2010.08.31 カンコーホームルーム 【Vol.55】「小中一貫教育校への期待」

小学校6年間と中学校3年間の学校教育を一体的に行う「小中一貫教育校」が、全国に広がりを見せています。小中一貫は、教育課程を4-3-2制、3-4-2制などに分け、従来の小・中学校教育の6・3制にこだわらず、9年間を通じ弾力的なカリキュラムを編成する新しい教育方法です。
今回は、中学生以下の子どもを持つ保護者の方を対象に「小中一貫教育校」への期待を調べました。

調査概要

  • 調査対象:全国の中学生以下の子どもを持つ保護者203人
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 実施時期:2010年4月

小中一貫教育校」の認知状況

中学生以下の子どもを持つ保護者で「小中一貫教育」を行なう学校があることを「知っている」と回答した人は83.0%で、多くの親御さんが小中一貫教育校の存在を認識しています。

【図1】「小中一貫教育校」という学校があることをご存知ですか?(単数回答)

「小中一貫教育校」への子どもの通学意向

「小中一貫教育校」に自分の子どもを通わせたいと思っている親御さんは、「とても通わせたい」、「まあ通わせたい」を合わせて38.2%でした。通わせたい理由としては、「環境が変わらない方が安心できる」「学業に専念できそう」という声が多く、通わせたくない理由としては、「人間関係が偏る」「授業料が高い」「利点がわからない」という声が聞かれました。

【図2】「小中一貫教育校」に子どもを通わせたいですか?(単数回答)

◆「通わせたい」理由

  • 環境が変わらない方が安心できる。(30代女性)
  • 先生の指導力がありそうだから。(40代女性)
  • 学業に専念できそう。(30代男性)
  • 教育方針がしっかりしていそうだから。(30代男性)
  • 勉強以外の生活面等まできちんと指導してくれているイメージがある。(40代女性)
  • 小学校から中学校へと突然違う種類の学校へ行くのではなく、緩やかに移行するので、子どもの戸惑いが少ない。(30代女性)

◆「通わせたくない」理由

  • 環境は変わった方がいいと思う。(30代男性)
  • 変化が無いと発想が乏しくなる。(30代男性)
  • 人間関係が偏ると思うから。(40代女性)
  • 競争がないため子どもがだれる。(40代男性)
  • 授業料が高い。(30代女性)
  • 利点がわからない。(30代女性)
【表1】「小中一貫教育校」に通わせたい・通わせたくない理由 (自由回答)

小中一貫教育校の存在は、中学生以下の子どもを持つ保護者の8割以上が「知っている」と回答しています。しかし、実際に子どもを通わせたいという親御さんはその半数以下の4割に満たない結果でした。その背景としては、「小中一貫教育校は知っているが、どのような利点があるかわからない」という6・3制との違いや教育内容の不明瞭さがあるようです。
通学意向は賛否両論ありますが、小中一貫教育のメリットについては、「環境」と「勉強」の面が挙げられています。特に、中学進学直後に勉強が急に分からなくなる「中1ギャップ」の解消や、人間関係の変化による不安などにより学校に通えなくなる「不登校」を防ぐなど、学力向上はもとより、生活指導面や心の育成面など、さまざまな効果が期待されています。

pdf_b.png 当サイトのPDFをご覧にいただくには、最新のAdobe Readerが必要です。こちらのバナーよりご用意ください。

fig_218_illust.jpg

【Vol.218】高校生の自転車通学時のヘルメット着用状況

2024.03.26 カンコーホームルーム 改正道路交通法の施行により、2023年4月1日から年齢にかかわらず自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されました。努力義務とは、「ヘルメット着用に努めなければならない」というものであって義務ではないため、ヘルメットを着用しなくても違反に対する罰則は定められてはいません。では、高校生の自転車通学時のヘルメット着用はどのような状況なのでしょうか?今回は、全国の高校生を対象に、自転車乗車時のヘルメット着用の努力義務化の認知状況、ヘルメット着用の有無、ヘルメット着用時に気にすることを調査しました。

fig_217_illust.jpg

【Vol.217】卒業後の制服とエコ意識

2024.02.27 カンコーホームルーム 卒業式が終わると、卒業生は制服を着ることがなくなります。制服は学生生活の長い時間を共に過ごした思い出が詰まった服なので、着る機会がなくなっても手放すことを躊躇する人も少なくないようです。では、卒業後の着なくなった制服はどのようにしているのでしょうか?今回は、全国の高校生を対象に、中学校で着用していた制服タイプ、卒業後の制服、制服を通じたエコ意識について調査しました。

  • fig_216_illust.jpg

    【Vol.216】中高生の着用制服と着たい制服タイプ

    2024.01.30 カンコーホームルーム 学校制服は、スクールアイデンティティ(SI)を表現し、生徒が着たくなるデザインや快適性、長時間着続けても耐久性に優れ丈夫でお手入れが簡単にできるものなど、時代とともに進化しています。そして、詰襟、セーラー服、ブレザー、スーツなど、様々なタイプがあります。では現在、中高生はどのようなタイプの学校制服を着ているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校に通う男女1,200人を対象に、着用している制服のタイプ、着たい制服のタイプとその理由について調査しました。
  • fig_215_illust.jpg

    【Vol.215】中高生が考える「学校制服の必要性」

    2023.12.26 カンコーホームルーム 受験・進学のときに気になることの1つに学校制服があります。学校制服は、学校毎にデザインや色・形・生地・仕様などが異なり、「憧れの○○学校の制服」や「あの制服を着たいから、この学校を受験する」という声もあるほどに中高生にとって関心の高いアイテムのようです。では現在、制服を着ている中高生は学校制服について、どのように思っているのでしょうか?今回は、全国の中学・高校に通う男女1,200人を対象に、学校制服の必要性、学校制服の良い点や必要だと思うことについて調査しました。
  • fig_214_illust.jpg

    【Vol.214】女子中高生の制服アイテムへの着用意向

    2023.11.28 カンコーホームルーム 近年、ジェンダーレス制服として、女子生徒の制服に「スラックス」を導入する学校が増えています。女子制服のパンツスタイル(スラックス)は、1990年代から冬の寒さ対策や自転車通学に適しているという理由から学校制服に採用されていましたが、現在は防寒対策・自転車通学以外の利点なども注目されています。では、女子中高生自身は女子制服のパンツスタイル(スラックス)をどのように感じているのでしょうか?今回は、全国の女子中学・高校生600人を対象に女子制服のパンツスタイル(スラックス)の印象、スカートとパンツスタイル(スラックス)の着用意向、リボンとネクタイの着用意向について調査しました。