2020.10.27 カンコーホームルーム 【Vol.177】「オンライン授業の評価」
Society 5.0 時代を生きる子どもたちにとって、オンライン授業は新しい日常が急に訪れたようなものです。それは学校にとっても急激な社会変化であり、今や、社会のあらゆる場所で ICT の活用が広がっています。では、学校でのICTの活用はどのようになっているのでしょうか?今回は、全国の小中高校の教員を対象に、オンライン授業の実施経験の有無、教師が思うオンライン授業の評価とその理由について調査しました。
調査概要
- 調査対象:全国の小中高校の教員300人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2020年7月
1.オンライン授業の実施経験の有無
小中高校の教員のオンライン授業を実施した経験は、「ある」(18.3%)に対し、「ない」(81.7%)という回答が圧倒的に多いという結果になりました。
2.オンライン授業の評価
オンライン授業について、「とても良いと思う」(15.0%)と「やや良いと思う」(46.7%)をあわせると約6割が良いと回答し、良いイメージを持っているようです。
3.オンライン授業の評価の理由
オンライン授業の賛否については、良い点は、「これからの時代の新しい形だと思う」、「コロナ対策をしつつ、授業を行える」、「不登校児童も参加できる」、「映像で見たり聞いたり出来るのは理解しやすいと思う」、「新しい教育の可能性が広がる」といった感染対策だけではなく、教育環境としての利便性があげられています。一方、良くない点としては、「中学校での多人数授業には向かない」、「小学生では、学習に集中することは困難」、「ICT環境のない家庭がある」、「一方通行になってしまう」、「対面でしか出来ないこともある」、「子どもたち同士のつながりが少なくなる」など、学校の教室とは違う場所での問題点があげられました。
文部科学省が推進するGIGAスクール構想は、義務教育を受ける児童生徒のために、1人1台の学習者用PCと高速ネットワーク環境などを整備し、教育におけるICTを基盤とした先端技術等の効果的な活用が期待されています。しかし、学校・家庭のICT環境の整備も十分とは言えず、課題も多いようです。
今回、全国の小中高校の教員300人を対象に、学校教育におけるオンライン授業の実施状況を調査したところ、2020年7月時点で、オンライン授業を実施した経験は、「ある」(18.3%)、「ない」(81.7%)という状況で、オンライン授業の実施は少ないということがわかりました。その一方で、オンライン授業については、「とても良いと思う」(15.0%)と「やや良いと思う」(46.7%)をあわせると約6割が良いと評価しています。自身はオンライン授業を実施した経験がなくとも、肯定派が多いようです。オンライン授業のメリットは、「感染のリスクを防げる」、「コロナ対策をしつつ、授業を行える」といった感染対策の観点以外にも、「不登校児童も参加できる」、「映像で見たり聞いたり出来るのは理解しやすいと思う」、「新しい教育の可能性が広がる」といった新時代の教育への期待・効果が伺えました。デメリットとしては、「ICT環境のない家庭がある」など教育格差を心配する声や、「一方通行になってしまう」、「中学校での多人数授業には向かない」、「小学生では、学習に集中することは困難」など教室とは違う環境で、大勢で学習を進める困難さや学齢などによる対応の難しさなどが顕在化しました。
学校教育は、子どもたちに平等に与えられるものでなくてはなりません。社会は変化し、これからの学校教育の在り方も劇的に変わることが予測されています。その中で、子どもたちを取り残さない学校教育が求めれています。
【Vol.226】学校行事と「学校制服の必要性」
2024.11.26 カンコーホームルーム 学校行事において卒業式・入学式は学校生活の節目となり、保護者が参加する学校行事の1つです。そして、保護者は母親や父親のどちらか1人だけが参加するのでなく、両親が揃って式典に出席したり、祖父母や兄弟姉妹、親戚が参加したりするケースもみられます。では、中学・高校の卒業式・入学式の保護者の出席者はどのような状況でしょうか?今回は、中学・高校に勤務する教師800人を対象に、卒業式・入学式の出席者の状況、学校制服があるとよいときについて調査しました。
【Vol.225】学校制服の購入方法の変化
2024.10.29 カンコーホームルーム 新入学準備として制服購入を検討し始める時期になりました。制服の購入方法は、生徒と保護者が学校や販売店などに赴いて、採寸・試着を行う方法が一般的でした。しかし、ここ数年は、インターネットの普及やデジタル化が浸透し、人工知能(AI)技術の発達も加わり、学校制服の採寸や買い方が変化しています。では、最近の制服はどのように購入されているのでしょうか?今回は、中学・高校生の子どもを持つ親1,200人を対象に、デジタル採寸※の認知・利用意向、制服の試着・採寸の必要性、新入学時の制服購入場所の利用意向について調査しました。
-
【Vol.224】学校行事の変化と意識
2024.09.24 カンコーホームルーム 二学期は、文化祭や運動会・体育祭、遠足・校外学習、職場体験、修学旅行などの学校行事を予定している学校も多いようです。現在、学校では、新型コロナウイルス感染症の位置づけが2023年5月8日から季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行して1年以上が経過し、学校行事も平常通り行われることが増えています。では、学校行事はコロナ禍※以前と変わらずに行われているのでしょうか?今回は、小学・中学・高校生の子どもを持つ親と小学・中学・高校の教師をあわせた3,000人を対象に、学校行事の変化、コロナ禍のときに中止や自粛になった学校行事、大切だと思う学校行事について調査しました。 -
【Vol.223】親が思う子どもの夏休みの必要性
2024.08.27 カンコーホームルーム 8月下旬になると長い夏休みが終わって、通学する子どもの姿を目にするようになります。学校の夏休みは、地域や学校によって開始時期や終了時期、日数には違いがありますが、30日~40日程度の長い期間を夏休みとしている学校が多いようです。では、小中高生の子どもを持つ親は夏休みについて、どのように思っているのでしょうか?今回は、夏休みに入る7月に小学・中学・高校生の子どもを持つ親を対象に、夏休みの必要性とその理由、子どもの夏休みの予定を調査しました。 -
【Vol.222】制服の成長機能の利用状況
2024.07.30 カンコーホームルーム 小学校高学年から中学校の期間は、子どもの「成長期」にあたり成長が著しい時期でもあります。このことから中学校の入学時に着ていた制服を秋になって着ようとしたら、小さくなっていて(子どもが成長して大きくなって)着られなくなったということもあるようです。そのようなサイズアウトを少なくするために、成長を予測して入学時には少し大きめの制服を購入したり、『成長機能』※が備わった制服を選んだりするなどの対策があります。では、『成長機能』が付いた制服を利用している中学生はどれほどいるのでしょうか?今回は、高校1年生の子どもを持つ保護者に、中学校でお子様が着用していた制服のタイプ、制服の成長機能の有無と内容、中学校での成長機能の使用状況について調査しました。 ※成長機能とは、成長に対応してサイズアップができる制服の仕様・機能です。