2015.06.30 カンコーホームルーム 【Vol.113】「中高生のサイズ・シルエット嗜好」
制服の着崩しで多い内容は、「スカートを短くする」、「ズボンをずらして腰履きする(腰パン)」などがありますが、近年、「自分のサイズより小さいサイズのジャケットやシャツを購入したり譲り受けたりして、窮屈な制服を着る」という制服の着崩しが流行っている学校もあるようです。では、なぜこのような着崩しが流行っているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校生を対象に、制服のジャケット・スラックス・スカートについて、かっこいい・かわいいと思うサイズ・シルエットを調査しました。
調査概要
- 調査対象:中学・高校生の男女5,000人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2015年1月
1.ジャケットのサイズ・シルエット
中学・高校生が制服のジャケットのサイズ・シルエットで、かっこいい・かわいいと思う大きさは、男女全体では「ちょうどいい」(70.3%)が最も多く、次に、「やや小さめ」(15.2%)、「やや大きめ」(12.7%)となり、ジャストサイズが最も好まれています。男女別では、女子は「やや小さめ」(19.9%)という回答が約2割を占め、男子に比べて女子は小さめのサイズ・シルエットを好む傾向がみられます。
2.スラックスの太さ(男子のみ回答)
男子中学・高校生に聞いた制服のスラックスで、かっこいいと思う太さは、学年全体では「ちょうどいい」(65.8%)太さが多く、次に、「やや細め」(21.1%)、「やや太い」(10.8%)となり、男子中学・高校生の2割以上はやや細めのスラックスが良いと回答しています。学年別では、中学1・2年生は「ちょうどいい」太さが良いという回答が7割を超えているのに対し、高校3年生は「ちょうどいい」(61.8%)という回答は6割程度と少なくなり、「やや細め」(21.6%)、「やや太い」(13.9%)が良いという回答が増えています。
3.スカートの長さ(女子のみ回答)
女子中学・高校生がかわいいと思うスカートの長さは、全国平均の全体では「ひざ上5cm」(33.0%)、「ひざ中心」(32.5%)のスカート丈が人気であり、ひざが隠れる「ひざ下」(17.2%)、ふくらはぎにかかる「ひざ下5cm」(10.5%)の長めのスカート丈も3割近くの女子中学・高校生がかわいいと回答しています。地域別では、北海道は「ひざ中心」(44.0%)が最も多く、甲信越・北陸は「ひざ上5cm」(40.5%)が人気です。
文部科学省の平成26年度学校保健統計調査によると、男子の中学1年生(12歳)の平均身長は152.5cm、中学3年生(14歳)の平均身長は165.1cmとなり、男子は中学時代に平均12.6cmも身長が伸びています。このことから、男子中学生は新入学時に1~2サイズ程度大きめの制服を購入することが多いようです。今回、全国の中学・高校生を対象に実施した制服のサイズ・シルエットの嗜好調査では、制服のジャケットで中学・高校生がかっこいい・かわいいと思うサイズ・シルエットは、「ちょうどいい」(70.3%)が最も多く、次に、「やや小さめ」(15.2%)、「やや大きめ」(12.7%)となり、男子のスラックスでは、「ちょうどいい」(65.8%)が最も多く、次に、「やや細め」(21.1%)、「やや太い」(10.8%)という結果になりました。中学・高校生はジャケット・スラックス共に、「ちょうどいい」ジャストサイズを好む傾向が強く、次に「やや小さめ」「やや細め」といったスリムなサイズ・シルエットが好まれています。また、女子中学・高校生が、かわいいと思うスカートの長さは、「ひざ上5cm」(33.0%)、「ひざ中心」(32.5%)が人気で、地域によってスカート丈の嗜好にも違いがみられました。中学・高校の新入学時の制服選びの際には、「成長期だから、3年間着られるように」と、大きめのサイズを購入する場合が多いですが、現在の中学・高校生は「ちょうどいい」ジャストサイズや「やや小さめ・やや細め」といったスリムなサイズ・シルエットを好む傾向が強いことから、あまりにも大きめで身体に合っていないサイズの制服や、時代に合っていないシルエットの制服だと、中学・高校生自身が見た目を気にして、制服を着崩して着てしまう、制服の着崩しの原因にもなるようです。
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