2024.06.25 カンコーホームルーム 【Vol.221】小学校の制服の有無

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文部科学省の「令和5年度学校基本調査(確定値)」によると、小学校は全国に18,980校(私立244校、公立18,669校、国立67校)があります。そのうち制服を採用している小学校は私立校が多い印象から、全国的に制服のある小学校は少ないと思われているようです。では、小学校の制服(標準服を含む)の着用率はどのような状況でしょうか?今回は、全国の中学1年生の保護者を対象に、お子様の通っていた小学校での制服の有無、地域別の状況、小学校の制服の必要有無の理由について調査しました。

調査概要

  • 調査対象:全国の中学1年生の子どもを持つ保護者1,200人
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 実施時期:2024年4月

1.小学校の制服の有無(全体)

中学1年生の保護者を対象に聞いた子どもが通っていた小学校の制服の有無は、「小学校に制服はあった」(26.6%)、「小学校に制服はなかった」(73.4%)となり、全体では制服のない小学校に通っている子どもの割合が多いという結果になりました。

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【図1】お子様の通っていた小学校は、学校制服はありましたか。(単数回答)

2.小学校の制服の有無(地域別)

地域別では、中国・四国は「小学校に制服はあった」(77.9%)という回答が最も多くなり、全体平均とは逆の傾向がみられます。次に、甲信越・北陸の「小学校に制服はあった」(44.8%)、近畿の「小学校に制服はあった」(37.5%)も制服の採用が全国平均を上回り、小学校の制服の有無には、地域によって違いがみられます。

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【図2】 お子様の通っていた小学校は、学校制服はありましたか。(単数回答)

3.小学校の制服の必要有無の理由

保護者が小学校に制服はあったほうがよいと思う理由は、「楽だから」「着る服に悩まなくてもよい」「冠婚葬祭で使える」などの利便性や、「私服で差がでない」「派手にならないから」「統一感ができる」などの見た目によるメリットがあげられました。一方、制服はないほうがよいと思う理由は、「身長が伸びる時期だから」「すぐにサイズアウトするため」「成長期なのですぐに小さくなるから」といった成長期によるサイズ対応や、「制服は堅苦しい」「窮屈だから」「動きにくいし汚すから」という着心地やお手入れの懸念があげられました。また、費用面に関しては、「制服は私服よりも費用がかからない」「小学校は私服でもあまりお金はかからない」と、制服・私服それぞれについて経済的だという見解がありました。

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【表1】 小学校の制服の必要有無の理由を教えてください。(自由回答)

小学校に通う6年間は成長期で身長も平均で20㎝以上伸びるため、すぐに服が小さくなって着られなくなる時期でもあります。子どもの成長は嬉しい反面、通学用の子どもの服について頭を悩ませている保護者の方も少なくないようです。 今回、全国の中学1年生の子どもを持つ保護者1,200人を対象にした調査では、子どもが通っていた小学校の制服の有無は、「小学校に制服はあった」(26.6%)、「小学校に制服はなかった」(73.4%)となり、全体では制服のない小学校に通っている子どもの割合が7割を超えて多いという結果になりました。地域別にみると、中国・四国は「小学校に制服はあった」(77.9%)という結果で、制服のある小学校に通っている子どもの割合は8割近く、甲信越・北陸や近畿なども、全体平均に比べて「小学校に制服はあった」という回答が10ポイント以上高くなり、西日本や甲信越・北陸などの地域においては、小学校の制服着用が全体平均より高いという傾向がみられました。また、小学校の制服の必要有無の理由では、「楽だから」「着る服に悩まなくてもよい」「冠婚葬祭で使える」などの利便性や、「私服で差がでない」「派手にならないから」「統一感ができる」などの見た目によるメリットが、制服はあったほうがよいと思う理由としてあげられています。他方で、制服はないほうがよいと思う理由は、「身長が伸びる時期だから」「すぐにサイズアウトするため」「成長期なのですぐに小さくなるから」といったサイズ対応と「制服は堅苦しい」「窮屈だから」「動きにくいし汚すから」という着心地やお手入れへのマイナスイメージがあげられています。費用面に関しては、「制服は私服よりも費用がかからない」「小学校は私服でもあまりお金はかからない」など、制服・私服いずれも経済的でよいという声があり、制服・私服どちらにも様々なメリットを感じているようです。 日本の中学・高校では、全国的に制服を採用している学校が多いのに対し、小学校では地域などによって制服の採用状況に違いがみられます。小学校の制服・私服については、メリット・デメリットはそれぞれありますが、子どもが学校生活を快適に安全に過ごせる教育環境づくり、家庭への負担も軽減できる通学服が求められています。

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