2015.12.25 カンコーホームルーム 【Vol.119】「制服のない小学校(2)」

公立小学校は入学金や授業料、教科書代などは無料ですが、学校給食費や修学旅行・遠足・見学費、PTA会費などは必要となるため、費用が全くかからないとう訳ではありません。これらの学校教育費の他、意外と費用がかかっているものとして、『子どもが学校に着て行く服代』があります。今回は、小学生の子どもを持つ親を対象に、制服のない小学校の服装事情について調査しました。

調査概要

  • 調査対象:全国の小学生の子どもを持つ親600人
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 実施時期:2015年5月

1.小学校の制服の有無

小学生の子どもを持つ親を対象に聞いた小学校の制服の有無は、「ある」(16.7%)、「ない」(83.3%)という状況となり、制服のない小学校に通っている子どものほうが多いという結果になりました。

【図1】 お子様の通う小学校には、制服はありますか?(単数回答)

2.制服のない小学校の服装

制服のない小学校に通う子どもが着用している『私服』のアイテムは、「Tシャツ」(89.4%)が最も多く、次に、「長ズボン」(72.4%)、「トレーナー」(65.5%)、「パーカー」(62.7%)、「ハープパンツ(ひざ下)」(45.1%)など、カジュアルな服装が多くなりました。

【図2】 制服のないお子様は、小学校にどのような服装で通学していますか?
1年間を通じてお子様が着用しているアイテムをすべてお答えください。(複数回答)

3.小学校が『私服』で困っている内容

『私服』で困っていることは、「成長期で、すぐに着られなくなってしまう」(43.8%)、「入学式や卒業式、冠婚葬祭用の服が別に必要になる」(31.6%)、「子どもの服代にお金がかかる」(29.6%)といった費用に関することが多くあげられました。また、服装が自由であることが起因して、「服装による差がでる」(7.2%)、「服装のことで差別や、いじめ・仲間外れが起きる」(2.2%)など、子どもの間でのトラブルを心配する声も聞かれました。

【図3】 小学校が「私服」で困っていることは、どのようなことですか?(複数回答)

入学説明会などで、入学前に用意するものや校則などの一通りの説明はありますが、制服のない小学校へ通うとなると、どのような服を子どもに着せたら良いか、服装選びに迷っている保護者の方も多いようです。
今回、小学生の子どもを持つ親を対象に小学校の制服の有無を調査したところ、制服がない小学校に通う子どもは8割以上であるという結果となり、『私服』の服装は、「Tシャツ」(89.4%)、「長ズボン」(72.4%)、「トレーナー」(65.5%)、「パーカー」(62.7%)、「ハープパンツ(ひざ下)」(45.1%)など、カジュアルな服装で通学していることがわかりました。『私服』で困っている内容は、「成長期で、すぐに着られなくなってしまう」(43.8%)、「入学式や卒業式、冠婚葬祭用の服が別に必要になる」(31.6%)、「子どもの服代にお金がかかる」(29.6%)、「毎日何を着るか悩む」(25.6%)、「洗濯やお手入れが大変」(11.2%)、「服装による差がでる」(7.2%)など、子どもが学校に着て行く服を複数買い揃えたり、買い替えしたりしなければならないという経済的な負担や、毎日の服選び、洗濯やお手入れが大変といった利便性の悪さや、家庭環境による服装の格差が生じることで、いじめや仲間外れが起きることを危惧する声もありました。
『私服』は、どのような服を着ても自由ということですが、小学校には適した服と適さない服があるのも事実です。小学校で着る服は、長い間子どもが着用することを考えて丈夫で動きやすくて着心地の良いものや、体育の授業で着替えがあるので着脱のしやすいもの、給食を食べたり休み時間に校庭で遊んだりするので汚れが目立たないもの(汚れが落ちやすいもの)などを選ぶことも、小学校では服装選びの指標になります。

pdf_b.png 当サイトのPDFをご覧にいただくには、最新のAdobe Readerが必要です。こちらのバナーよりご用意ください。

fig_218_illust.jpg

【Vol.218】高校生の自転車通学時のヘルメット着用状況

2024.03.26 カンコーホームルーム 改正道路交通法の施行により、2023年4月1日から年齢にかかわらず自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されました。努力義務とは、「ヘルメット着用に努めなければならない」というものであって義務ではないため、ヘルメットを着用しなくても違反に対する罰則は定められてはいません。では、高校生の自転車通学時のヘルメット着用はどのような状況なのでしょうか?今回は、全国の高校生を対象に、自転車乗車時のヘルメット着用の努力義務化の認知状況、ヘルメット着用の有無、ヘルメット着用時に気にすることを調査しました。

fig_217_illust.jpg

【Vol.217】卒業後の制服とエコ意識

2024.02.27 カンコーホームルーム 卒業式が終わると、卒業生は制服を着ることがなくなります。制服は学生生活の長い時間を共に過ごした思い出が詰まった服なので、着る機会がなくなっても手放すことを躊躇する人も少なくないようです。では、卒業後の着なくなった制服はどのようにしているのでしょうか?今回は、全国の高校生を対象に、中学校で着用していた制服タイプ、卒業後の制服、制服を通じたエコ意識について調査しました。

  • fig_216_illust.jpg

    【Vol.216】中高生の着用制服と着たい制服タイプ

    2024.01.30 カンコーホームルーム 学校制服は、スクールアイデンティティ(SI)を表現し、生徒が着たくなるデザインや快適性、長時間着続けても耐久性に優れ丈夫でお手入れが簡単にできるものなど、時代とともに進化しています。そして、詰襟、セーラー服、ブレザー、スーツなど、様々なタイプがあります。では現在、中高生はどのようなタイプの学校制服を着ているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校に通う男女1,200人を対象に、着用している制服のタイプ、着たい制服のタイプとその理由について調査しました。
  • fig_215_illust.jpg

    【Vol.215】中高生が考える「学校制服の必要性」

    2023.12.26 カンコーホームルーム 受験・進学のときに気になることの1つに学校制服があります。学校制服は、学校毎にデザインや色・形・生地・仕様などが異なり、「憧れの○○学校の制服」や「あの制服を着たいから、この学校を受験する」という声もあるほどに中高生にとって関心の高いアイテムのようです。では現在、制服を着ている中高生は学校制服について、どのように思っているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校に通う男女1,200人を対象に、学校制服の必要性、学校制服の良い点や必要だと思うことについて調査しました。
  • fig_214_illust.jpg

    【Vol.214】女子中高生の制服アイテムへの着用意向

    2023.11.28 カンコーホームルーム 近年、ジェンダーレス制服として、女子生徒の制服に「スラックス」を導入する学校が増えています。女子制服のパンツスタイル(スラックス)は、1990年代から冬の寒さ対策や自転車通学に適しているという理由から学校制服に採用されていましたが、現在は防寒対策・自転車通学以外の利点なども注目されています。では、女子中高生自身は女子制服のパンツスタイル(スラックス)をどのように感じているのでしょうか?今回は、全国の女子中学・高校生600人を対象に女子制服のパンツスタイル(スラックス)の印象、スカートとパンツスタイル(スラックス)の着用意向、リボンとネクタイの着用意向について調査しました。