2023.08.29 カンコーホームルーム 【Vol.211】男子生徒のスカート着用状況
近年、多様性やLGBTQ※の観点から、性別に関係なく着ることができるジェンダーレス制服として、今までスカートのみだった女子生徒の制服に「スラックス」を導入する学校が増えています。では、男子生徒の制服に「スカート」着用を許可している学校はどれくらいあるのでしょうか?今回は、全国の中学・高校の教員を対象に、女子生徒のスラックス制服の採用状況、男子生徒のスカート制服の着用許可の状況と着用の有無について調査しました。
※「LGBTQ」とは、レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)、クエスチョニング(Q)の性的少数派の中で代表的な5つの頭文字を取った総称です。
調査概要
- 調査対象:全国の中学・高校の教員 1,400人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2023年6月
1.女子生徒のスラックス制服の採用状況
中学・高校において、女子生徒用のスラックス制服の採用状況は、「採用している」(70.9%)、「採用していない」(27.6%)という結果で、現在、約7割の学校が女子生徒用にスラックス制服を採用していると回答しています。
2.男子生徒のスカート制服の着用許可の状況
男子生徒のスカート制服の着用の許可については、「許可している」(27.1%)、「許可していない」(71.2%)という結果で、男子生徒に対して、スカート制服の着用を許可している中学・高校は3割に満たない状況です。
3.男子生徒のスカート制服の着用有無
男子生徒のスカート制服の着用を許可している中学・高校で、スカート制服を着用している男子生徒の有無は、「いる」(11.8%)、「いない」(88.2%)という結果で、学校が許可をしていても男子生徒のスカート制服の着用率は1割程度でした。
文部科学省からの「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細やかな対応の実施等について」の通知以降、学校では生徒が自認する性別の制服着用を認める動きや、ジェンダーレス制服の採用が急速に広がっています。そのような時代を背景に、女子生徒用に「スラックス」を採用するだけでなく、男子生徒用に「スカート」の着用を許可する学校も出てきています。
今回、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に自身の勤務する学校において、女子生徒のスラックス制服の採用状況を調べたところ、「採用している」(70.9%)という結果で、約7割の学校で女子生徒にスラックス制服を採用していると回答していました。一方、男子生徒のスカート制服の着用許可については、「許可している」(27.1%)という結果で、男子生徒のスカート制服の着用を許可しているという中学・高校は3割に満たない状況でした。スカート制服の着用を許可している学校での男子生徒のスカート制服の着用状況は、スカート制服を着用している男子生徒が「いる」(11.8%)、「いない」(88.2%)という結果で、学校が許可をしていても男子生徒のスカート制服の着用は1割程度に留まりました。女子生徒は「スカート」と「スラックス」の両方を選択できる環境になりつつありますが、男子生徒が「スラックス」と「スカート」の両方を選択できるという環境であっても着用している生徒は少ないようです。
ファッション業界では、「ジェンダーレス」という性別に関係なく着ることのできるファッションが台頭し、男子でもファッションとしてスカートやキュロットスカートのスタイルが登場しています。しかし、学校においては男子生徒がスカート制服を穿くことは容易ではないようです。生徒が自分らしく学校生活を送ることのできる環境づくりが求められています。
【Vol.226】学校行事と「学校制服の必要性」
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