2018.12.25 カンコーホームルーム 【Vol.155】 「自己肯定感と自己評価の関係」
日本の子どもは自己肯定感が低いと言われています。自己肯定感とは、「自分は大切な存在だ」、「自分はかけがえのない存在だ」と思える心の状態で、自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情を意味する言葉です。では、中高生は自分のことをどれほど肯定的に捉えているのでしょうか。今回は、自分自身の自信の有無と、外見と内面のそれぞれの自己評価について調査しました。
調査概要
- 調査対象:全国の中高校生の男女 437人
- 調査方法:郵送調査
- 実施時期:2018年7月
1.自信の有無
中高生に自分自身の自信の有無を聞いたところ、「ある」(6.6%)、「どちらかと言えばある」(35.2%)を合わせると約4割があるという回答でした。「どちらかと言えばない」(43.5%)が最も多く、自分自身に自信がないという中高生の割合が多いです。
2.自分の外見に対する評価
自分の外見(容姿・体型)については、男女全体では「良いと思う」(5.7%)、「どちらかと言えば良いと思う」(45.3%)という回答を合わせると、約半数が自分の外見は良いと評価しています。男女別でみると、男子は「良いと思う」(5.8%)、「どちらかと言えば良いと思う」(51.5%)を合わせると57.3%が良いと評価しているのに対し、女子は「良いと思う」(5.6%)、「どちらかと言えば良いと思う」(39.8%)を合わせると45.4%であり、男子に比べて女子は自分の外見に自信がないという中高生が多いという結果になりました。
3.自分の内面に対する評価
自分の内面(性格・人間性)については、男女全体では「良いと思う」(10.5%)、「どちらかと言えば良いと思う」(59.5%)という回答を合わせると、約7割が自分の内面は良いと評価しています。男女別でみると、男子は「良いと思う」(11.2%)、「どちらかと言えば良いと思う」(62.6%)を合わせると73.8%が良いと評価しています。女子は「良いと思う」(10.0%)、「どちらかと言えば良いと思う」(56.7%)を合わせると66.7%であり、男子に比べてやや低いですが女子も半数以上が自分の内面に自信を持っているという結果になりました。
自己肯定感が高い子どもとは、自分に対する肯定的な意識を持つことで、「自分が価値のある存在である」と感じ、様々な物事に取り組む意欲が高いことが特徴としてあげられます。
今回、全国の中高校生を対象に調査をしたところ、自分自身に自信が「ある」(6.6%)、「どちらかと言えばある」(35.2%)という中高生は約4割で、自分自身に自信がない中高生の割合が多いという結果になりました。その要因として、自分自身の外見と内面それぞれの評価結果をみると、自分の外見(容姿・体型)については、男女全体では「良いと思う」(5.7%)、「どちらかと言えば良いと思う」(45.3%)という回答を合わせると、約半数が自分の外見は良いと評価していますが、男子は「良いと思う」「どちらかと言えば良いと思う」を合わせると57.3%が良いと評価しているのに対し、女子は「良いと思う」「どちらかと言えば良いと思う」を合わせると45.4%と、女子は自分の外見にコンプレックスを持っている中高生が多いことがうかがえます。一方、自分の内面(性格・人間性)については、男女全体では「良いと思う」(10.5%)、「どちらかと言えば良いと思う」(59.5%)という回答を合わせると、約7割が自分の内面は良いと評価しています。男女別においても、男子は「良いと思う」「どちらかと言えば良いと思う」を合わせると73.8%が良いと評価し、女子は「良いと思う」「どちらかと言えば良いと思う」を合わせると66.7%であり、男子に比べてやや低いですが女子も半数以上が自分の内面に自信を持っているということがわかりました。自分自身の評価は、外見や学力・運動能力など目に見えることで評価してしまいがちですが、思いやりの気持ちや諦めない力など目に見えない力(非認知的能力)も自分自身を磨き、自分に自信を持つ力になります。
自己肯定感は、幼少期の生活・教育環境によって大きく左右されると考えられていることから、教育上の重要な要素だと考えられています。自己肯定感を高め、自らの手で未来を切り拓くことのできる子どもを育む教育の実現に向けた、学校、家庭、地域の教育力の向上が求められています。
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