2025.12.18 保護者向けコラム なぜ制服は“メイドインジャパン”なのか? 国内生産点数一位のカンコー学生服の技術と品質
日本の衣料品自給率が1.4%の中、実は学生服は日本で作り続けられています。
なぜ国内生産が守られているのか?その背景と、国内生産を支える現場の技術に、この記事では目を向けてみます。
日本の衣料品自給率と制服の国内生産の現状
普段、私たちがお店で手にする衣料品、その多くは海外で生産されています。
ファストファッションの広がりによって、手頃な価格でたくさんの服を楽しめるようになった一方、国内で作られる「メイドインジャパン」の服は年々少なくなっているのが現状です。
そのような時代ですが、学生の頃に一度は袖を通した「制服」や「体操服」は、今も多くが日本国内で生産されていることをご存じでしょうか。実はこの「制服」こそ、日本の縫製技術と品質の高さを今に伝える代表的なメイドインジャパンなのです。

日本の衣料品自給率はわずか1.4%の中、制服は高い国内自社生産比率
日本繊維輸入組合が発表している統計データによると、日本の衣料品自給率はわずか1.4%(2024年時点/数量ベース)。つまり、私たちが普段着ている服の98.6%が海外で生産されているという現実があります。かつて「メイドインジャパン」が当たり前だった時代から一転し、いまや国内で衣料を作る企業はごくわずかになりました。
そんな中でも、学生服メーカーは一貫して高い国内生産比率を誇ります。
学生服メーカーのカンコーは、全国に19の自社工場を保有し、年間約600万枚の衣料(制服や体操服)を国内で生産しています。これは、日本の国産衣料の実に約8.6%を縫製しているということになります。※2021年度自社調べ
この規模は、国内アパレルメーカーの中でも大きく、「国内自社縫製工場による生産点数ナンバーワン」と考えています。
制服が“日本製”であり続ける3つの理由
「なぜ制服は、今も国内で作られているのだろう?」
そう疑問に思う方もいるかもしれません。制服という衣服には、一般のファッションとは異なる“特別な理由”があります。
1.納期:入学式に間に合わせるため
国内生産を貫く最大の理由は、「入学式に間に合わせる」という絶対的な使命があるからです。地域にもよりますが高校の合格発表が行われるのは3月下旬がほとんどで、そこから4月の入学式までわずか数週間しかありません。この極めて短い期間に、採寸~納入を確実に行うためには、国内生産でなければ間に合いません。
2. 品質:高い品質基準を保つため
制服は、学生が毎日長時間着る“生活の一部”です。だからこそ、耐久性や着心地の良さはもちろん、洗濯を重ねても型崩れしにくいことが求められます。国内の自社工場なら徹底した品質管理が可能です。工程ごとに厳しい検査基準を設け、常に安定した品質を保っています。
3. 安心:成長期の子どもたちに安心・安全を届けるため
制服は、成長期の子どもたちが身につける衣服。安全性への配慮も欠かせません。使用する素材や染料、加工方法に至るまで、日本国内の法令・基準に基づいた安全管理が徹底されています。
これらの理由から、カンコーは創業以来国内生産で高い技術を守り続け、学生の成長を支える大切な服だからこそ、多くを自社工場で縫製しているのです。
カンコー品質を生む “ものづくりの3つの柱”
メイドインジャパンと言えば「確かな品質」とイメージされる方も多いのではないでしょうか?カンコーでも信頼され続けるために、「私たちが紡ぐ。カンコー品質」というスローガンのもと、ものづくりを行っています。その3つの要素をご紹介します。
1.熟練の技術者による確かな技
カンコーでは、国内19の自社工場で、約2,000人のスタッフが、素材の入荷から裁断、縫製、検品、出荷までを一貫生産しています。
そのうち、紳士服製造技能士(紳士既製服縫製作業/紳士既製服型紙製作作業)、婦人子供服製造技能士(婦人子供既製服縫製作業/婦人子供既製服型紙製作作業)、ニット製品製造技能士、布はく縫製技能士、縫製機械整備技能士などの技能検定(特級~2級)の資格保有者や、繊維製品品質管理士(TES)をあわせて、制服・体操服の製造・品質管理のスペシャリスト約350名が在籍。
若手技術者への教育にも力を入れ、確かな技術を次世代へと継承しています。
2.進化し続ける生産体制と品質管理への挑戦
長年にわたり培ってきた縫製技術に加え、最新の設備やデジタル技術を積極的に導入し、高品質な製品を効率的に生産できる体制を整えています。
例えば鳥取県の米子工場では、ブレザー、スラックス、スカートといった重衣料の対応力を強化するために現在増設を進め、工場内の運搬やパーツを自動化するなど従来にはない新技術を取り入れたスマートファクトリーを目指しています。
また、生産効率化の視点では、VA(バリューアナリシス)の手法を活用し、品質を維持しながらコストダウンにも取り組んでいます。
こうした「技術を守りながら進化を続ける姿勢」こそが、カンコー品質を支えています。
3.安心して長く着られる品質とサポート
制服は、購入して終わりではありません。
3年間、場合によってはそれ以上着用するものです。毎日着るものだからこそ、着心地の良さや耐久性、そして長く着られる安心感が大切です。丈夫で型崩れしにくい設計や繰り返しの洗濯にも耐える素材選びなど、日々の使用を見据えたものづくりを行っています。一つ一つの品質の積み重ねが、学生生活の3年間をしっかりと支える“安心のサポート”につながっています。
カンコー学生服は、ただ「制服を作る会社」ではありません。
制服を通じて学生一人ひとりの成長を見守り、学校生活を支えるパートナーとして、安心・信頼のメイドインジャパン品質をこれからも守り続けていきます。
まとめ|メイドインジャパンの制服が学校生活を支える
今回は、日本国内の衣料品生産が年々減少する中で、国内自社縫製にこだわり続けるカンコー学生服のものづくりをお伝えしました。
国内生産を続ける理由は、「納期」「品質」「安心」の3つ。それぞれが学生たちの毎日に寄り添うための、欠かせない価値です。
制服や体操服は、ただの“衣類”ではなく、思い出を彩る大切な存在です。
これからも私たちは、メイドインジャパンの確かな技術で想いを込め学生服を作り続けます。
なぜ制服は“メイドインジャパン”なのか? 国内生産点数一位のカンコー学生服の技術と品質
2025.12.18 保護者向けコラム 日本の衣料品自給率が1.4%の中、実は学生服は日本で作り続けられています。 なぜ国内生産が守られているのか?その背景と、国内生産を支える現場の技術に、目を向けてみます。
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