2024.01.30 カンコーホームルーム 【Vol.216】中高生の着用制服と着たい制服タイプ
学校制服は、スクールアイデンティティ(SI)を表現し、生徒が着たくなるデザインや快適性、長時間着続けても耐久性に優れ丈夫でお手入れが簡単にできるものなど、時代とともに進化しています。そして、詰襟、セーラー服、ブレザー、スーツなど、様々なタイプがあります。では現在、中高生はどのようなタイプの学校制服を着ているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校に通う男女1,200人を対象に、着用している制服のタイプ、着たい制服のタイプとその理由について調査しました。
調査概要
- 調査対象:全国の中学・高校生 1,200人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2023年7月
1.着用制服のタイプ
男子中学生が着ている制服のタイプは、「詰襟(学ラン)」(54.5%)が最も多く、男子高校生は「ブレザー」(47.0%)が最も多いという結果でした。女子中学生は「ブレザー」(45.5%)が「セーラー服」(35.5%)に比べて10ポイント多く、女子高校生では「ブレザー」(69.5%)の着用が約7割を占めていました。現在、中高生が着用している制服のタイプは、ブレザータイプが多いようです。
2.着たい制服のタイプ
中高生が着たい制服のタイプは、男子中学生は「詰襟(学ラン)」(39.0%)が「ブレザー」(35.0%)と拮抗し、詰襟(学ラン)を着たいという回答がやや多くなりました。一方、男子高校生は「ブレザー」(52.3%)が5割を超え、女子中学生は「ブレザー」(48.0%)、女子高校生は「ブレザー」(55.8%)という結果で、ブレザーを着たいという声がありました。中高生が着たい制服のタイプは、ブレザータイプが多いようですが、中学生男子は「詰襟(学ラン)」を着たいという声も4割近くあり、女子中高生においても「セーラー服」の着用意向は2~3割程度みられました。
3.着たい制服の理由
中高生がブレザーを着たい理由は、「かっこいい」「高校生らしくて、かわいいから」「動きやすいから」「着やすいから」「アニメで見たから」など男女ともにブレザーを選んだ理由には共通する要素があげられました。また、詰襟(学ラン)を着たい理由は、「制服っぽいから」「着心地がいい」「かっこいいから」「シンプルが好きだから」といった理由があげられ、セーラー服は「制服らしくて、かわいいから」「着脱が楽だから」「日本の制服といえばセーラー服であり、あこがれていたから」などがあげられました。総じて、「学生らしさ」「制服らしさ」「かわいい」「かっこいい」などの見た目の印象や、「動きやすい」「着やすい」などの着心地の観点が着たい制服選びの背景にありました。
今から半世紀前の昭和時代の学校制服といえば、詰襟・セーラー服が主流でした。昭和時代後期になると、ブレザーにタータンチェック柄のスカートをあわせた制服が登場し、高校を中心にブレザースタイルを採用する学校が増えました。そして、近年は中学校でブレザー化が進んでいます。
今回、全国の中学・高校生1,200人を対象にした調査では、中高生が着用している制服のタイプを男女×学校別にみると、現在、男子中学生は「詰襟(学ラン)」(54.5%)、男子高校生は「ブレザー」(47.0%)、女子中学生は「ブレザー」(45.5%)、女子高校生は「ブレザー」(69.5%)の着用が多いという状況でした。中高生が着たい制服のタイプは、男子中学生は「詰襟(学ラン)」(39.0%)が「ブレザー」(35.0%)と拮抗していましたが、そのほかの男子高校生と女子中高生はブレザーを支持する声が多く、男子高校生は「ブレザー」(52.3%)が5割を超え、女子中学生は「ブレザー」(48.0%)、女子高校生は「ブレザー」(55.8%)を着たいという結果でした。しかし、女子高校生に関しては、「ブレザー」(現在の着用制服タイプ:69.5%、着たい制服タイプ:55.8%)という回答がみられ、実際にブレザーを着用している女子高校生の中でもブレザーより、「セーラー服」(現在の着用制服タイプ:8.3%、着たい制服タイプ:20.5%)を着てみたいという意識もあるようです。ブレザー・詰襟(学ラン)・セーラー服を着たい理由は様々ですが、総じて、「学生らしさ」「制服らしさ」「かわいい」「かっこいい」などの見た目の印象や、「動きやすい」「着やすい」などの着心地が、中高生が着たい制服の視点としてあげられています。
学校制服は、その学校の制服を着ることで誇りを持ち、同じ学校に通う仲間との大切な思い出として、心に残る学生時代にしか着られない特別な服です。時代の変化や、子どもたちの価値観の変化をとらえた学校制服の役割が求められています。
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