2014.08.26 カンコーホームルーム 【Vol.103】「キャリア教育に関する調査(2)」
現在、多くの学校が職場見学・体験(インターンシップ)や外部講師・企業による出張授業などのキャリア教育を実施しています。KANKOホームルームVol.101では、学校(先生方)のキャリア教育の実施内容や取り組み課題をご紹介しましたが、生徒自身はキャリア教育について、どのように感じているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校生を対象に、キャリア教育の認知度や好意度などを調査しました。
調査概要
- 調査対象:全国の中学・高校生の男女600人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2014年7月
1.キャリア教育の認知度
中学・高校生にキャリア教育という言葉を知っているか尋ねたところ、全体では「知っている」(35.2%)となり、「知らない」(64.8%)という回答が多くなりました。学校別では、中学生は「知っている」(27.3%)、高校生は「知っている」(43.0%)となり、中学生に比べて高校生はキャリア教育という言葉を知っている割合がやや高くなりました。
2.キャリア教育授業の好意度
キャリア教育を知っていると回答した中学・高校生に、キャリア教育の授業が好きかどうかを尋ねたところ、全体では、「とても好き」(10.4%)、「まあ好き」(55.9%)を合わせて6割以上が好きと回答しています。特に、女子中学生は、「とても好き」(18.4%)、「まあ好き」(52.6%)を合わせると7割以上がキャリア教育の授業を好きという結果になりました。
3.キャリア教育授業の好意度の理由
キャリア教育の授業が好きと回答した理由は、「いつもと違う事が出来て楽しい」(女子中学生)、「学校とは違う環境での勉強ができる」(男子高校生)、「いろいろな人の授業を聞けるから」(男子中学生)など、普段の学校の授業だけでは学べないことが学べることや、「将来のことについて、具体的に考えられるようになるから」(男子高校生)、「将来に役立つから」(男子中学生)といった声もありました。一方、キャリア教育の授業が好きではないと回答した理由は、「おもしろくない」(男子中学生)、「つまらない」(女子高校生)、「興味のある分野の授業がないから」(女子高校生)、「実際に役立つか疑問」(男子中学生)など、授業内容に対して物足りなさを感じているようでした。
キャリア教育とは、一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育であり、現在多くの学校で実施されています。
今回の調査では、キャリア教育の認知度を調べたところ、中学生は「知っている」(27.3%)、高校生は「知っている」(43.0%)という回答となり、中学・高校生の「キャリア教育」という言葉の浸透は約3~4割にとどまりました。キャリア教育の授業の好意度については、「とても好き」(10.4%)、「まあ好き」(55.9%)を合わせると6割以上が好きと回答していて、女子中高生は7割以上が好きと回答していることから、キャリア教育の授業が好きという中学・高校生は多いようです。キャリア教育の授業が好きという理由は、「いつもと違う事が出来て楽しい」、「学校とは違う環境での勉強ができる」、「将来のことについて、具体的に考えられるようになるから」といった普段の授業では学べない学習・体験ができることや将来に役立つと考えられています。しかし、一方では、「おもしろくない」、「つまらない」、「興味のある分野の授業がないから」、「むずかしそう」、「実際に役立つか疑問」など、授業内容の分かり難さや物足りなさなどが原因となって、キャリア教育の授業に苦手意識を持たれているようです。
キャリア教育を実施する上で、生徒自身のモチベーションの維持・向上を図ることはとても重要です。そのためには、生徒自身が興味を持ち、楽しみながら授業に取り組むことができる環境づくりや題材が求められています。
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