2012.01.31 カンコーホームルーム 【Vol.72】「福島の子どもと放射線対策」
東日本大震災・福島第一原子力発電所事故を受け、災害時や放射線に対する学校教育現場で取り組みが行われています。今回は、福島県郡山市の中高生の子どもがいる保護者の方を対象に、震災以降のお子様の生活環境の変化や放射線対策として行っていることなどを調査しました。
調査概要
- 調査対象:福島県郡山市の中高生の子どもがいる親 100人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2011年12月
原発事故による、お子様の生活環境の変化の有無
東日本大震災・福島第一原子力発電所事故を受けて、お子様の生活環境が「とても変化した」という人は37.0%、「やや変化した」という人は35.0%と、保護者の7割以上がお子様の生活環境に変化があったと回答しています。
学校教育現場で問題・不安に感じること
学校教育現場で問題・不安に感じていることは、「教員の指導力の低下」56.0%、「放射線による健康影響」53.0%、「子どもの学力低下」51.0%、「いじめ」50.0%が半数を超えています。
放射線対策として、お子様に行っていること
保護者の方がお子様のために行っている放射線対策は、「手洗いの励行」が42.0%、「雨に濡れさせない」が39.0%、「洗濯物を屋外に干さない」が38.0%となりました。また、「特にしていない」という保護者の方も34.0%いらっしゃいました。
福島県郡山市の小中学校では、子どもたちを放射線から守るために、屋外活動を制限する「3時間ルール」や、校庭の表土除去や校舎周辺の除染活動などが行われています。
今回の調査では、東日本大震災・福島第一原子力発電所事故を受け、「子どもの生活環境が変化した」という保護者の方が福島県郡山市では7割を超えることが明らかになりました。その背景としては、学校教育現場で問題・不安に感じることとして、「放射線による健康影響」を挙げる保護者の方が半数を超え、東日本大震災・福島第一原子力発電所事故の影響が今も続いていることが伺えます。放射線対策としては、「手洗いの励行」「雨に濡れさせない」「洗濯物を屋外に干さない」が約4割の保護者がお子様のために行っていますが、「緊急災害時の対応」「校舎の耐震性」という災害発生時についても、4人に1人の保護者が学校教育現場で問題・不安に感じていると回答しています。
この1年で、子どもや学校を取り巻く環境や保護者の意識は大きく変化しました。子どもたちの安全安心を最優先とした保護者・学校・地域が連携した取り組みが急務と言えます。
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