2016.09.27 カンコーホームルーム 【Vol.128】「6か国の高校生の将来の夢」

グローバル化が進む中で、日本の子どもは「夢を持っていない」や「コミュニケーション能力が低い」など、諸外国と比較してマイナスイメージを持たれることがあります。その背景には何があるのでしょうか?今回は、日本、アメリカ、イギリス、オーストラリア、韓国、中国の高校生に学校生活や将来の夢の有無について調査しました。

調査概要

  • 調査対象:日本、アメリカ、イギリス、
         オーストラリア、韓国、中国の高校生
         600人(各国100名)
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 実施時期:2016年8月

1.将来の夢の有無

将来の夢が「ある」という回答が多かった国は、中国(99.0%)、アメリカ(98.0%)で、ほとんどの高校生が将来の夢があると回答しています。日本は、他の国に比べて将来の夢を持っているという回答が最も少なく、日本(67.0%)の高校生は将来の夢が「ない」という状況が3人に1人という結果になりました。

【図1】 あなたには、将来の夢はありますか?(単数回答)

2.学校は好きか

6か国の全体平均で「好き」(33.5%)と「やや好き」(39.7%)という結果で、学校が「好き」という回答が最も多かった国では、中国(51.0%)でした。中国は「好き」(51.0%)と「やや好き」(34.0%)をあわせると、高校生の85.0%が学校は「好き」と回答しています。一方、日本は学校が「好き」(22.0%)という回答は6か国の中で最も少なく、学校が「嫌い」(12.0%)、「やや嫌い」(8.0%)をあわせると2割の高校生が学校は「嫌い」と回答しています。

【図2】 あなたは、学校が好きですか?(単数回答)

3.学校の先生を尊敬しているか

学校の先生のことを尊敬していますか?という質問では、中国(94.0%)、アメリカ(93.0%)、オーストラリア(86.0%)は80%以上が先生のことを「尊敬している」と回答していましたが、日本(34.0%)は先生のことを「尊敬している」という回答が過半数を下回る結果となりました。

【図3】 あなたは、学校の先生のことを尊敬していますか?(単数回答)

4.日本人の印象

日本人にどのような印象を持っているかという問いに対しては、「礼儀正しい」(44.2%)が最も多く、次に「頭がいい」(34.7%)、「まじめ」(33.8%)、「謙虚」(32.3%)、「おとなしい」(32.3%)、「親切」(32.0%)、「勤勉」(29.7%)の順となっています。特に悪い印象はないものの、「謙虚」や「おとなしい」といった印象から、日本人は主体性がない(受け身である)ように見られる傾向がうかがえます。

【図4】 あなたは、日本人にどのような印象をもっていますか?(複数回答)

社会環境が加速度的に変化し、未来社会を予測することが難しいと言われる中で、将来やりたいことや就きたい仕事が見つからず、進路が決まらないという高校生は少なくないようです。
日本、アメリカ、イギリス、オーストラリア、韓国、中国の高校生を比較した調査によると、日本の高校生の3人に1人(33.0%)は、将来の夢がないと回答しています。日本の高校生は、諸外国の高校生に比べて、将来の夢を持っている割合が最も低いという結果になりました。その背景として、日本の高校生は「学校が好き」という回答が低く、6か国の全体平均で「好き」(33.5%)と「やや好き」(39.7%)をあわせると、7割以上の高校生が学校は「好き」と回答しているに対し、日本の高校生は「好き」(22.0%)と「やや好き」(36.0%)をあわせても6割に満たない状態でした。「学校の先生を尊敬している」という回答も、中国(94.0%)、アメリカ(93.0%)、オーストラリア(86.0%)は80%以上でしたが、日本(34.0%)は半数以下という結果となり、日本は諸外国と比較して「学校が好きではない」と「学校の先生を尊敬していない」という高校生の多さが目立ちました。また、日本人は「謙虚」や「おとなしい」といった印象から、主体性がなく、コミュニケーションが不足しているように見られているようです。
子どもは良くも悪くも周囲の影響を受けて育ちます。子どもが将来の夢を持てるようにするためには、社会的・職業的に自立できる教育・人材育成と同時に、身近な大人が子どもたちの手本となることも重要です。

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