2022.05.31 カンコーホームルーム 【Vol.196】子どもの将来の夢(2)
子どもが将来に夢や目標を持つことは、将来なりたい自分の姿をイメージして、自己実現に向けて日々取り組むことができるようになるため重要とされています。しかし、実際は将来の夢や目標を明確に持てない子どもも多いようです。では、親は子どもの将来の夢について、どれくらい知っているのでしょうか?今回は、小学・中学・高校生のいずれかの子どもを持つ親を対象に、子どもの夢の有無、子どもの夢の把握状況、学校教育の政策・動向で重要だと思うことを調査しました。
調査概要
- 調査対象:全国の小中高校生の子どもを持つ親 900人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2021年7月
1.子どもの夢の有無
子どもの将来の夢の有無について、小中高校生の子どもを持つ親の全体の回答は「持っている」(48.9%)、「持っていない」(17.7%)、「わからない」(33.4%)という結果になりました。学校別では、小学生は「持っている」(57.3%)、中学生は「持っている」(43.0%)、高校生は「持っている」(46.3%)となりました。また、中学生に関しては、小学生・高校生に比べて将来に夢を持っている子どもが少なくなり、中学生は将来に夢を「持っていない」(22.0%)という回答が2割を超え、高校生は「わからない」(38.7%)という回答が4割近くなりました。子どもの年齢が高くなるほど夢の有無の把握は難しいようです。
2.子どもの夢の把握状況
子どもが将来に夢を「持っている」と回答した親で、子どもの将来の夢が何か知っているという回答は、全体では「知っている」(92.3%)でした。学校別では、小学生は「知っている」(95.9%)、中学生は「知っている」(86.0%)、高校生は「知っている」(93.5%)という結果になり、子どもの夢の有無を把握している親の多くはその夢の内容まで把握していることがわかりました。
3.学校教育の政策・動向で重要だと思うこと
小中高校生の子どもを持つ親が学校教育の政策・動向で重要と思う内容は、「外国語教育」(50.7%)が最も多く、続いて「いじめ・不登校対策」(34.7%)、「道徳教育」(33.1%)、「ICTの活用」(30.3%)、「学校の危機管理(事件・事故・災害対応)」(22.0%)といった教育内容や危機管理などが上位でした。また、持続可能な社会づくりのための「SDGs教育」(16.9%)や、性の多様性への配慮として「LGBTQ(性的マイノリティ)への配慮」(12.4%)、IQ(知能指数)のような数値で測る学力ではなく、目には見えない「非認知能力の育成」(8.6%)、共生社会の形成に向けた「インクルーシブ教育」(5.1%)という21世紀型教育を重要視する回答もありました。
2020年から続くコロナ禍において、思うように行動や勉強ができない日々が続き、学校行事・体験学習の自粛など、子どもたちを取り巻く教育環境は変化しています。このような時代を背景に、将来に対して夢や希望を持てない子どもは一定数いるようです。
今回、全国の小中高校生の子どもを持つ親900人を対象に、自身の子どもの将来の夢の有無について調査したところ、小学生は「持っている」(57.3%)、中学生は「持っている」(43.0%)、高校生は「持っている」(46.3%)という結果となり、将来に夢を「持っている」という小中高校生は全体では約5割でした。一方、子どもが中学生の場合でみると、将来に夢を「持っていない」(22.0%)という回答が2割を超え、将来に夢を持てない中学生は5人に1人いるという状況でした。さらに、子どもの将来の夢が何か知っているという親は、小学生は「知っている」(95.9%)、中学生は「知っている」(86.0%)、高校生は「知っている」(93.5%)という結果から、子どもの夢の有無を把握している親の多くはその夢の内容までを把握していることがわかりました。また、小中高校生の子どもを持つ親が学校教育の政策・動向で重要と思う内容は、「外国語教育」、「いじめ・不登校対策」、「道徳教育」、「ICTの活用」、「学校の危機管理(事件・事故・災害対応)」などの教育内容や危機管理などが上位でしたが、21世紀型教育や社会通念である「SDGs教育」、「LGBTQ(性的マイノリティ)への配慮」、「非認知能力の育成」、「インクルーシブ教育」を重要だとする回答もみられました。
子どもにとって「将来の夢」は、身近な大人や普段の生活、学校教育など様々な情報や人との関わりから芽生え育つものです。そのためには、家庭や学校だけではなく、地域や企業など社会全体で、子どもたちが未来を描けるような教育環境や体験機会の創出が求められています。
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