2024.02.27 カンコーホームルーム 【Vol.217】卒業後の制服とエコ意識

fig_217_illust.jpg

卒業式が終わると、卒業生は制服を着ることがなくなります。制服は学生生活の長い時間を共に過ごした思い出が詰まった服なので、着る機会がなくなっても手放すことを躊躇する人も少なくないようです。では、卒業後の着なくなった制服はどのようにしているのでしょうか?今回は、全国の高校生を対象に、中学校で着用していた制服タイプ、卒業後の制服、制服を通じたエコ意識について調査しました。

調査概要

  • 調査対象:全国の高校生 1,200人
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 実施時期:2024年1月

1.中学校で着用していた制服タイプ

男子高校生が中学校で着ていた制服のタイプは、「詰襟(学ラン)」(47.3%)と「ブレザー」(46.5%)が多く、女子高校生が中学校で着ていた制服のタイプは、「ブレザー」(50.2%)が半数を占め、次に「セーラー服」(30.8%)が多いという結果でした。

fig_217_01.jpg

【図1】あなたが中学校のときに着ていた制服(冬服)のタイプを教えてください。(単数回答)

2.卒業後の制服

中学校卒業後の制服については、「今も保管している」(50.7%)が半数を超え、次に「弟妹・知人などへお下がりで譲った」(20.8%)、「学校・PTAに寄贈した」(5.9%)といった制服の再使用という回答がありました。また、「ゴミとして捨てた」(5.4%)、「リユース業者などで買い取ってもらった」(2.0%)、「リサイクル(再資源化)に出した」(1.9%)、「インターネットで販売した」(0.7%)などもあげられました。

fig_217_02.jpg

【図2】中学校の制服(冬服)は、卒業後どのようにしましたか。(単数回答)

3.制服を通じたエコ意識

自分が着ていた制服がエコ活動に役立つことに対しては、「とてもよい」(40.8%)と「まあよい」(35.4%)をあわせると76.2%が良いことだと思っていると回答しています。

fig_217_03.jpg

【図3】自分が着ていた制服がエコ活動に役立つことに対しては、どのように思いますか。(単数回答)

環境省が2021年に発表したレポート「SUSTAINABLE FASHION」では、明日から私たちが取り組めるアクションとして、“今持っている服を長く大切に着よう”“リユース(再利用)でファッションを楽しもう”“服を資源として再活用しよう”などが掲げられています。
今回、全国の高校生1,200人を対象にした調査では、中学校のときに着ていた制服(冬服)のタイプは、男子高校生は「詰襟(学ラン)」(47.3%)と「ブレザー」(46.5%)、女子高校生は「ブレザー」(50.2%)と「セーラー服」(30.8%)が多く着用されていました。高校生に聞いた中学校卒業後の制服は、「今も保管している」(50.7%)、「弟妹・知人などへお下がりで譲った」(20.8%)、「学校・PTAに寄贈した」(5.9%)、「ゴミとして捨てた」(5.4%)、「リユース業者などで買い取ってもらった」(2.0%)、「リサイクル(再資源化)に出した」(1.9%)、「インターネットで販売した」(0.7%)などがあげられ、高校生になった今も制服を保管しているという声が半数を占めていました。また、お下がりや寄贈・リユース業者へ販売などの再使用(リユース)は3割弱みられました。一方で、リサイクル(再資源化)は1.9%に留まりましたが、「自分が着ていた制服がエコ活動に役立つことに対しては、「とてもよい」と「まあよい」をあわせると76.2%が良いことだと肯定的に思っているようです。
持続可能な未来のためには、Reduce(リデュース=ゴミの発生や資源の消費自体を減らす)、Reuse(リユース=ゴミにせず繰り返し使う)、Recycle(リサイクル=ゴミにせず再資源化する)という3Rが重要とされています。学校制服は長期間の着用に耐えられる丈夫さや、流行に左右されないデザインなどの観点から、サステナブルファッションとして注目されています。未来を担う子どもたちと共に実現するサーキュラーエコノミーを目指して、「循環型社会」の実現に向けた取り組みが求められています。

pdf_b.png 当サイトのPDFをご覧にいただくには、最新のAdobe Readerが必要です。こちらのバナーよりご用意ください。

【Vol.228】学校教育でのデジタル端末利用の状況

2025.01.28 カンコーホームルーム 近年、学校教育のICT・デジタル化が進んでいます。その背景に、子どもたちが1人1台のデジタル端末(タブレット・ノートパソコン・クロームブック・iPadなど)を利用した授業があります。では、小学・中学・高校生の子どもを持つ保護者は、学校教育でのデジタル端末利用ついてどのように思っているのでしょうか?今回は、小学・中学・高校生の子どもを持つ保護者2,400人を対象に、学校の授業におけるデジタル端末の利用状況と、デジタル端末を使った授業の評価とその理由について調査しました。

【Vol.227】2025年大阪・関西万博への関心度

2024.12.31 カンコーホームルーム 2025年、日本で大阪・関西万博が開催されます。万博は、世界中からたくさんの人やモノが集まる一大イベントで、地球規模のさまざまな課題に取り組むために、世界各地から英知が集まる場として、世界的に注目されています。では、小学・中学・高校生の子どもを持つ保護者は、万博についてどのように思っているのでしょうか?今回は、小学・中学・高校生の子どもを持つ保護者2,400人を対象に、万博の認知度と、子どもの来場意向について調査しました。

  • 【Vol.226】学校行事と「学校制服の必要性」

    2024.11.26 カンコーホームルーム 学校行事において卒業式・入学式は学校生活の節目となり、保護者が参加する学校行事の1つです。そして、保護者は母親や父親のどちらか1人だけが参加するのでなく、両親が揃って式典に出席したり、祖父母や兄弟姉妹、親戚が参加したりするケースもみられます。では、中学・高校の卒業式・入学式の保護者の出席者はどのような状況でしょうか?今回は、中学・高校に勤務する教師800人を対象に、卒業式・入学式の出席者の状況、学校制服があるとよいときについて調査しました。
  • 【Vol.225】学校制服の購入方法の変化

    2024.10.29 カンコーホームルーム 新入学準備として制服購入を検討し始める時期になりました。制服の購入方法は、生徒と保護者が学校や販売店などに赴いて、採寸・試着を行う方法が一般的でした。しかし、ここ数年は、インターネットの普及やデジタル化が浸透し、人工知能(AI)技術の発達も加わり、学校制服の採寸や買い方が変化しています。では、最近の制服はどのように購入されているのでしょうか?今回は、中学・高校生の子どもを持つ親1,200人を対象に、デジタル採寸※の認知・利用意向、制服の試着・採寸の必要性、新入学時の制服購入場所の利用意向について調査しました。
  • 【Vol.224】学校行事の変化と意識

    2024.09.24 カンコーホームルーム 二学期は、文化祭や運動会・体育祭、遠足・校外学習、職場体験、修学旅行などの学校行事を予定している学校も多いようです。現在、学校では、新型コロナウイルス感染症の位置づけが2023年5月8日から季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行して1年以上が経過し、学校行事も平常通り行われることが増えています。では、学校行事はコロナ禍※以前と変わらずに行われているのでしょうか?今回は、小学・中学・高校生の子どもを持つ親と小学・中学・高校の教師をあわせた3,000人を対象に、学校行事の変化、コロナ禍のときに中止や自粛になった学校行事、大切だと思う学校行事について調査しました。