2018.09.25 カンコーホームルーム 【Vol.152】 「キャリア教育と伸ばしたい力」
キャリア教育は、一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通じて、キャリア発達を促す教育として、全国の小中高校で実施されています。では、子どもたちは学生時代にどのような力を伸ばしたいと思っているのでしょうか?今回は、中高生を対象に、キャリア教育の認知度や、悩んでいること、これから伸ばしたい力について調査しました。
調査概要
- 調査対象:全国の中高校生の男女 437人
- 調査方法:郵送調査
- 実施時期:2018年7月
1.キャリア教育の浸透度
中高生のキャリア教育の認識は、「知っている」(7.3%)、「知らない」(92.7%)という結果で9割以上がキャリア教育という言葉を知らないと回答していました。「知っている」と回答した中高生にキャリア教育の内容について聞いたところ、「言葉しか知らない」、「仕事を教える職業教育」、「将来の職業につながる知識や技能を学ぶこと」、「将来の進路を学ぶ教育」といった職業や進路を意識した教育という認識を持っていました。
2.今、悩んでいること
中高生が悩んでいることは、「勉強や成績」(52.4%)が最も多く、次に「進路について」(44.9%)が多いという結果になりました。また、「友達関係」(13.7%)、「自分の健康」(8.9%)、「学校の先生との関係」(7.1%)、「家族のこと」(5.3%)、「先輩・後輩との関係」(5.0%)、「異性のこと」(2.1%)など、自分自身のこと以外に、周囲との人間関係などを悩んでいました。
3.これから伸ばしたい力
中高生がこれから伸ばしたいと思う力は、「コミュニケーション力」(61.1%)が圧倒的に多くあげられました。続いて、「行動力」(41.4%)、「決断力」(40.3%)、「やり抜く力」(38.7%)、「表現力」(37.1%)、「思考力」(35.7%)、「忍耐力」(33.6%)など、非認知的な能力を伸ばしたいという回答が多くみられました。
キャリアとは、人生そのものの「ライフ・キャリア」と、職業に直結する「ジョブ・キャリア」の2つに大別することができます。現在、この2つを包括したキャリア教育が学校・地域・行政・企業が連携し、多くの中学・高校で実施されていますが、中高生の間では「キャリア教育」という言葉は浸透されていないようです。
今回、全国の中高校生を対象に、キャリア教育という言葉を知っているか尋ねたところ、「知っている」(7.3%)、「知らない」(92.7%)という結果となり、キャリア教育という言葉を知らない中高生が多いことがわかりました。また、「知っている」と回答していても、「言葉しか知らない」、「仕事を教える職業教育」など、キャリア教育の本質が理解されていない状況もうかがえます。その中高生が現在悩んでいることは、「勉強や成績」(52.4%)の次に「進路について」(44.9%)が多く、進路について学ぶキャリア教育の重要性は明らかです。中高生がこれから伸ばしたいと思う力は、「コミュニケーション力」(61.1%)、「行動力」(41.4%)、「決断力」(40.3%)、「やり抜く力」(38.7%)、「表現力」(37.1%)、「思考力」(35.7%)、「忍耐力」(33.6%)など、非認知的な能力があげられました。
子どもたち自身が伸ばしたい力の1位の「コミュニケーション力」は、社会に出てからも重要な力です。子ども自身がキャリア教育を通じて、自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付け、子どもの様々な力を伸ばすことが求められています。
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