2020.11.24 カンコーホームルーム 【Vol.178】「いじめの把握と対応状況」

fig_178_illust.jpg

SNSなどを用いたいじめについては、外部から見えにくい・匿名性が高いなどの性質を有するため、いじめの実態を学校や保護者が認知しきれていない場合もあるようです。では、自分の子どもがいじめの被害にあったときに、保護者はどのような対応をしているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校の子どもを持つ母親1,200人を対象にお子様の学校のいじめの有無、いじめの相談を受けた経験、いじめ被害にあった時の行動について調査しました。

調査概要

  • 調査対象:全国の中学・高校の子どもを持つ母親1,200人
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 実施時期:2020年11月

1.学校のいじめの有無

お子様の通う学校のいじめの有無は、高等学校「ある」(10.7%)、中学校「ある」(16.0%)という状況で、高校に比べて、中学校でのいじめが多いようです。また、いじめの有無が「わからない」という回答は6割を超えています。

fig_178_01.jpg

【図1】 お子様の通う学校で、いじめはありますか。(単数回答)

2.いじめの相談を受けた経験

お子様からいじめの相談を受けた経験は、女子「ある」(17.8%)、男子「ある」(15.5%)という結果で、お子様の性別による違いはほとんどないようです。

fig_178_02.jpg

【図2】 お子様から、いじめの相談を受けた経験がありますか。(単数回答)

3.いじめ被害にあった時の行動

お子様が、いじめ被害にあった時の保護者の対応は、「学校に相談する」(80.7%)が圧倒的に多く、「家族に相談をする」(43.8%)、「スクールカウンセラーに相談する」(26.0%)、「友人に相談する」(25.4%)、「いじめ相談窓口に相談する」(18.2%)という結果になりました。

fig_178_03.jpg

【表3】 お子様が、いじめ被害にあった時には、どのような行動をとりますか。(複数回答)

子どもたちをいじめから守るため、2013年に「いじめ防止対策推進法」が施行されました。しかし、法律が定められた後でも、いじめは止まず、文部科学省の発表によると、小中高校などにおける2019年度のいじめの認知(発生)件数は、61万2,496件と1985年度の調査開始以来、過去最多を更新しています。
今回、全国の中学・高校の子どもを持つ母親を対象に、いじめの実態を調査したところ、お子様の通う学校のいじめの有無は、高等学校「ある」(10.7%)、中学校「ある」(16.0%)という結果でしたが、実際はいじめの有無が「わからない」という回答は6割を超え、お子様の学校でのいじめの実態を把握できていない保護者が多いようです。お子様からいじめの相談を受けた経験の有無は、女子「ある」(17.8%)、男子「ある」(15.5%)という結果で、男女の差は見られませんでした。お子様が、いじめ被害にあった時の保護者の対応は、「学校に相談する」(80.7%)、「家族に相談をする」(43.8%)、「スクールカウンセラーに相談する」(26.0%)、「友人に相談する」(25.4%)、「いじめ相談窓口に相談する」(18.2%)という状況で、まずは学校に相談する保護者が多いようです。
いじめの被害者になったとき、保護者に心配をさせたくないからと、相談をしない・できない子どもが多いと言われています。私たち大人はそんな子どもたちの兆しを見逃さず、適切な行動を取り、いじめ問題を学校や家庭だけではなく、社会全体で解決していくことが求められています。

pdf_b.png 当サイトのPDFをご覧にいただくには、最新のAdobe Readerが必要です。こちらのバナーよりご用意ください。

fig_218_illust.jpg

【Vol.218】高校生の自転車通学時のヘルメット着用状況

2024.03.26 カンコーホームルーム 改正道路交通法の施行により、2023年4月1日から年齢にかかわらず自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されました。努力義務とは、「ヘルメット着用に努めなければならない」というものであって義務ではないため、ヘルメットを着用しなくても違反に対する罰則は定められてはいません。では、高校生の自転車通学時のヘルメット着用はどのような状況なのでしょうか?今回は、全国の高校生を対象に、自転車乗車時のヘルメット着用の努力義務化の認知状況、ヘルメット着用の有無、ヘルメット着用時に気にすることを調査しました。

fig_217_illust.jpg

【Vol.217】卒業後の制服とエコ意識

2024.02.27 カンコーホームルーム 卒業式が終わると、卒業生は制服を着ることがなくなります。制服は学生生活の長い時間を共に過ごした思い出が詰まった服なので、着る機会がなくなっても手放すことを躊躇する人も少なくないようです。では、卒業後の着なくなった制服はどのようにしているのでしょうか?今回は、全国の高校生を対象に、中学校で着用していた制服タイプ、卒業後の制服、制服を通じたエコ意識について調査しました。

  • fig_216_illust.jpg

    【Vol.216】中高生の着用制服と着たい制服タイプ

    2024.01.30 カンコーホームルーム 学校制服は、スクールアイデンティティ(SI)を表現し、生徒が着たくなるデザインや快適性、長時間着続けても耐久性に優れ丈夫でお手入れが簡単にできるものなど、時代とともに進化しています。そして、詰襟、セーラー服、ブレザー、スーツなど、様々なタイプがあります。では現在、中高生はどのようなタイプの学校制服を着ているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校に通う男女1,200人を対象に、着用している制服のタイプ、着たい制服のタイプとその理由について調査しました。
  • fig_215_illust.jpg

    【Vol.215】中高生が考える「学校制服の必要性」

    2023.12.26 カンコーホームルーム 受験・進学のときに気になることの1つに学校制服があります。学校制服は、学校毎にデザインや色・形・生地・仕様などが異なり、「憧れの○○学校の制服」や「あの制服を着たいから、この学校を受験する」という声もあるほどに中高生にとって関心の高いアイテムのようです。では現在、制服を着ている中高生は学校制服について、どのように思っているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校に通う男女1,200人を対象に、学校制服の必要性、学校制服の良い点や必要だと思うことについて調査しました。
  • fig_214_illust.jpg

    【Vol.214】女子中高生の制服アイテムへの着用意向

    2023.11.28 カンコーホームルーム 近年、ジェンダーレス制服として、女子生徒の制服に「スラックス」を導入する学校が増えています。女子制服のパンツスタイル(スラックス)は、1990年代から冬の寒さ対策や自転車通学に適しているという理由から学校制服に採用されていましたが、現在は防寒対策・自転車通学以外の利点なども注目されています。では、女子中高生自身は女子制服のパンツスタイル(スラックス)をどのように感じているのでしょうか?今回は、全国の女子中学・高校生600人を対象に女子制服のパンツスタイル(スラックス)の印象、スカートとパンツスタイル(スラックス)の着用意向、リボンとネクタイの着用意向について調査しました。