2023.12.26 カンコーホームルーム 【Vol.215】中高生が考える「学校制服の必要性」

受験・進学のときに気になることの1つに学校制服があります。学校制服は、学校毎にデザインや色・形・生地・仕様などが異なり、「憧れの○○学校の制服」や「あの制服を着たいから、この学校を受験する」という声もあるほどに中高生にとって関心の高いアイテムのようです。では現在、制服を着ている中高生は学校制服について、どのように思っているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校に通う男女1,200人を対象に、学校制服の必要性、学校制服の良い点や必要だと思うことについて調査しました。
調査概要
- 調査対象:全国の中学・高校生 1,200人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2023年7月
1.学校制服の必要性
学校制服の必要性は、中学・高校生の全体では「あった方がよい」(45.8%)と「どちらかと言えば、あった方がよい」(37.6%)をあわせると、8割以上の中高生が学校制服は必要だと回答しています。男女別にみると、男子の「あった方がよい」(40.7%)に比べて、女子は「あった方がよい」(51.0%)という回答が10ポイント以上高くなり、「どちらかと言えば、あった方がよい」(38.2%)をあわせると、女子中高生の約9割が学校制服は必要だと回答しています。また、中学・高校別では、男女別ほどの大きな違いはないという傾向がみられました。
【図1】学校制服はあった方が良いと思いますか。(単数回答)
2.学校制服の良い点
中高生が思う学校制服の良い点は、「学生らしく見える」(男子51.8%、女子66.5%)、「毎日の服装に悩まなくてよい」(男子42.7%、女子66.2%)という回答が多く、特に女子中高生は良いと思う回答が6割を超えて突出して多いです。次に、「どこの学校か一目で分かる」(男子33.5%、女子44.2%)、「服装による個人差がでなくてよい(平等である)」(男子27.2%、女子38.5%)、「きちんとした気分になる」(男子26.5%、女子27.2%)、「冠婚葬祭にも着られる」(男子19.8%、女子30.5%)など、学生らしさや利便性、平等性、気分の切り替えなどが良い点としてあげられています。さらには、「日本が誇れるファッション文化である」(男子12.7%、女子19.7%)といったグローバルな視点で良いという回答もありました。
【図2】学校制服の良いと思う点をすべて教えてください。(複数回答)
3.学校制服に必要だと思うこと
学校制服に必要だと思うことは、「動きやすさ」(男子52.8%、女子58.7%)、「暑さ寒さに対応して快適である」(男子48.7%、女子62.3%)、「デザインの良さ」(男子40.8%、女子66.3%)が多く、続いて、「丈夫さ・耐久性」(男子50.2%、女子49.7%)、「家庭で洗濯できる」(男子41.2%、女子54.2%)、「着心地・肌触りの良さ」(男子39.5%、女子52.2%)、「汚れにくい・汚れが目立たない」(男子41.5%、女子50.0%)など多方面にわたり、特に女子中高生は、学校制服に必要だと思うことの割合が男子中高生に比べて高くなる傾向がみられます。また、学校制服の性の多様性への配慮としては、「性別に関わらず着たい制服が選べる」(男子21.0%、女子52.8%)という回答は、女子中高生は男子中高生に比べて30ポイント以上も高いという結果でした。
【図3】学校制服に必要だと思うことをすべて教えてください。(複数回答)
中高生の年間の授業日数は200前後とされています。中高生が登下校も含め学校制服を着用している時間を1日8時間と想定すると、1年間で約1,600時間、3年間では約4,800時間にもなり、学校制服はその長い時間着用されていることになります。
今回、全国の中学・高校生1,200人を対象に学校制服の必要性を調査した結果では、学校制服は「あった方がよい」(45.8%)と「どちらかと言えば、あった方がよい」(37.6%)をあわせると、8割以上の中高生が学校制服は必要だと回答していました。さらに、女子中高生は「あった方がよい」と「どちらかと言えば、あった方がよい」をあわせると、約9割が学校制服は必要だと回答していることから、女子中高生のニーズの高さがうかがえます。中高生が思う学校制服の良い点は、「学生らしく見える」(男子51.8%、女子66.5%)、「毎日の服装に悩まなくてよい」(男子42.7%、女子66.2%)という回答が多く、続いて、「どこの学校か一目で分かる」「服装による個人差がでなくてよい(平等である)」「きちんとした気分になる」「冠婚葬祭にも着られる」などのほかにも、「日本が誇れるファッション文化である」といった日本文化としても評価する声もみられました。そして、中高生が学校制服に必要だと思うことは、男子中高生は「動きやすさ」(52.8%)が最も多く、女子中高生は「デザインの良さ」(66.3%)が最も多いという結果で、このほかにも「暑さ寒さに対応して快適である」「丈夫さ・耐久性」「家庭で洗濯できる」「着心地・肌触りの良さ」「汚れにくい・汚れが目立たない」「性別に関わらず着たい制服が選べる」「男女が同じスタイル(ジェンダーレス制服)である」など、制服に求めることは多岐にわたります。
学校制服について、学校(先生)・保護者・中高生それぞれに学校制服の必要性を聞くと、いずれも「必要」という回答が多くみられます。そのなかでも、多くの中高生は学校制服を着ることで、「学生らしく見える」、「毎日の服装に悩まなくてよい」ということを良い点として支持していることから、学校制服は中高生の学生生活を過ごすための必需品であることがうかがえ、だからこそ動きやすさや快適性、デザインの良さなどの様々な性質が1着の制服に求められているようです。
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