめが社会問題となって久しいですが、いじめはいつ頃からあったのでしょうか?今回は、20歳以上の男女を対象に学生時代のいじめの有無や発生内容について調査しました。
調査概要
- 調査対象:全国の20歳以上の 男女443人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2013年2月
いじめの有無
学生の頃、自身が通っていた学校でいじめが「あった」という人は49.9%、「なかった」という人の21.9%の2倍以上になりました。
いじめられた経験
いじめがあったと回答した人の中で、自身がいじめを受けた経験が「ある」という人を世代別に見ると、20代が最も多く73.2%、続いて、30代が68.0%、40代が62.5%、50代以上が46.2%となりました。いじめを受けた経験は若い世代ほど増加しています。
いじめを受けた時期
いじめの発生時期は、「中学校」が58.3%、「小学校高学年(4~6年生)」が52.8%という回答が多く、いじめの半数以上が小学校高学年から中学校の頃に集中しています。
いじめの内容
主ないじめの行為は、「悪口、陰口、冷やかし、からかい」が77.1%と最も多く、次に「仲間はずれ、集団による無視をされる」58.3%などの精神的な苦痛を与えるものや、「持ち物を隠されたり、壊されたり、捨てられたりする」31.9%といった物理的な攻撃が多くなりました。
いじめは、昔からあり、学校の先生や保護者といった大人の目の届かないところで巧妙になされる場合がしばしば見られ、いじめを受けている本人の訴えがない限り、深刻な状況になるまで発見されないケースが多いようです。
今回の調査では、20歳以上の男女を対象にいじめの有無を質問したところ、約半数が学生時代にいじめが「あった」という回答していました。その中で、自身がいじめを受けた経験が「ある」という人は、20代が最も多く7割を超えており、学生時代にいじめを受けた経験は若い世代ほど件数が多くなることから、いじめは昔からあったが近年増加傾向だったことが伺えます。また、いじめの発生時期は、「中学校」58.3%、「小学校高学年(4~6年生)」52.8%に集中しており、「悪口、陰口、冷やかし、からかい」、「仲間はずれ、集団による無視をされる」、「持ち物を隠されたり、壊されたり、捨てられたりする」、「暴力をふるわれる」など、弱い者に対して個人または集団で、意識的に、精神的あるいは肉体的な苦痛を与えていることがわかりました。
いじめはどの子どもにも、どの学校においても起こりうる問題です。そして、学校の先生や保護者といった大人の目の届かないところで発生していることが多く、いじめを受けている子どもや周囲の子どもの訴えがない限り、発見されないケースもあるようです。学校は、いじめが発生することもあらかじめ想定して、未然防止も含めた取り組みを不断に進めておくことが重要となります。
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