2023.03.28 カンコーホームルーム 【Vol.206】中高生の学校制服のリユースに関する意識
ここ数年、学校制服のリユース(再利用)活動が広がっています。学校制服のリユースは、卒業などで着なくなった学校制服を学校やPTAなどが寄付を募り、その学校に入学・在学する生徒に無償や安く譲る活動と、リユース事業者などが買い取って店頭やインターネットで再販売するケースがあり、新入学以外に成長による買い替えや洗い替えなどでも利用する家庭もあるようです。では、生徒自身は学校制服のリユースをどのように思っているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校生1,400人を対象に、学校制服のリユースについての印象、学校制服のリユースの利用意向とその理由について調査しました。
調査概要
- 調査対象:全国の中学・高校生 1,400人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2023年2月
1.学校制服のリユースについての印象
学校制服のリユースについては、「とても良い」(全体41.9%、中学生40.6%、高校生42.2%)、「まあ良い」(全体45.9%、中学生49.1%、高校生44.9%)という状況で、中学・高校生での違いもほぼなく、全体では学校制服のリユースを良いと思う回答が8割を超えました。
2.学校制服のリユースの利用意向
中学・高校生自身の学校制服のリユースの利用意向は、「利用したい(着たい)」(全体14.7%、中学生15.3%、高校生14.5%)、「どちらかと言えば、利用したい(着たい)」(全体35.1%、中学生30.6%、高校生36.4%)をあわせて約5割が利用したいと回答しています。学校別では、中学生は「どちらかと言えば、利用したくない(着たくない)」(42.8%)という回答が高校生に比べて多くなる傾向がみられました。
3.学校制服のリユースの利用意向の理由
学校制服のリユースを利用したい(着たい)理由は、「お金の節約になるから」「家庭の負担を抑えられる」「捨てないで使うのはいいことだと思うから」などの経済面やエコ意識と、「成長してサイズも変わるので、いろんな人と協力していけたらと思う」「制服はあまり傷まないイメージがあるから」という学校制服が長く着ることができて、耐久性に優れた衣類であることを前提としたリユース利用意向があげられました。一方、学校制服のリユースを利用したくない(着たくない)理由としては、「他人の制服は着たくない」「リユースがいい事だとは分かっているけれど、潔癖症が少しあって嫌だから」「少し気持ちが悪い」という衛生面や知らない人が着ていたものへの抵抗感がみられました。また、「自分の身体のサイズに合わないかもしれないから」「制服は新しい方が気分があがるから」「制服は一生に一度だから新しいものを着たい」という自分の体型に合った自分だけの新しい制服を着たいという回答もありました。
学校制服のリユース(再利用)の背景には、エコ活動として廃棄衣類の削減や、家計の出費軽減などがあります。また、3年間着用した愛着のある学校制服がまだ十分着られる状態であるため、必要としている人に譲って使ってほしいという気持ちもあるようです。
今回、全国の中学・高校生1,400人を対象に、学校制服のリユースの印象を調べたところは、「とても良い」と「まあ良い」をあわせると好意的な回答が8割を超えました。しかし、中学・高校生自身の学校制服のリユースの利用意向は、「利用したい(着たい)」と「どちらかと言えば、利用したい(着たい)」をあわせても約5割に留まり、中学生は「どちらかと言えば、利用したくない(着たくない)」(42.8%)という回答が多くなる傾向がみられました。学校制服のリユースを利用したい(着たい)理由は、「家庭の負担を抑えられる」「捨てないで使うのはいいことだと思うから」「制服はあまり傷まないイメージがあるから」という経済面やエコ意識と、学校制服が丈夫で耐久性に優れた衣類であることを前提としたリユース利用意向があげられました。一方、学校制服のリユースを利用したくない(着たくない)理由としては、「他人の制服は着たくない」「少し気持ちが悪い」という衛生面や知らない人が長期間着ていたものを着ることへの抵抗感や、「自分の身体のサイズに合わないかもしれないから」という不安や、「制服は一生に一度だから新しいものを着たい」という新たな学校生活に向けて新しい学校制服が良いという特別な思いもあるようです。
学校制服は、既製品と違ってその学校に通うすべての生徒が等しく着用できることが必須条件です。同じ学校に通う生徒であっても体型・成長・価値観・生活環境など多様であることを踏まえて、誰もが平等に快適に着ることのできる学校制服が求められています。
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