2014.02.25 カンコーホームルーム 【Vol.97】「制服のない小学校」
3月は卒業式の季節です。制服のない小学校では、いわゆるセレモニー用の特別な服を購入したり、レンタル衣装を借りたりして、普段とは違う服装で卒業式を行う小学校が多いようです。そのため、服装が華美になり、経済的な負担を問題視する声もあります。今回は、私服通学の小学生の子どもを持つ親御さんを対象に、小学校が私服で困ったことや、小学校に着て行く服に必要なことについて調査しました。
調査概要
- 調査対象:私服通学の小学生の子どもを持つ親212人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2013年9~10月
1.小学校が「私服」で困った経験の有無
私服通学の小学生の子どもを持つ親御さんに聞いた小学校が私服で困った経験は、「ある」31.6%で、約3割の親御さんが困ったことがあると回答しています。
2.小学校が「私服」で困っている内容
小学校が私服で困っている内容は、「毎日何を着せるか悩む」77.6%という回答が最も多く、毎日の服選びに困っている親御さんは多いようです。次に、「子どもの私服代にお金がかかる」65.7%、「成長期で、すぐに着られなくなってしまう」43.3%、「差がでる」35.8%、「入学式や卒業式、冠婚葬祭用の服が別に必要になる」32.8%といった、経済的なことを困っているという回答が多く見られました。また、「その他」9.0%では、「他の子どもと同じ物にならないように気を使う」、「名札を付けるので穴があいてしまう」、「学校が私服のことに文句を言う(露出が高い、華美すぎるとか)」という声がありました。
3.小学校に着て行く服に必要なこと
小学生の子どもを持つ親御さんが考える小学校に着て行く服に必要なことは、「お手入れしやすく、着やすく、丈夫さが必要だと思う。」(女性20代)、「きちんとしていて、動きやすい。」(男性40代)、「華美でなく、子どもらしいこと。」(女性40代)などがあげられています。
最近の小学校の卒業式では、アイドルグループのAKBが着ているような制服っぽいブレザーにチェック柄のミニスカートという服装の女の子が多いようです。人生の節目である卒業式だから、かわいくて、おしゃれなものを着たい・着せたいという気持ちも強いようですが、一方で、服装が派手になったり、スカートが短くなりすぎたりして、卒業式というセレモニーにふさわしくないという意見もあるようです。
今回の調査では、私服通学の小学生の子どもを持つ親御さんの約3割が「小学校が私服で困った経験がある」と回答していました。その内容は、「毎日何を着せるか悩む」77.6%、「子どもの私服代にお金がかかる」65.7%といった毎日の服選びや経済的なことが上位を占めていますが、子どもが学校に着て行く服装で「差がでる」35.8%、「服装のことで差別や、いじめ・仲間外れが起きる」6.0%といった、服装が原因で子どもの間で不和が生じることを心配されている親御さんもいらっしゃいました。また、親御さんが考える小学校に着て行く服に求める要素は、「丈夫」、「お手入れしやすい」、「汚れにいく」、「動きやすい」、「軽い」、「体温調節できる」、「安全である」といった機能的なことや、「きちんとしている」、「子どもらしい」、「小学生らしい」、「清潔感がある」という外観的なことがあげられ、小学校の生活シーンにあった服装を重視する傾向が見られました。
服装は、TPO=Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)に即したものが必要です。私服の場合、自分の好きな服を着ることができたり、毎日どんな服を着るか自分で考えたり選んだりする楽しさがあります。しかし、親御さんの声を聞いてみると、実際は困ることも多いようです。
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