2021.11.30 カンコーホームルーム 【Vol.190】高校生が考える「学校制服の必要性」
日本中のどこでも当たり前のように目にする風景に「学校制服」があります。時代の変遷とともにデザインや機能など変化している学校制服ですが、実際に学校制服を着る立場の高校生たちは学校制服の必要性について、どのように感じているのでしょうか?今回は、全国の高校に通う1年生~3年生の男女1,099人を対象に、学校制服の良い点、学校制服の必要性とその理由について調査しました。
調査概要
- 調査対象:全国の高校生の男女 1,099人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2021年6月
1.学校制服の良い点
高校生が思う学校制服の良い点は、「毎日の服装に悩まなくていい」(58.3%)、「学生らしく見える」(56.0%)という回答が半数を上回りました。続いて、「どこの学校か一目でわかる」(34.8%)、「服装による個人差がでなくていい(平等である)」(30.9%)、「冠婚葬祭にも着られる」(29.3%)、「きちんとした気分になる」(25.9%)、「公私のけじめがつく」(23.9%)など、利便性や学生らしさ、気分の切り替えができるなどの理由があげられました。さらに、「日本が誇れるファッション文化である」(13.6%)、1着の服を長く着ることで、沢山の資源を使ったり服をゴミとして捨てたりしなくて済むので「地球環境に貢献できる」(7.2%)というグローバルな視点での回答もみられました。
2.学校制服の必要性
学校制服の必要性は、全体では「あったほうがいい」(40.4%)と「どちらかと言えば、あったほうがいい」(38.9%)をあわせると、約8割の高校生が学校制服は必要だと回答しています。男女別では、男子の「あったほうがいい」(33.1%)に比べて、女子は「あったほうがいい」(47.5%)という回答が10ポイント以上高くなる傾向が見られました。また、学校制服を着ている制服着用者と、着ていない制服非着用者の比較では、制服着用者の「あったほうがいい」(45.5%)という回答に対して、制服非着用者は「あったほうがいい」(16.8%)という回答が低くなり、大きな差がみられました。しかし、今現在、学校制服を着用していない制服非着用者も学校制服が「あったほうがいい」(16.8%)と「どちらかと言えば、あったほうがいい」(36.2%)をあわせると半数以上が学校制服は必要だと回答しています。
3.学校制服の必要有無の理由
学校制服があったほうがいい理由は、「服装に悩まなくていいから。」、「その学校の学生であるという自覚が持てるから。」、「制服だと勉強する気が起きるから。」、「服を何枚も買わなくてよくて、経済的だから。」、「日本の誇れる文化だと思う。」など、学校制服の良い点であげられた利便性や気分の切り替え、経済面や環境面でのメリットがあげられました。また、学校制服がないほうがいい理由は、「個性が出ない。」、「ダサいから。」、「束縛されている感じがあるから。」、「自分のスタイルでいたいから。」、「スカートが嫌な人などが可哀想。LGBTの人もいるから。」といった個性が出せないことや見た目のファッション性などの不満があげられました。
日本の学校制服の歴史は、明治時代に学習院で「詰襟(学ラン)」が取り入れられ、その数年後、ヨーロッパの文化の影響を受けて東京師範学校女子部で洋装(スカート)の制服が導入。大正時代には、「セーラー服」が採用されるなど、その後も、昭和・平成・令和と日本独自の制服文化が発展しています。
今回、全国の高校生の男女1,099人を対象に学校制服の良い点を調べた結果、「毎日の服装に悩まなくていい」(58.3%)、「学生らしく見える」(56.0%)、「どこの学校か一目でわかる」(34.8%)、「服装による個人差がでなくていい(平等である)」(30.9%)、「冠婚葬祭にも着られる」(29.3%)、「きちんとした気分になる」(25.9%)、「公私のけじめがつく」(23.9%)などが良い点としてあげられました。学校制服の必要性は、約8割の高校生が学校制服は必要だと回答し、さらに女子は「あったほうがいい」(47.5%)と「どちらかと言えば、あったほうがいい」(38.9%)をあわせると、女子の86.4%が学校制服を必要と回答しています。学校制服があったほうがいい理由は、学校制服の良い点と共通した内容があげられました。一方で、個性が出せないことや見た目のファッション性などの不満から、学校制服はないほうがいいという声も少数ではありますがみられました。
賛否はあるものの、高校生の多くが「学校制服は必要だ」と考えているようです。令和の時代になって、学校制服は、従来の利便性や機能性や経済性などの価値に加えて、「日本が誇れるファッション文化である」、「地球環境に貢献できる」という新たな視点が加わっています。そして今後は、「自分らしさ」を表現できる学校制服が求められています。
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