2013.11.26 カンコーホームルーム 【Vol.94】「学校防災の状況」
東日本大震災以降、「学校防災」に対する意識が高まっています。文部科学省では、東日本大震災で明らかになった教訓を踏まえ、地震・津波が発生した場合の具体的な対応について「学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き」を作成し、様々な防災対策や防災教育を推進しています。では今現在、学校防災はどのような状況なのでしょうか?今回は、小学生の子どもがいらっしゃる親御さんに、学校の防災対策の状況や地震への不安について伺いました。
調査概要
- 調査対象:全国の小学生の子どもを持つ親249人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2013年9~10月
1.学校の防災対策の状況
学校の防災対策については、「とても満足している」8.0%、「やや満足している」65.9%を合わせると、小学生の子どもがいらっしゃる親御さんの7割以上が学校の防災対策に満足していると回答しています。
2.地震に対する不安
自分が住んでいる地域に地震が起きるのではないかという不安については、全国平均では「かなり不安に思っている」18.9%、「少し不安に思っている」51.4%を合わせると、約7割の方が不安に感じています。地域別に見ると、「東北」38.5%、「関東」24.5%、「東海」23.3%は、「かなり不安に思っている」という親御さんが全国平均に比べて多いという結果になりました。
3.保護者から子どもへの防災対策
保護者の方が地震・災害からお子様を守るために行っている防災対策は、「机の下にもぐるなどの初動対応を教えている」47.4%が最も多く、次に「懐中電灯・ラジオなどの準備している」40.6%、「学校からの連絡網や子どもの引渡し方法を確認している」39.0%、「非常食・飲料水の備蓄をしている」37.8%、「安全な避難場所や避難ルートを教えている」30.1%といった初動対応や日頃の備えなどが上位にあげられました。
「おかしも」という言葉があります。この言葉は、学校で災害が発生した時に、児童生徒がパニックを起こさず安全に行動するための心構えとして、押さない(お)、駆けない(か)、喋らない(し)、戻らない(も)の頭文字をとった標語として、学校の避難訓練などで用いられています。
今回の調査では、小学生の子どもがいらっしゃる親御さんの7割以上が学校の防災対策に満足しているという結果になりました。しかし、自分が住んでいる地域に地震が起きるのではないかという不安については、全国では約7割の親御さんが不安を感じており、地域別では、東日本大震災に見舞われた「東北」・「関東」や、東南地震の発生が懸念されている「東海」・「近畿」で不安に感じている親御さんが多いという傾向になりました。また、保護者の方が地震・災害からお子様を守るために行っている防災対策は、「机の下にもぐるなどの初動対応を教えている」が約5割で最も多く、「学校からの連絡網や子どもの引渡し方法を確認している」39.0%、「安全な避難場所や避難ルートを教えている」30.1%といった子どもの授業中や登下校中の防災対策があげられました。
未曾有の被害をもたらした東日本大震災を経験し、私たちの「学校防災」に対する意識は大きく変わったと言えます。地震・災害はいつ起きるかわからないという心構えで、学校と保護者が連携した防災対策が求められています。
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