2012.09.25 カンコーホームルーム 【Vol.80】「学校における屋外スポーツの危険と対策」

スポーツの秋になりました。学校で行うスポーツといえば、体育の授業、部活動、運動会や体育祭など屋外で行うものが多くあります。では、この季節の屋外スポーツにはどのような危険があって、学校はどのような安全対策に取り組んでいるのでしょうか?今回は、全国の小中高校の教職員を対象に、屋外でスポーツを行う際の心配事や、屋外スポーツを行う際に学校が行っている安全対策についてうかがいました。

調査概要

  • 調査対象:全国の小中高校の教職員 2,200人
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 実施時期:2012年7月

屋外スポーツにおける心配事

学校が屋外スポーツを行う際の心配事としては、1位は「熱中症」で、小学校89.7%、中学校92.8%、高校88.7%とほとんどの学校が心配事として回答しています。2位は「ケガ」で、小学校46.8%、中学校56.6%、高校51.0%、3位は「脱水症」で、小学校40.6%、中学校42.9%、高校45.2%となります。「その他」の心配事としては、「光化学スモッグ」「放射線」「虫さされ」「女子校なので不審者の侵入」などがありました。

【図1】屋外でスポーツを行う際に、心配事はありますか?(複数回答)

屋外スポーツの安全対策

学校が屋外スポーツの安全のために子どもたちに行っている取り組みで、最も多いのは「こまめに水分補給を行う」という回答で、小学校87.2%、中学校91.5%、高校82.4%になります。次に、「帽子を被らせる」が、小学校79.5%、中学校37.7%、高校23.0%となり、小学校の約8割が帽子を着用しています。また、「吸汗・発散性に優れた体操服の採用」「長袖やジャージ上下の採用」「UVカット機能の体操服の採用」と着衣での工夫もみられます。「その他」の安全対策としては、「日焼け止めの使用を許可する」「テントを設置し日陰で休憩できるようにする」などの回答がありました。

【図2】屋外スポーツの安全対策として、取り組んでいることは?(複数回答)

ここ数年の傾向として、日差しの強さや暑さなどによる子どもの体調悪化や不安定な天候を懸念して、秋に運動会などの屋外スポーツを控える学校もあるようです。
総務省消防庁の発表によると、2012年の夏に熱中症で救急搬送された人は、全国で4万人を超えています。この件数の多さに連動するように、小中高校が体育授業、部活動、運動会や体育祭などの屋外スポーツを行う際の心配事としては、「熱中症」が圧倒的に多く、小中高校の約9割が心配事と挙げています。次に多い「ケガ」は約半数で、続いて「脱水症」「紫外線(過度な日焼け)」「落雷」が2~4割と、暑い季節に多く発生する事柄が心配事となっています。このような危険から子どもたちを守るために屋外スポーツの安全対策として学校が行っている取り組みとしては、「こまめに水分補給を行う」が約9割と最も多く、「帽子を被らせる」、「日差しや気温が高い時間の屋外スポーツは避ける」「雷・竜巻発生状況の確認」などの取組みがみられます。
学校で行うスポーツは子どもたちの体力づくりや健康のために欠かせないものです。その学校スポーツをサポートするものとして、汗処理機能の高いものから有害な紫外線から肌を守るUVカット機能付のものなど、様々な機能を兼ね備えた体操服が登場しています。また、夏でも強い日差しから肌を保護やケガ防止のために長袖やジャージ上下の必要性も高まっているようです。

pdf_b.png 当サイトのPDFをご覧にいただくには、最新のAdobe Readerが必要です。こちらのバナーよりご用意ください。

fig_226_illust.jpg

【Vol.226】学校行事と「学校制服の必要性」

2024.11.26 カンコーホームルーム 学校行事において卒業式・入学式は学校生活の節目となり、保護者が参加する学校行事の1つです。そして、保護者は母親や父親のどちらか1人だけが参加するのでなく、両親が揃って式典に出席したり、祖父母や兄弟姉妹、親戚が参加したりするケースもみられます。では、中学・高校の卒業式・入学式の保護者の出席者はどのような状況でしょうか?今回は、中学・高校に勤務する教師800人を対象に、卒業式・入学式の出席者の状況、学校制服があるとよいときについて調査しました。

fig_225_illust.jpg

【Vol.225】学校制服の購入方法の変化

2024.10.29 カンコーホームルーム 新入学準備として制服購入を検討し始める時期になりました。制服の購入方法は、生徒と保護者が学校や販売店などに赴いて、採寸・試着を行う方法が一般的でした。しかし、ここ数年は、インターネットの普及やデジタル化が浸透し、人工知能(AI)技術の発達も加わり、学校制服の採寸や買い方が変化しています。では、最近の制服はどのように購入されているのでしょうか?今回は、中学・高校生の子どもを持つ親1,200人を対象に、デジタル採寸※の認知・利用意向、制服の試着・採寸の必要性、新入学時の制服購入場所の利用意向について調査しました。

  • fig_224_illust.jpg

    【Vol.224】学校行事の変化と意識

    2024.09.24 カンコーホームルーム 二学期は、文化祭や運動会・体育祭、遠足・校外学習、職場体験、修学旅行などの学校行事を予定している学校も多いようです。現在、学校では、新型コロナウイルス感染症の位置づけが2023年5月8日から季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行して1年以上が経過し、学校行事も平常通り行われることが増えています。では、学校行事はコロナ禍※以前と変わらずに行われているのでしょうか?今回は、小学・中学・高校生の子どもを持つ親と小学・中学・高校の教師をあわせた3,000人を対象に、学校行事の変化、コロナ禍のときに中止や自粛になった学校行事、大切だと思う学校行事について調査しました。
  • fig_223_illust.jpg

    【Vol.223】親が思う子どもの夏休みの必要性

    2024.08.27 カンコーホームルーム 8月下旬になると長い夏休みが終わって、通学する子どもの姿を目にするようになります。学校の夏休みは、地域や学校によって開始時期や終了時期、日数には違いがありますが、30日~40日程度の長い期間を夏休みとしている学校が多いようです。では、小中高生の子どもを持つ親は夏休みについて、どのように思っているのでしょうか?今回は、夏休みに入る7月に小学・中学・高校生の子どもを持つ親を対象に、夏休みの必要性とその理由、子どもの夏休みの予定を調査しました。
  • fig_222_illust.jpg

    【Vol.222】制服の成長機能の利用状況

    2024.07.30 カンコーホームルーム 小学校高学年から中学校の期間は、子どもの「成長期」にあたり成長が著しい時期でもあります。このことから中学校の入学時に着ていた制服を秋になって着ようとしたら、小さくなっていて(子どもが成長して大きくなって)着られなくなったということもあるようです。そのようなサイズアウトを少なくするために、成長を予測して入学時には少し大きめの制服を購入したり、『成長機能』※が備わった制服を選んだりするなどの対策があります。では、『成長機能』が付いた制服を利用している中学生はどれほどいるのでしょうか?今回は、高校1年生の子どもを持つ保護者に、中学校でお子様が着用していた制服のタイプ、制服の成長機能の有無と内容、中学校での成長機能の使用状況について調査しました。 ※成長機能とは、成長に対応してサイズアップができる制服の仕様・機能です。