2020.09.29 カンコーホームルーム 【Vol.176】「小学校の工場見学」
社会科学習の中でも「工場見学」は、普段見ることができない工場内での製造過程を実際に見たり体験できたりすることで、子どもたちに人気の体験学習の1つです。しかし、今年度は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、やむなく工場見学を中止する学校が多いようです。では、工場見学を中止した学校はどのような代替学習を行っているのでしょうか?今回は、全国の小学校の教員100人を対象に今年度の工場見学の実施状況・予定、工場見学の代わりの学習内容、工場見学で学んでほしいことについて調査しました。
調査概要
- 調査対象:全国の小学校の教員100人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2020年7月
1.今年度の工場見学の実施状況・予定
小学校の工場見学の実施状況・予定については、「いままで行っていて、今年度も実施予定(実施した)」(12.0%)に対し、「いままで行っていたが、今年度は中止予定(実施しない)」(76.0%)という回答が圧倒的に多く、いままで工場見学を実施していた小学校の中止が目立ちます。
2.工場見学の代わりの学習内容
いままで工場見学を行っていた小学校が工場見学の代わりに、今年度、実施予定(実施した)学習の内容は、「特に決めていない」(48.8%)という小学校が多いようです。代替学習としては、「企業提供の工場の写真・資料などを使って学習する」(23.3%)、「教師が企業の取り組みや工場の内容を伝えて学習する」(23.3%)、「企業提供の工場動画を見て学習する」(16.3%)、「企業の人に出張授業に来てもらって学習する」(9.3%)という回答がみられました。
3.工場見学で学んでほしいこと
工場見学で子どもたちに学んでほしいことは、「ものをつくる過程と働く大変さ」、「製造現場の努力や工夫と、生活場面でみる製品をつなぐこと」、「安心、安全な製品を届けるために企業やそこに勤める人がしている工夫や努力」、「住んでいる地域にどのような企業があるのか」といった“ものづくり”の工程や働く人や地元企業の存在などがあげられました。
社会科学習の進め方としては、①事前学習、②当日の工場見学、③事後学習などで展開されます。しかし、現在は②当日の工場見学の実施は難しい状況が続いています。
今回、全国の小学校の教員100人を対象に、今年度の工場見学の実施状況・予定を調査したところ、「いままで行っていたが、今年度は中止予定(実施しない)」(76.0%)という回答が圧倒的に多く、2020年7月時点では、工場見学の代わりの学習内容を「特に決めていない」(48.8%)という回答が多く半数を占めました。工場見学の代替学習としては、「企業提供の工場の写真・資料などを使って学習する」(23.3%)、「教師が企業の取り組みや工場の内容を伝えて学習する」(23.3%)、「企業提供の工場動画を見て学習する」(16.3%)、「企業の人に出張授業に来てもらって学習する」(9.3%)など、学校と企業が連携して学びを止めない取り組みがみられます。そのような中で、教師が工場見学で子どもたちに学んでほしいことは、「ものをつくる過程と働く大変さ」、「住んでいる地域にどのような企業があるのか」といった“ものづくり”の工程や働く人や地元企業の存在などがあげられています。
子どもたちが社会を知り学ぶことは、未来を生きる子どもたちがよりよい社会を築いていくための基礎づくりに有益です。現地に行くという工場見学ができない中でも、企業による工場見学DVDの貸し出しや、リモート工場見学など、withコロナ時代の新しい体験学習の取り組みが期待されています。
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