2023.05.30 カンコーホームルーム 【Vol.208】中高生の「水泳」の授業に対する意識
夏が近くなると、プール開きをして「水泳」の授業が始まります。水泳授業は学校で「スクール水着」に着替えて行われますが、近年はLGBTQ(※)の生徒への配慮や、生徒の多様性・個性を尊重するという意識が高まり、男女の区別なく着用できるスクール水着を導入する学校もみられます。では、中高生は水泳の授業をどのように感じているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校生1,400人を対象に、水泳授業の有無、水泳授業の好意度、水泳授業で着用している水着のタイプについて調査しました。
※「LGBTQ」とは、レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)、クエスチョニング(Q)の性的少数派の中で代表的な5つの頭文字を取った総称です。
調査概要
- 調査対象:全国の中学・高校生 1,400人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2023年2月
1.中高生の水泳授業の有無
学校の体育授業で「水泳」の時間は、「ある」(全体43.4%、中学生70.3%、高校生35.5%)という状況で、中学生の約7割が水泳授業があると回答しているのに対し、高校生はその半数となり、中学校と高校で水泳授業の有無の違いがうかがえます。
2.水泳授業の好意度
水泳授業があると回答した中高生の水泳授業の好意度は、「とても好き」(全体18.8%、中学生15.6%、高校生20.6%)という状況で、「まあ好き」(全体29.4%、中学生21.8%、高校生33.9%)をあわせると、中学生は約4割、高校生は約5割が水泳授業が好きと回答しています。一方、「とても嫌い」(全体25.5%、中学生34.2%、高校生20.4%)も一定数みられました。
3.水泳授業で着用しているスクール水着のタイプ
現在、中高生が着用しているスクール水着のタイプは、「男女それぞれ別のタイプ」(全体91.1%、中学生92.0%、高校生90.6%)が9割を超え、「男女共有のタイプ(セパレーツ水着など)」(全体8.9%、中学生8.0%、高校生9.4%)の着用は少ないという結果になりました。
近年、ジェンダーレス制服を採用する学校が増えています。そのような時代を背景に、スクール水着も男女別のデザインの違いや、体のラインや肌の露出などに抵抗感を持つ生徒から不満の声があがり、男女共用で肌の露出が軽減されているデザインへの変更・変化がみられます。
今回、全国の中学・高校生1,400人を対象に、学校の体育授業での「水泳」の有無を調べたところ、中学生「ある」(70.3%)、高校生「ある」(35.5%)という回答結果で、中学校と高校で水泳授業の有無の違いがうかがえます。水泳授業があると回答した中高生の水泳授業の好意度は、中学生は約4割、高校生は約5割が水泳授業が好きと回答しています。一方で「とても嫌い」(全体25.5%、中学生34.2%、高校生20.4%)という回答も一定数みられます。水泳授業で着用しているスクール水着のタイプは、「男女それぞれ別のタイプ」(全体91.1%、中学生92.0%、高校生90.6%)という状況で、「男女共用のタイプ(セパレーツ水着など)」(全体8.9%、中学生8.0%、高校生9.4%)の着用は1割に満たないという結果になりました。
日本では、「水泳」の授業があるという学校が多いため、水泳授業を学校で経験する人は多いようですが、中高生で水泳授業が嫌いという声も聞かれます。中高生が水泳授業を嫌いという理由は、「泳ぐのが苦手」「着替えるのが面倒」「濡れるのが嫌」「日焼けする」という以外にも、「水着が恥ずかしい」「体を露出したくない」「体に傷があるから見られたくない」「スクール水着を着たくない」という『水着』への抵抗が影響していることも大きいようです。時代の変化とともに、色やデザインで男女を分けない、肌の露出を控えて体のラインが目立たなくするなど、スクール水着のジェンダーレス化や改良が求められているようです。
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