2017.07.25 カンコーホームルーム 【Vol.138】 「キャリア教育の課題」
近年、未来を担う子どもの資質・能力の育成に向けて、「キャリア教育」への期待が高まっています。では、学校ではどのようなキャリア教育が行われているのでしょうか?全国の中学校・高等学校の教員を対象に、キャリア教育の企画・運営と実施内容、キャリア教育の実施の困り事・負担について調査しました。
調査概要
- 調査対象:全国の中学校・高等学校 629校
- 調査方法:郵送アンケートリサーチ
- 実施時期:2017年4~5月
1.キャリア教育の企画・運営担当
キャリア教育の企画・運営は、「教諭」(46.7%)、「主任教諭」(24.5%)が主な担当となることが多いようです。「校長・副校長・教頭・学長・理事長」(4.5%)が、キャリア教育の企画・運営を担当するケースも少数ですがあるようです。「その他」(5.9%)では、就職指導、進路指導、全教員、キャリア教育の専任者などという回答がみられました。
2.キャリア教育の実施内容
中学校・高等学校のキャリア教育の実施内容は、「職場見学・体験(インターンシップ)」(77.6%)、「卒業生・外部講師による講話・講演会」(72.0%)、「職業調べ」(70.7%)が7割を超えています。また、「お祭りや伝統芸能などの地域行事への参加」(28.6%)、「地域・街の探索」(15.3%)といった地域連携や「産学連携(企業との取り組み)」(9.4%)といった学校の中だけに留まらない幅広いキャリア教育が実施されているようです。
3.キャリア教育の実施の困り事・負担
キャリア教育の実施で、困っていることや負担に感じていることは、「授業時間の確保・調整」(51.0%)、「職場見学・体験(インターンシップ)の受入れ企業の選定」(44.7%)、「予算の確保・調整」(32.8%)、「出張授業・講演会を行う外部講師・企業の選定」(28.6%)、「授業準備・進め方」(27.5%)、「キャリア教育プログラムの開発」(25.8%)が多いようです。
キャリア教育の実践・推進は、授業時間や予算の確保・調整、地域・企業・家庭との連携、生徒の学習意欲の維持・向上、教育成果の評価などの課題は多いようです。
今回、全国の中学校・高等学校の教員を対象にキャリア教育の課題について調査したところ、キャリア教育の企画・運営は、「教諭」(46.7%)、「主任教諭」(24.5%)が主な担当となって牽引しているようです。キャリア教育の実施内容は、「職場見学・体験(インターンシップ)」(77.6%)、「卒業生・外部講師による講話・講演会」(72.0%)、「職業調べ」(70.7%)など職業に関することが多く、「お祭りや伝統芸能などの地域行事への参加」(28.6%)、「地域・街の探索」(15.3%)といった地域連携や「産学連携(企業との取り組み)」(9.4%)といった地域・企業との関わりも少数ですがみられました。このような取り組みの中、キャリア教育の実施についての困り事・負担は、「授業時間の確保・調整」(51.0%)、「職場見学・体験(インターンシップ)の受入れ企業の選定」(44.7%)、「予算の確保・調整」(32.8%)、「出張授業・講演会を行う外部講師・企業の選定」(28.6%)、「授業準備・進め方」(27.5%)などが上位にあげれて、キャリア教育をより充実させていくための学校と地域・企業の連携への課題がうかがえます。
キャリア教育は、生徒が社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を見に付けていくための重要な役割を担っています。学校と地域・企業をつなぐキャリア教育が必要とされています。
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