2015.05.20 人づくり・現場指導 特質を生かした部活動の維持を(公益財団法人 全国高等学校体育連盟副会長 江畑 政彦 氏)

kt002_profile_ebata.jpgえばた・まさひこ
(公財)全国高等学校体育連盟 副会長近畿・大阪高等学校体育連盟 会長

昭和30年9月 大阪府生まれ。広島大学教育学部高等学校教員養成課程体育科卒業後、大阪府立門真西高等学校教諭、(公財)大阪体育協会事務職員、大阪府立市岡高等学校教諭、大阪府教育委員会事務局教育振興室(インターハイ大阪府準備室)を経て、現在、大阪府立勝山高等学校長

部活動における少子化の影響

部活動における生徒指導としては、ぜひ「協働の精神」を育ててほしいと思いますね。

社会に出て、組織で仕事をする上で最も必要とされる資質です。個人競技の場合も、自分のことだけでなく、しっかり仲間の応援もできる、一人のチームメートを全員が信頼し支え合う、そんな豊かな人間形成の場にしてほしいと思います。

そのためには、まず声に出してコミュニケーションを緊密にし、互いの信頼関係を築くことが大切です。以前は連帯責任という指導もありましたが、罰則として伝わると、ミスした人間を大勢が責めるようになり関係が崩れます。自分の言葉で伝えて互いに気持ちを理解し合う。相手を信頼できてはじめて、試合中のブロックサインやアイコンタクトが的確に伝わるようになります。結果、強いチームづくりにもつながるのではないでしょうか。

練習内容の構成にも工夫が必要です。長時間にわたるハードな練習が必ずしも良いとは限りません。たとえば2時間という限られた時間の中でどれだけ集中力を高められるか、そんなことも考えた指導を心掛けてほしいですね。(取材/池原徹)

人との協働精神を育む指導を

とりわけ先生方に心がけてほしいのは、コミュニケーションづくり。

中でも普段の声かけです。

LINEやメールで友人と会話する今のネット世代の生徒たちを見ていると、フェース・ツー・フェースのコミュニケーションがどんどん希薄になっていると感じます。顔を合わせた時に「調子上がってるなあ」とか「持久力に自信を持っていいぞ」「スプリント能力が高いな」とかなんでもいい。なにかいいところをみつけて励ましてやってほしい。自尊感情を育てる上でも大切だと思いますね。

スポーツは、試合に「勝つ」ことだけが目的ではありません。もちろん明確な目標があると、生徒たちはそこに向かって頑張ります。けれど、指導に熱が入りすぎるあまり、生徒がそこで燃え尽きてしまっては元も子もない。本来のスポーツの意義である「楽しさ」や「充実感」を高校時代に存分に分かち合い、卒業して社会人になってもスポーツを続けられるよう、生涯スポーツの素晴らしさやマインドの部分をぜひ伝えてほしいと思います。

実際、スポーツを通じた仲間との出会いは人生をより豊かにしてくれますし、自分の健康や体調の維持管理にも運動やスポーツは欠かせません。一人でも多くのスポーツ好きな青少年を育ててほしいと思いますね。(取材/池原徹)

 

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