2014.11.25 カンコーホームルーム 【Vol.106】「自転車通学の状況」

通学や休日など、中学・高校生が自転車を利用する機会は多くあります。自転車は、手軽に使える便利な交通手段として浸透していますが、自転車が関与した交通事故も多発しています。今回は、全国の自転車通学をしている中学・高校生を対象に、自転車に乗っていてヒヤッとした経験や、自転車通学で困っていることを調査しました。

調査概要

  • 調査対象:全国の自転車通学をしている
         中学・高校生の男女219人
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 実施時期:2014年7月

1.自転車でヒヤッとした経験の有無

自転車に乗っていてヒヤッとした(危ないと思った)経験が「ある」(79.9%)という中学・高校生は多く、約8割が自転車通学中に危ない体験をしていました。

【図1】 自転車に乗っていて、
ヒヤッとした(危ないと思った)経験はありますか?(単数回答)

2.自転車でヒヤッとした内容

自転車に乗っていてヒヤッとした(危ないと思った)内容は、「自転車同士でぶつかりそうになった」、「狭い道路で車に接触しそうになった」、「お年寄りにぶつかりそうになった」など、いずれも重大な交通事故となる寸前が多く見られました。また、「雨が降っていて路面が濡れて滑って転んだ」、「縁石に乗り上げた」という天候や道路状態などの悪さによる事故も起きていました。

【表1】 自転車に乗っていてヒヤッとした(危ないと思った)ことは、
どのようなことですか?(自由回答)

3.自転車通学で困っていること

中学・高校生が自転車通学で困っていることは、「雨」(93.2%)が最も多く、次に「雪」(52.5%)、「風」(50.2%)、「暑い」(44.3%)、「寒い」(32.4%)といった天候に関することが上位にあげられました。また、「車の通行量が多い」(29.2%)、「夜道での車や人との接触事故」(14.6%)といった交通事情・事故なども困っていました。

【図2】 自転車で通学をしていて困っていることは、
どのようなことですか?(複数回答)

警視庁の発表によると、交通事故全体に占める自転車事故件数の割合は、ここ数年2割程度と高い水準で推移し、中学・高校生が関与する事故も少なくないようです。自転車は道路交通法では、自動車と同じ車両の一種(軽車両)となり、法律違反をして事故を起こすと、自転車利用者は刑事上の責任が問われ、相手にケガを負わせた場合、未成年であっても民事上の損害賠償責任も発生します。
今回の調査では、中学・高校生が自転車に乗っていてヒヤッとした(危ないと思った)経験は約8割と多く、その内容は「自転車同士でぶつかりそうになった」、「狭い道路で車に接触しそうになった」、「お年寄りにぶつかりそうになった」など、交通事故となる危険が潜んでしました。また、自転車通学で中学・高校生が困っていることは、「雨」(93.2%)が最も多く、自転車通学の9割以上の生徒が雨をあげています。次に「雪」(52.5%)、「風」(50.2%)、「暑い」(44.3%)、「寒い」(32.4%)といった天候に関することが多くあげられた他、「車の通行量が多い」(29.2%)、「夜道での車や人との接触事故」(14.6%)なども困っていました。
自転車は、その気軽さや便利さの裏にさまざまな危険が潜んでいるようです。自転車通学を行うにあたり、自転車事故防ぐため、中学・高校生の自転車通学におけるルールの遵守やマナーアップが望まれています。

pdf_b.png 当サイトのPDFをご覧にいただくには、最新のAdobe Readerが必要です。こちらのバナーよりご用意ください。

fig_218_illust.jpg

【Vol.218】高校生の自転車通学時のヘルメット着用状況

2024.03.26 カンコーホームルーム 改正道路交通法の施行により、2023年4月1日から年齢にかかわらず自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されました。努力義務とは、「ヘルメット着用に努めなければならない」というものであって義務ではないため、ヘルメットを着用しなくても違反に対する罰則は定められてはいません。では、高校生の自転車通学時のヘルメット着用はどのような状況なのでしょうか?今回は、全国の高校生を対象に、自転車乗車時のヘルメット着用の努力義務化の認知状況、ヘルメット着用の有無、ヘルメット着用時に気にすることを調査しました。

fig_217_illust.jpg

【Vol.217】卒業後の制服とエコ意識

2024.02.27 カンコーホームルーム 卒業式が終わると、卒業生は制服を着ることがなくなります。制服は学生生活の長い時間を共に過ごした思い出が詰まった服なので、着る機会がなくなっても手放すことを躊躇する人も少なくないようです。では、卒業後の着なくなった制服はどのようにしているのでしょうか?今回は、全国の高校生を対象に、中学校で着用していた制服タイプ、卒業後の制服、制服を通じたエコ意識について調査しました。

  • fig_216_illust.jpg

    【Vol.216】中高生の着用制服と着たい制服タイプ

    2024.01.30 カンコーホームルーム 学校制服は、スクールアイデンティティ(SI)を表現し、生徒が着たくなるデザインや快適性、長時間着続けても耐久性に優れ丈夫でお手入れが簡単にできるものなど、時代とともに進化しています。そして、詰襟、セーラー服、ブレザー、スーツなど、様々なタイプがあります。では現在、中高生はどのようなタイプの学校制服を着ているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校に通う男女1,200人を対象に、着用している制服のタイプ、着たい制服のタイプとその理由について調査しました。
  • fig_215_illust.jpg

    【Vol.215】中高生が考える「学校制服の必要性」

    2023.12.26 カンコーホームルーム 受験・進学のときに気になることの1つに学校制服があります。学校制服は、学校毎にデザインや色・形・生地・仕様などが異なり、「憧れの○○学校の制服」や「あの制服を着たいから、この学校を受験する」という声もあるほどに中高生にとって関心の高いアイテムのようです。では現在、制服を着ている中高生は学校制服について、どのように思っているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校に通う男女1,200人を対象に、学校制服の必要性、学校制服の良い点や必要だと思うことについて調査しました。
  • fig_214_illust.jpg

    【Vol.214】女子中高生の制服アイテムへの着用意向

    2023.11.28 カンコーホームルーム 近年、ジェンダーレス制服として、女子生徒の制服に「スラックス」を導入する学校が増えています。女子制服のパンツスタイル(スラックス)は、1990年代から冬の寒さ対策や自転車通学に適しているという理由から学校制服に採用されていましたが、現在は防寒対策・自転車通学以外の利点なども注目されています。では、女子中高生自身は女子制服のパンツスタイル(スラックス)をどのように感じているのでしょうか?今回は、全国の女子中学・高校生600人を対象に女子制服のパンツスタイル(スラックス)の印象、スカートとパンツスタイル(スラックス)の着用意向、リボンとネクタイの着用意向について調査しました。